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群雄進撃編
第130話 奇跡の始まり
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味方に合流した項羽に、范増と陳平は拱手して謝罪する。
「申し訳ありません、大王様」
「我々が策を見抜けずに、味方に大損害を与えてしまいました」
只々、頭を下げる二人に、項羽はそっと話しかける。
「二人に見抜けなかったのであれば、だれにも見抜けなかったろう」
「ここは素直に、敵の知略が我々の方より、一枚上手だったと認めよう」
そんな事よりと、項羽は卑弥呼に訪ねる。
「それで…反乱軍の中に生き残った者はだれかいたか?」
項羽の問いに、卑弥呼は首を横に振る。
「いえ、残念ながら誰もいませんでした…」
そうか、項羽は短く答えて、亡くなった反乱軍に対して拱手をする
「お前たちの無念は必ず晴らしてやる」
「だから現世はゆっくり休め」
そう呟くと、項羽も一緒に亡くなった反乱軍の亡骸を埋める為に穴を掘り始めた。
夕方には、皆土の中に眠り、項羽たちは出立の準備を始める。
ふと、ボウイが項羽に話しかける。
「いや、また神からお告げが来たのだが…ですが、今から『リかのおねーちゃん』をやるので、みんな明日までここに待機だそうです」
「りかのおねーちゃん?」
陳平と范増は顔を見合わせる。
しばらく沈黙が続いて、卑弥呼がボウイに聞き直す。
「それって、『リインカーネーション』って言っていませんでした?」
皆はっとなり、同時にボウイが誰かと話始める。
「すまない、その卑弥呼が言っているやつだ!」
「今からそれを始めるので、明日までここから動かないように!だそうだ」
にわかに信じられない項羽一行。
「輪廻転生って言っているが、全員埋めてしまったぞ?」
「いえ、そもそもホーリーフィールドに当たって、灰になった人たちもいるのだけど?」
「いやいや、普通に考えて死んだものが、生き返ること自体がありえない!」
皆がああでもない、こうでもないと、話している中、ボウイは誰かと話しながらある所へ行き、地面を見つめ始める。
ボウイが地面に向かってぶつぶつ言い始めると、突然地面が光り、数人の男が現れた。
「どういう事だ?俺は岩に押し潰されて死んだはずだが?」
「お前『ぶんだい』なのか?」
そう思ったのか、龍且は質問する。
「ああ、そうだ」
「俺は『ぶんだい』だ!」
少し前までは虎の姿だった彼が、今は赤い頭巾をかぶった、精悍な顔をした人間の男に替わっている。
ここで姜維がここまでの経緯を男に説明した。
「そうか、俺は転生したのか!」
そう理解すると、男は項羽の前で片膝をついて拱手する。
「項羽様、私を復活させて頂きましたありがとうございます」
「私は転生者であり、名を孫堅・文台(そんけん・ぶんだい)と申します」
ここで姜維が、孫堅を簡単に説明する。
「この方は、私より少し前の後漢末期に活躍された方です」
「知勇兼備の勇将で、その治める土地にちなんで「江東の虎」と呼ばれておりました」
「この御恩に報いるべく、最後まで共に戦わせて頂きます」
父に続いて、次は顔立ちが整った息子が挨拶をする。
「項羽様、私の名前は孫策・伯符(そんさく・はくふ)、父・文台の息子でございます」
「この方も、私より少し前の後漢末期に活躍された方です」
「孫策殿も知勇兼備の勇将で、さらに多くの人材を集め、後に三国時代となる「呉」の礎を築いた方にございます」
「親子共々、秦の開放をお手伝いさせて頂きます」
そんな挨拶があっている間も、ボウイは機械のように地面に何か唱え、次々と人が現れた。
気になった卑弥呼がボウイの様子を見に行く。
「あなた、一体何をやっているの?」
ボウイの視線の先を見ると、たくさんのアリが行列を作って歩いている。
「まさか、この蟻が皆さんの転生先なの?」
その通り!
実は今回、韓信が多くの信者を集めてくれたおかげで、【南の救世神】にランクアップしていたのだ!
それにより、信者個人からのポイント率アップと、人口が爆発的に増えたことにより、今や1日当たり50,000,000程の精神増加となった。
そして、ランクアップに伴い、奇跡の【輪廻転生】が追加されて使えるようになった訳。
この能力は、自分の領域内に限り、ケガや呪いで死んだものを『48時間以内』であれば小動物に憑依・転生できるって能力。
当然、ボウイが進化を使えるので、人間?にまでなってしまう。
たださ、40000人近くを転生させると言ったって、そんなに生き物いるわけないじゃん?
城の中の生き物は皆殺されちゃったし、城の周り草原だし。
で、見つけたのが蟻さんとか昆虫たち。
うちのメンバーは虫とも会話できるので、蟻に片っ端から魂入れこんで進化させているわけ。
ちなみに、人口が多いのと、特殊転生者が複数いるので、全員転生となると2億超になり、俺の精神ポイントは2000くらいまで激減した。
さらに、一度使ったら『別御神体の領域での使用は90日間不可能』と、あちこちで連発できるわけではないので、本当に大事なとき以外には使えない。
それでも皆を救える唯一の方法だし、精神力はほっといてもまた溜まるからいいんだけどね。
これからは優先的に領域拡げを実施していこう。
あと、転生後の性別は転生者が決められるようである、よかった。
おっ、本日3匹目の悪魔が、「殺魔器」に引っかかって黒焦げになっている(笑)
こいつら、吸い寄せられるように、これに入っていくから便利なんだよね。
「パチッ!」「ギャー!」
この音と声のコラボがだんだん癖になってきたよ。
後は、進化の作業を数万回繰り返す、ボウイの精神力が持ってくれることを願う!
