神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第118話 二方面軍の決断

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中央軍が韓信軍の攻撃を受け始めた同時刻。

南の信州から進撃中の司令官のメロウに急報が入る。

「大変でございます!我々の居城であります信州城・建康府・杭州城、および後方にありました蘇州城・揚州城・洪州城・江州城全てが、敵により落とされました!」

この報告に混乱する上層部たち。

「どういう事だ、詳細を話せ!」

副官の鎮三山の言葉に伝令兵は詳細を話し出した。

「信州の皆さまが出立した次の日の夜に、建康府・洪州城・江州城の全てで住民が蜂起、反乱軍を迎え入れて城が陥落したと、各城の伝令兵から連絡が入りました」
「信州城もその日のうちに住民が蜂起、同じく反乱兵がなだれ込み、一溜りもなく陥落致しました」
「更に信州城から向かう途中、伝書鳩からの連絡があり、杭州城・蘇州城も陥落したとの事です!」

「陥落?七城全て陥落だと?信州城から出てまだ3日しか経っていないのだぞ!」

「なんてことだ…青面獣が申していたよりも遥か上の出来事となってしまった」

愕然とする司令官と副官。

「それで…我々はどうするのでしょうか?」
「荊州城攻略ですか?それとも信州城に戻り城を取り返しますか?」

もう一人の魔族将軍がそう聞くと同時に別のところから返事が返ってくる。

「違うな、お前たちのやることは降伏するか、戦って死ぬかだ!」

誰だと声の方を見る宋軍幹部たち。

現れたのはかつての三秦である章邯・司馬欣・董翳と章平、兵団5000である。

「宋軍の兵に告ぐ!」
「貴様らの戻れる城は全て我らの手に落ちた!」
「このまま魔族の手下となって我らと戦うか?」
「それとも反乱を起こしたお前たちの『元仲間達』と共に、お前たちの未来を取り戻すかだ!」

やられた!鎮三山は勝ち目がない戦いであることをすぐに理解した。

しかし、メロウと魔族将軍はそれが理解できない。

「バカ者共が!こちらの方がお前らより兵が多いのだぞ?」
「全軍突撃!こいつらを蹂躙して一気に荊州城を落とすぞ!」

二人は意気揚々に号令をかける…が宋兵誰一人として動かない。

「貴様ら、なぜ動かぬか!」
「こ奴らを倒さねば我らに未来はないのだぞ!」

「…それはお前たちだけであろうが!」

「なんだと!」

宋兵の言葉に魔族が反論した途端、全ての宋兵は武器を捨て拱手の姿勢を取る。

鎮三山も武器を捨て拱手の姿勢を取った。

「我ら宋兵15000名、すべて降伏いたします」

狼狽する司令官と魔族将軍。

「おい、お前ら二匹以外は皆降伏するようだが、まだ戦うのか?」

司令官と魔族将軍は章邯の言葉を聞き、すぐさま武器を捨てて降伏した。

同時刻、杭州の司令官アンバサ、副官霹靂火も同じく降伏し、荊州含む八州が韓信の勢力下となった。
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