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群雄進撃編
第125話 楚の復活
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その人物の姿を見た項羽一行は、皆一斉に低頭する。
「項羽、項伯よ、久しいな、項羽は昔と違ってしっかりと礼儀作法が出来ておる」
「ほう、あんなに小さかった項羽が、こんなにも立派に成長したのか」
「項燕殿の孫でしたか、なるほど、並々ならぬ闘気を感じます」
3人の言葉に、項伯が驚き話す。
「父上、兄上も転生されましたか!」
「それと、そちらのお方はもしかして…」
「初めまして皆様、私は前世で楚王でした『昌平君(しょうへいくん)』と申します」
「ハハッ!」
項羽一同は再び礼を取る。
「我々のあいさつも行うかのう」
「私の名は『項燕(こうえん)』、項伯と項梁(こうりょう)の父であり、項羽・項荘の祖父にあたる男じゃ」
「そしてわしが『項梁(こうりょう)』、項伯の兄であり項羽の叔父である」
「項梁さま、お懐かしゅうございます!」
「おお、桓楚よ!お前も項羽と共に戦ってくれておったのか!」
「はい、我らは少し前にこの地に転生いたしまして、現在大王様と共に、領民を魔族共から開放しております」
「そうか、項羽よ!そのような事を考えるようになったとは、叔父として誇らしいぞ!」
久しぶりの再会に、暫くは皆で近況を話し合った。
「それで項羽よ、お前たちは今後どうするつもりなのだ?」
項梁の言葉に、皆項羽を見る。
「はい叔父上、我々はこの後、この郢を首都として『楚』の復活を宣言いたします」
「楚の復活?それは本当か!」
項羽はここまで話した後、范増に交代する。
「我々の目的は『秦の打倒』及び魔族からの『領民の開放』です」
「ここで楚が、この二つの目標の旗頭となり、諸国の反乱軍を纏め上げるのです」
「幸い、此方には『昌平君』様がおり、他国も必ずや王をお認めになるでしょう」
なるほど、と項燕たちは頷く。
「しかし私が楚王となったら、項羽たちはどうするつもりなのだ?」
昌平君の質問に、陳平が答える。
「心配ございません」
「我々にはもう一つの目標がございまして…」
陳平はここで今後の方針を皆に話す。
「なるほど、そのような考えを持っておったとは」
「項羽の配下たちは知勇を兼ね備えた恐ろしい集団だな」
昌平君は陳平の戦略に舌を巻いた。
「それならば、我々は大々的の楚の復活を唱えなければならないな!」
項燕の言葉に場の全員が賛同する。
「それでは、我々は長沙・零陵・桂陽の平定と、郢にいた魔族の野良犬共を打ち滅ぼしてまいります」
項羽は拱手をしてこの場を去ろうとする。
「待て、項羽!」
項羽を項燕が呼び止める。
「お前たちは、私たちが最初からここに転生していることを知っておったのだろう?」
項燕の言葉に、項羽は何も言わずに一礼し、そのまま玉座の間を後にした。
(まったく、末恐ろしい孫に育ったものだ…)
項燕は大きく成長した項羽に、大きな喜びを感じていた。
「項羽、項伯よ、久しいな、項羽は昔と違ってしっかりと礼儀作法が出来ておる」
「ほう、あんなに小さかった項羽が、こんなにも立派に成長したのか」
「項燕殿の孫でしたか、なるほど、並々ならぬ闘気を感じます」
3人の言葉に、項伯が驚き話す。
「父上、兄上も転生されましたか!」
「それと、そちらのお方はもしかして…」
「初めまして皆様、私は前世で楚王でした『昌平君(しょうへいくん)』と申します」
「ハハッ!」
項羽一同は再び礼を取る。
「我々のあいさつも行うかのう」
「私の名は『項燕(こうえん)』、項伯と項梁(こうりょう)の父であり、項羽・項荘の祖父にあたる男じゃ」
「そしてわしが『項梁(こうりょう)』、項伯の兄であり項羽の叔父である」
「項梁さま、お懐かしゅうございます!」
「おお、桓楚よ!お前も項羽と共に戦ってくれておったのか!」
「はい、我らは少し前にこの地に転生いたしまして、現在大王様と共に、領民を魔族共から開放しております」
「そうか、項羽よ!そのような事を考えるようになったとは、叔父として誇らしいぞ!」
久しぶりの再会に、暫くは皆で近況を話し合った。
「それで項羽よ、お前たちは今後どうするつもりなのだ?」
項梁の言葉に、皆項羽を見る。
「はい叔父上、我々はこの後、この郢を首都として『楚』の復活を宣言いたします」
「楚の復活?それは本当か!」
項羽はここまで話した後、范増に交代する。
「我々の目的は『秦の打倒』及び魔族からの『領民の開放』です」
「ここで楚が、この二つの目標の旗頭となり、諸国の反乱軍を纏め上げるのです」
「幸い、此方には『昌平君』様がおり、他国も必ずや王をお認めになるでしょう」
なるほど、と項燕たちは頷く。
「しかし私が楚王となったら、項羽たちはどうするつもりなのだ?」
昌平君の質問に、陳平が答える。
「心配ございません」
「我々にはもう一つの目標がございまして…」
陳平はここで今後の方針を皆に話す。
「なるほど、そのような考えを持っておったとは」
「項羽の配下たちは知勇を兼ね備えた恐ろしい集団だな」
昌平君は陳平の戦略に舌を巻いた。
「それならば、我々は大々的の楚の復活を唱えなければならないな!」
項燕の言葉に場の全員が賛同する。
「それでは、我々は長沙・零陵・桂陽の平定と、郢にいた魔族の野良犬共を打ち滅ぼしてまいります」
項羽は拱手をしてこの場を去ろうとする。
「待て、項羽!」
項羽を項燕が呼び止める。
「お前たちは、私たちが最初からここに転生していることを知っておったのだろう?」
項燕の言葉に、項羽は何も言わずに一礼し、そのまま玉座の間を後にした。
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