「申し訳ありません、大王様」
「我々が策を見抜けずに、味方に大損害を与えてしまいました」
只々、頭を下げる二人に、項羽はそっと話しかける。
「二人に見抜けなかったのであれば、だれにも見抜けなかったろう」
「ここは素直に、敵の知略が我々の方より、一枚上手だったと認めよう」
そんな事よりと、項羽は卑弥呼に訪ねる。
「それで…反乱軍の中に生き残った者はだれかいたか?」
項羽の問いに、卑弥呼は首を横に振る。
「いえ、残念ながら誰もいませんでした…」
そうか、項羽は短く答えて、亡くなった反乱軍に対して拱手をする
「お前たちの無念は必ず晴らしてやる」
「だから現世はゆっくり休め」
そう呟くと、項羽も一緒に亡くなった反乱軍の亡骸を埋める為に穴を掘り始めた。
夕方には、皆土の中に眠り、項羽たちは出立の準備を始める。
ふと、ボウイが項羽に話しかける。
「いや、また神からお告げが来たのだが…ですが、今から『リかのおねーちゃん』をやるので、みんな明日までここに待機だそうです」
「りかのおねーちゃん?」
陳平と范増は顔を見合わせる。
しばらく沈黙が続いて、卑弥呼がボウイに聞き直す。
「それって、『リインカーネーション』って言っていませんでした?」
皆はっとなり、同時にボウイが誰かと話始める。
「すまない、その卑弥呼が言っているやつだ!」
「今からそれを始めるので、明日までここから動かないように!だそうだ」
にわかに信じられない項羽一行。
「輪廻転生って言っているが、全員埋めてしまったぞ?」
「いえ、そもそもホーリーフィールドに当たって、灰になった人たちもいるのだけど?」
「いやいや、普通に考えて死んだものが、生き返ること自体がありえない!」
皆がああでもない、こうでもないと、話している中、ボウイは誰かと話しながらある所へ行き、地面を見つめ始める。
ボウイが地面に向かってぶつぶつ言い始めると、突然地面が光り、数人の男が現れた。
「どういう事だ?俺は岩に押し潰されて死んだはずだが?」
「お前『ぶんだい』なのか?」
そう思ったのか、龍且は質問する。
「ああ、そうだ」
「俺は『ぶんだい』だ!」
少し前までは虎の姿だった彼が、今は赤い頭巾をかぶった、精悍な顔をした人間の男に替わっている。
ここで姜維がここまでの経緯を男に説明した。
「そうか、俺は転生したのか!」
そう理解すると、男は項羽の前で片膝をついて拱手する。
「項羽様、私を復活させて頂きましたありがとうございます」
「私は転生者であり、名を孫堅・文台(そんけん・ぶんだい)と申します」
ここで姜維が、孫堅を簡単に説明する。
「この方は、私より少し前の後漢末期に活躍された方です」
「知勇兼備の勇将で、その治める土地にちなんで「江東の虎」と呼ばれておりました」
「この御恩に報いるべく、最後まで共に戦わせて頂きます」
父に続いて、次は顔立ちが整った息子が挨拶をする。
「項羽様、私の名前は孫策・伯符(そんさく・はくふ)、父・文台の息子でございます」
「この方も、私より少し前の後漢末期に活躍された方です」
「孫策殿も知勇兼備の勇将で、さらに多くの人材を集め、後に三国時代となる「呉」の礎を築いた方にございます」
「親子共々、秦の開放をお手伝いさせて頂きます」
そんな挨拶があっている間も、ボウイは機械のように地面に何か唱え、次々と人が現れた。
気になった卑弥呼がボウイの様子を見に行く。
「あなた、一体何をやっているの?」
ボウイの視線の先を見ると、たくさんのアリが行列を作って歩いている。
「まさか、この蟻が皆さんの転生先なの?」
その通り!
実は今回、韓信が多くの信者を集めてくれたおかげで、【南の救世神】にランクアップしていたのだ!
それにより、信者個人からのポイント率アップと、人口が爆発的に増えたことにより、今や1日当たり50,000,000程の精神増加となった。
そして、ランクアップに伴い、奇跡の【輪廻転生】が追加されて使えるようになった訳。
この能力は、自分の領域内に限り、ケガや呪いで死んだものを『48時間以内』であれば小動物に憑依・転生できるって能力。
当然、ボウイが進化を使えるので、人間?にまでなってしまう。
たださ、40000人近くを転生させると言ったって、そんなに生き物いるわけないじゃん?
城の中の生き物は皆殺されちゃったし、城の周り草原だし。
で、見つけたのが蟻さんとか昆虫たち。
うちのメンバーは虫とも会話できるので、蟻に片っ端から魂入れこんで進化させているわけ。
ちなみに、人口が多いのと、特殊転生者が複数いるので、全員転生となると2億超になり、俺の精神ポイントは2000くらいまで激減した。
さらに、一度使ったら『別御神体の領域での使用は90日間不可能』と、あちこちで連発できるわけではないので、本当に大事なとき以外には使えない。
それでも皆を救える唯一の方法だし、精神力はほっといてもまた溜まるからいいんだけどね。
これからは優先的に領域拡げを実施していこう。
あと、転生後の性別は転生者が決められるようである、よかった。
おっ、本日3匹目の悪魔が、「殺魔器」に引っかかって黒焦げになっている(笑)
こいつら、吸い寄せられるように、これに入っていくから便利なんだよね。
「パチッ!」「ギャー!」
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