神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第125話 郢奪還

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「司令官、城門の前におかしな奴らが来ております!」

「どういう事だ?」

「はい、門の前で『領民は魔族に従わずに隆起せよ!』とほざいております」

「なんだと!反乱軍め、ここまできおったか!」

司令官は怒り心頭で城壁に立つ。

「なんだ貴様らは!」

司令官の問いに項羽たちは軽く挑発する。

「ほう、あれに見える醜い顔の男は魔族の一兵卒か?」

「大王様違いますぞ!あれは家柄だけで司令官になれたエス何とかってやつです!」

「エス…そんな魔族将軍の名、俺は聞いたことないぞ?」

「まぁ魔族なんてどれも一緒で弱っちい奴らですからな!」

「おのれー!言わせておけば!」

項羽たちが大笑いを始めると、司令官はキレて、魔族将軍たちに出陣を指示する。

「本当に魔族はプライドが高くて助かる」

項羽のつぶやきに誰も返事できない家臣たち一同。

やがて門が開き、大群が項羽たちに向かって襲い掛かってきた。

「やれやれ、普通であればこの人数にあんな大群は出さぬものだが…まあ今回は正解か」

項羽の言葉に全員が突撃姿勢を取る。

「全軍突撃!」

「「「オー!」」」

全軍突撃と同時に、項羽と騅は上空に舞い上がり、騅がいきなり挨拶代わりの大技を出す。

「メテオ・スラッシュ!」

突然上空から無数の火の玉が兵団を襲う。

この攻撃で魔族兵の3/10が戦闘不能となる。

混乱に陥った前衛部隊に龍且たちが突撃した。

友成作の斧槍は、刃にあたる魔族たちを鎧ごと真っ二つにしていく。

運よく?刃のない部分にあたった者は骨が粉々になり吹き飛ばれた。

上空に舞うペガサスたちは阻害魔法を出し、魔法兵に仕事をさせない。

流れを変えるべく、魔族将軍が一騎打ちに出る。

「応!俺が受けてやろう!」

応戦した季布に魔族将軍は一合も交える事なく縦に真っ二つにされた。

城壁から矢を射かける兵たちに、騅が容赦なく雷を落とす。

門外及び城壁で動いている魔族兵は次々と打倒されていく。

「な、な、何なんだあいつらはー!」

恐怖に駆られた司令官は門を閉めるよう指示を出すが、時すでに遅し。

城門は半蔵の部下に制圧され、城内のあちこちで住民が蜂起していた。

「おい、エス何とか!」

恐る恐る上空を見上げると、白い馬に乗った項羽がエスビーを見下ろしている。

「俺の名は項羽、西楚ノ覇王である!」
「俺と一騎討ちをして散るか、捕まって殺されるか、好きな方を選べ!」

もはや一騎打ちを行うか?と思われたが、司令官は奥歯に仕込んだ毒で自害した。

「貴様の顔は覚えた…俺は精神体だから、何度でも復活して、貴様を殺しにきてやるからな…」

最後にそう言い残し、司令官は倒れた。

「ふん、貴様が何度復活してこようと、何の障害にもならんわ」

そう項羽が言ったところで、ボウイが項羽に話しかける。

「いや、今神からお告げが来たのだが…ですが、こいつの精神体は潰したので大丈夫との事だ…です」

一応項羽の弟子なので、敬語を心掛けようとするボウイ。

「そうか、しかしこんな弱いやつを送っても神は満足するまいて!」
「次はもう少し歯ごたえのあるやつを送るとジャスティス神に伝えてくれ!」

いやいやいや!
そんな心遣い無用です!(キッパリ!)
俺はこんな何の手応えもない弱いやつを倒すのが大好きなので、このくらいのを率先して送ってください!
もう当分精神力の無駄遣い?は出来ないから悪魔叩き棒で奮戦したんだぞ!
こいつらちょこまかとハエみたいに飛び回るから、なかなか当たんなかったけど、疲れて領域の壁?に引っ付いたところをぱちーんと一撃よ!
「うぎゃー!」とか言っていたけど、まあ、どんまいだ。
ちなみにこいつら悪魔は、俺の領域内で体が死んだら、外に出ることができないようである。

しかし、強いってことはわかっていたのだけど、規格外の戦闘集団だな、こいつら。

一時間もすると、魔族軍30000は壊滅し、殆どの兵が動かなくなっていた。

「しかし…このような戦闘力を見せつけられると、我々が考えた策もあってないようなものですな」
「そうじゃな、昔から大王は強かったが、今はそれに何重も輪をかけて強くなっておられる」

陳平と范増は、馬を並べて項羽たちの元へ向かう。

城内に入ると、黒田八虎と伊賀衆が残党処理にあたっていた。

領民たちは次々と討ち取られた魔族兵を一か所に集めている。

「もう少ししたら味方が到着致しますので、その者達に魔族の解体を任せましょう」

陳平はそう話しながら、項羽たちと一緒に玉座の間へと向かう。

玉座に到着すると、階段の下で拱手をして待つ3人の獣人がいた。

その前に進み、項羽と部下たちも拱手する。

「皆様のおかげで、我ら獣人の都市、郢を取り戻すことに成功致しました」
「今は住民たちも怖がっておりますが、時が経てば落ち着いてくると思います」

3人からの報告に、項羽が礼をもって答える。

「獣人の皆様、ご協力ありがとうございました」
「御三方のお陰で、無事楚の首都、郢を取り戻すことができました」

あの横柄だったころの項羽の姿は、今やどこにも残っていない。

「ほう、貴方様はここが楚の元首都だったことを御存じなのですか?」

狼の住人が驚いて聞く。

「我々は転生者で、前世はこの地の出身なのです」

ここで陳平が3人に説明をする。

「そうか、我々も転生者と言う事か」
「良かったら我々も楚の開放を手伝わせてくれないか?」

この言葉を聞き、項羽は頷く。

「よっしゃー待ってました!」

ボウイが早速3人を進化させ、大男2人とイケメンが現れた。

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