122 / 317
群雄進撃編
第121話 悪魔と「精神体」
しおりを挟む
次の日、捕らえられていた司令官及び副官の護送団が、荊州城より到着した。
まず韓信たちは、獣人である副官3人と面会する。
「戦場の責任はすべて我々にあり、兵士たちには何の罪もない」
「どうか我々幹部のみを処罰していただき、兵士たちには寛大な処置を願う」
そう言い、拘束をされたまま頭を下げる3人。
「あなた方の気持ちはわかりました」
「しかし、宋兵らのことを心配する必要はもうありません」
韓信の言葉にまさかと顔を上げる副官たち。
「宋の徴兵達は全て自分の居城に帰らせました」
「すべての兵を…ですか?」
驚く3人。
「はい、早く帰って家族を安心させなさいと、僅かではありますが路銀を渡して開放しております」
「そうか、そうでしたか…」
その言葉に安堵する3人。
その時、誰かが中に入ってきて3人に声を掛ける。
「どうだった?韓信様は強かっただろ!」
「「お前は豹子頭!」」
林冲の登場に3人は一斉に声を上げた。
「そうだ、豹子頭だ」
「今は前世を思い出し林冲を名乗っている」
「お前たちも前世を思い出したら、一体誰を相手に戦いを仕掛けていたのかびっくりするぞ?」
互いの顔を見合う3人。
「あなた達が、心から魔族に仕えていないことはわかりました」
「私たちの目的は、魔族を滅ぼし宋の領民を開放することです」
「宜しければあなた達も、一緒に宋国の民を救いませんか?」
「あんた達に戦を仕掛けた俺たちを、仲間にするというのか?」
韓信の勧誘に驚く3人。
「それはあなた達が、魔族に協力せねばならない事情があったからです」
「あなた達の根底には「宋の民を守る」があると思いましたので、一緒に魔族と戦いませんか?とお話ししております」
韓信の誘いに3人は頭を下げる。
「我々で宜しければ、是非協力させて頂きます」
「りょーかい!」
椅子に座って爪の手入れをしていたツキノが3人を進化させた。
「皆様、私の名前は『青面獣・楊志(ようし)』です。前世では梁山泊軍にて騎兵軍八虎将兼先鋒使を務めておりました」
「俺の名前は『霹靂火・秦明(しんめい)』です。前世では梁山泊軍の騎兵五虎将を務めておりました」
「私の名前は『鎮三山・黄信(こうしん)』です。前世では梁山泊軍の騎兵小彪将十六騎を務めておりました」
自己紹介が終わると、林冲が話しかける。
「3人とも、久しぶりだな!」
「ああ、皆前世の方臘討伐戦以来か?」
「俺はあの時、敵将の方傑に突き殺されたんだよ」
「あの時、俺と楊志は討伐が終わる前に病死したんだったな」
「そうだそうだ、結局最後まで生き残れたのは黄信だけだったな」
「今日は来てないが樊瑞も一緒にいるぞ」
「なに、混世魔王もいるのか!」
林冲たちは、もはや同窓会の状態になっていた。
「まぁ、積もる話もあるでしょうから、後でゆっくり話してください」
「この後の魔族共の処分を決めないといけませんので」
張良の一言で、林冲たちの同窓会は一旦お開きとなった。
副官たちはそのまま韓信たちの陣営に並び、束縛された司令官達が入室する。
「貴様らはなぜ敵の中に並んでおる!」
韓信たちの列に、副官たちを見つけた司令官達は、彼らを非難しはじめる。
「我々は韓信様の話に共鳴し、家臣となりました」
「この裏切り者共めが!」
「貴様ら、必ず後悔する事になるからな!」
辛らつな言葉を元副官たちに浴びせる司令官たち。
「それはあなた達が、ここから脱出することが出来ればですけどね?」
その言葉に司令官達は笑い始める。
「愚かな者どもよ、よく聞け!」
「俺たちの本体は『精神体』で、この世界の体は人造人間でしかない」
「ここで死んだところですぐに復活し、また貴様らを殺しに来てやるわ!」
そう話し終えた途端、彼らは苦しみだす。
「しまった、奥歯に毒を仕込んでいたな!」
「「「混沌のこの世界に絶望を!」」」
そう唱えた司令官達は絶命した。
「厄介ですね、何度殺しても復活してくるってことですか…」
張良の言葉に、皆言葉が出ずに沈黙してしまう。
ふと、ツキノが皆に話し出す。
「いまさー、神様?からお告げってやつが来たんだけど」
「なんかその精神体ってやつは神様が倒したみたいだよ?」
「なんですと?我らのジャスティス神が、精神体になった魔族を倒してくれたのですか!」
驚く韓信の言葉に、ツキノは続ける。
「いや、精神体になれるのは悪魔か神だけみたい」
「こいつは下級の奴みたいだけど、魔族じゃなく悪魔だって」
「この程度の奴はバンバン『叩き潰す!』からドンドン倒しちゃって!だって…」
この言葉に一同沈黙する。
「なんてことだ…我らのような種族をまとめる神ゆえに、その力も規格外ってことですかね?」
「我らの神ながら…恐ろしいですね」
喜びを通り越し、想像からあまりにもかけ離れた神の力の存在に皆、恐怖を感じている。
「えーとさ、いま神様がめちゃ焦った感じで話してくるのだけど」
「自分は皆の味方だから怖がらなくていいよだって」
「あと、悪魔や悪神は信者である皆を困らせているから俺が懲らしめてやるだって」
ツキノのその言葉に皆歓喜する。
「なんと、我々の言葉を聞いてくださるどころか、心配までしてくださるとは、何て慈悲深い神なのだ!」
「我々はこの神の為なら命を投げ打ってでも戦うぞ!」
「「ジャスティス神万歳!!」」
皆はそう叫び、天に向かって拱手をした。
いやいや、ちょっと待って!
段々ヤヴァイカルト集団みたいになってきたぞ!
いや、確かに俺がやったんだけどさ、もっと気楽にいこうよ?
ちなみに悪魔の精神体なんだけど、あいつら死んだら黒いハエみたいなのが飛んできたんだよね。
で、対四凶用に買っておいた『悪魔叩き棒』と言うハエ叩き棒みたいなやつと『殺魔スプレー』っていうゴ〇〇ェットみたいなので、パチンとプシュ~ってやったら、変な煙が出て消えちゃったんだよね。
一応「ぎゃー」とか断末魔上げていたからあぼーんしたで間違いないと思うけど?
まあ、これでみんなの脅威は去ったので、安心、安心と。
「これで精神体に対しての心配はなくなりました」
「我々がやることは宋国の魔族を一掃し、平和な世の中を取り戻すのです!」
最後に韓信がいい感じの言葉で絞めて、この場は終了した。
ちなみに残った魔族将軍と、魔族兵15000は、袁術の下に送られ元気にインフラ整備をやっている。
まず韓信たちは、獣人である副官3人と面会する。
「戦場の責任はすべて我々にあり、兵士たちには何の罪もない」
「どうか我々幹部のみを処罰していただき、兵士たちには寛大な処置を願う」
そう言い、拘束をされたまま頭を下げる3人。
「あなた方の気持ちはわかりました」
「しかし、宋兵らのことを心配する必要はもうありません」
韓信の言葉にまさかと顔を上げる副官たち。
「宋の徴兵達は全て自分の居城に帰らせました」
「すべての兵を…ですか?」
驚く3人。
「はい、早く帰って家族を安心させなさいと、僅かではありますが路銀を渡して開放しております」
「そうか、そうでしたか…」
その言葉に安堵する3人。
その時、誰かが中に入ってきて3人に声を掛ける。
「どうだった?韓信様は強かっただろ!」
「「お前は豹子頭!」」
林冲の登場に3人は一斉に声を上げた。
「そうだ、豹子頭だ」
「今は前世を思い出し林冲を名乗っている」
「お前たちも前世を思い出したら、一体誰を相手に戦いを仕掛けていたのかびっくりするぞ?」
互いの顔を見合う3人。
「あなた達が、心から魔族に仕えていないことはわかりました」
「私たちの目的は、魔族を滅ぼし宋の領民を開放することです」
「宜しければあなた達も、一緒に宋国の民を救いませんか?」
「あんた達に戦を仕掛けた俺たちを、仲間にするというのか?」
韓信の勧誘に驚く3人。
「それはあなた達が、魔族に協力せねばならない事情があったからです」
「あなた達の根底には「宋の民を守る」があると思いましたので、一緒に魔族と戦いませんか?とお話ししております」
韓信の誘いに3人は頭を下げる。
「我々で宜しければ、是非協力させて頂きます」
「りょーかい!」
椅子に座って爪の手入れをしていたツキノが3人を進化させた。
「皆様、私の名前は『青面獣・楊志(ようし)』です。前世では梁山泊軍にて騎兵軍八虎将兼先鋒使を務めておりました」
「俺の名前は『霹靂火・秦明(しんめい)』です。前世では梁山泊軍の騎兵五虎将を務めておりました」
「私の名前は『鎮三山・黄信(こうしん)』です。前世では梁山泊軍の騎兵小彪将十六騎を務めておりました」
自己紹介が終わると、林冲が話しかける。
「3人とも、久しぶりだな!」
「ああ、皆前世の方臘討伐戦以来か?」
「俺はあの時、敵将の方傑に突き殺されたんだよ」
「あの時、俺と楊志は討伐が終わる前に病死したんだったな」
「そうだそうだ、結局最後まで生き残れたのは黄信だけだったな」
「今日は来てないが樊瑞も一緒にいるぞ」
「なに、混世魔王もいるのか!」
林冲たちは、もはや同窓会の状態になっていた。
「まぁ、積もる話もあるでしょうから、後でゆっくり話してください」
「この後の魔族共の処分を決めないといけませんので」
張良の一言で、林冲たちの同窓会は一旦お開きとなった。
副官たちはそのまま韓信たちの陣営に並び、束縛された司令官達が入室する。
「貴様らはなぜ敵の中に並んでおる!」
韓信たちの列に、副官たちを見つけた司令官達は、彼らを非難しはじめる。
「我々は韓信様の話に共鳴し、家臣となりました」
「この裏切り者共めが!」
「貴様ら、必ず後悔する事になるからな!」
辛らつな言葉を元副官たちに浴びせる司令官たち。
「それはあなた達が、ここから脱出することが出来ればですけどね?」
その言葉に司令官達は笑い始める。
「愚かな者どもよ、よく聞け!」
「俺たちの本体は『精神体』で、この世界の体は人造人間でしかない」
「ここで死んだところですぐに復活し、また貴様らを殺しに来てやるわ!」
そう話し終えた途端、彼らは苦しみだす。
「しまった、奥歯に毒を仕込んでいたな!」
「「「混沌のこの世界に絶望を!」」」
そう唱えた司令官達は絶命した。
「厄介ですね、何度殺しても復活してくるってことですか…」
張良の言葉に、皆言葉が出ずに沈黙してしまう。
ふと、ツキノが皆に話し出す。
「いまさー、神様?からお告げってやつが来たんだけど」
「なんかその精神体ってやつは神様が倒したみたいだよ?」
「なんですと?我らのジャスティス神が、精神体になった魔族を倒してくれたのですか!」
驚く韓信の言葉に、ツキノは続ける。
「いや、精神体になれるのは悪魔か神だけみたい」
「こいつは下級の奴みたいだけど、魔族じゃなく悪魔だって」
「この程度の奴はバンバン『叩き潰す!』からドンドン倒しちゃって!だって…」
この言葉に一同沈黙する。
「なんてことだ…我らのような種族をまとめる神ゆえに、その力も規格外ってことですかね?」
「我らの神ながら…恐ろしいですね」
喜びを通り越し、想像からあまりにもかけ離れた神の力の存在に皆、恐怖を感じている。
「えーとさ、いま神様がめちゃ焦った感じで話してくるのだけど」
「自分は皆の味方だから怖がらなくていいよだって」
「あと、悪魔や悪神は信者である皆を困らせているから俺が懲らしめてやるだって」
ツキノのその言葉に皆歓喜する。
「なんと、我々の言葉を聞いてくださるどころか、心配までしてくださるとは、何て慈悲深い神なのだ!」
「我々はこの神の為なら命を投げ打ってでも戦うぞ!」
「「ジャスティス神万歳!!」」
皆はそう叫び、天に向かって拱手をした。
いやいや、ちょっと待って!
段々ヤヴァイカルト集団みたいになってきたぞ!
いや、確かに俺がやったんだけどさ、もっと気楽にいこうよ?
ちなみに悪魔の精神体なんだけど、あいつら死んだら黒いハエみたいなのが飛んできたんだよね。
で、対四凶用に買っておいた『悪魔叩き棒』と言うハエ叩き棒みたいなやつと『殺魔スプレー』っていうゴ〇〇ェットみたいなので、パチンとプシュ~ってやったら、変な煙が出て消えちゃったんだよね。
一応「ぎゃー」とか断末魔上げていたからあぼーんしたで間違いないと思うけど?
まあ、これでみんなの脅威は去ったので、安心、安心と。
「これで精神体に対しての心配はなくなりました」
「我々がやることは宋国の魔族を一掃し、平和な世の中を取り戻すのです!」
最後に韓信がいい感じの言葉で絞めて、この場は終了した。
ちなみに残った魔族将軍と、魔族兵15000は、袁術の下に送られ元気にインフラ整備をやっている。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖獣達に愛された子
颯希
ファンタジー
ある日、漆黒の森の前に子供が捨てられた。
普通の森ならばその子供は死ぬがその森は普通ではなかった。その森は.....
捨て子の生き様を描いています!!
興味を持った人はぜひ読んで見て下さい!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる