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第107話 亜人連合国
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森の会議は全5人の王が揃い、相互協力関係を行う同盟が締結された。
これにより、各王の領地が決まっていく。
まず、現状でエルフの王たちが治める領地に変更はない。
しかし、将来の方針として、韓信・ラビット・項羽は領土拡大後に森を出て、エルフと森に残りたい魔物たちに譲渡する予定となった。
これは3国が森を拠点にした際の、人口増加による森林破壊を行わない為である。
この場合は、北西をセリオン王・南をアノア女王・北東を魔物たちが治める形となる。
次に各国の進撃ルートの話し合いとなる。
韓信が宋国、項羽が秦国の攻撃が決まっているのだが、ラビット国は亜人連合国を攻撃する、と言う訳にはいかない。
ピットにとって魔族は敵であるが、人間や亜人は協力関係を築きたいのである。
ここで、エルフ女王であるアル・アノアが亜人連合国について説明する。
「この国は、人間・エルフ・獣人・ドワーフ・リザードマン・コボルトなどの多民族国家となります」
「獣人族の『帝』が国の決定権を持ち、各亜人の中にいる『サムライ』が幕府を開いて政治を行っております」
「各都市を『藩』が治め、帝の領地は『天領』・幕府の領地を『幕領』と呼ばれているようです」
「さらにこの国は身分差別が厳しく、身分の高いものが身分の低いものを殺しても罪に問われません」
実はピットたちは、この厳しい身分制度を坂井三郎から聞いていた。
彼の出自も身分が低かったのだが、坂井自身の空軍実績により身分が上がっていたのだ。
「その様な状況と、隣国『日ノ本』との外交に対する幕府の弱腰政策に、各藩の考えが帝に政治を行ってもらう「勤王派」と、幕府がこれまで通り政治を行う「佐幕派」に分かれております」
「ピット王がこの国と友好的に事を進めるのであれば、このどちらかと手を組まねばならないと思われます」
「そのうえで、隣国である宋国や秦国、この国を狙っている日ノ本との戦いにも備えなければなりません」
女王はピットたちに、他の2国と違い政治的にこの国を取り込まねばならないと説明してくれた。
孔明はここまでの説明を聞き、方針を打ち出す。
「今回のラビット国は、武力行使は極力控えたやり方となります」
「もし武力行使を行った場合、それぞれの派閥の後ろ盾である国家が介入してくる可能性が高くなるからです」
「これでは例え領地は取れても領民の反感を買ってしまい、結果、秦や宋とのように内乱が絶えない状況になってしまいます」
「これからの亜人連合国での活動は、ピット王・官兵衛・半蔵・孔明の4人で行います」
「「それはあまりにも危険です!」」
この発言に場にいた全員が声を上げる。
しかし、孔明は話を続ける。
「今我々の配下にいる武将たちには、戦場では一騎当千の活躍を見せますが、残念ながらこのような任務に向いておりません」
それはそうだと納得する一同。
すると、アル・アノア女王から提案を受ける。
「ならば私が他国に行った際に護衛をやらせている、家臣の『ボルン・ルクシル』を付けましょう」
「腕も立ちますし、亜人連合国の知識もありますのできっとお役に立てるでしょう」
「ありがとうございます女王様!」
女王の心使いにピットは礼を言う。
「それでも気を付けてください、亜人連合は暗殺が多いところですので…」
ピットたちは承知して、出発日などを後程について話し合うことにした。
これにより、各王の領地が決まっていく。
まず、現状でエルフの王たちが治める領地に変更はない。
しかし、将来の方針として、韓信・ラビット・項羽は領土拡大後に森を出て、エルフと森に残りたい魔物たちに譲渡する予定となった。
これは3国が森を拠点にした際の、人口増加による森林破壊を行わない為である。
この場合は、北西をセリオン王・南をアノア女王・北東を魔物たちが治める形となる。
次に各国の進撃ルートの話し合いとなる。
韓信が宋国、項羽が秦国の攻撃が決まっているのだが、ラビット国は亜人連合国を攻撃する、と言う訳にはいかない。
ピットにとって魔族は敵であるが、人間や亜人は協力関係を築きたいのである。
ここで、エルフ女王であるアル・アノアが亜人連合国について説明する。
「この国は、人間・エルフ・獣人・ドワーフ・リザードマン・コボルトなどの多民族国家となります」
「獣人族の『帝』が国の決定権を持ち、各亜人の中にいる『サムライ』が幕府を開いて政治を行っております」
「各都市を『藩』が治め、帝の領地は『天領』・幕府の領地を『幕領』と呼ばれているようです」
「さらにこの国は身分差別が厳しく、身分の高いものが身分の低いものを殺しても罪に問われません」
実はピットたちは、この厳しい身分制度を坂井三郎から聞いていた。
彼の出自も身分が低かったのだが、坂井自身の空軍実績により身分が上がっていたのだ。
「その様な状況と、隣国『日ノ本』との外交に対する幕府の弱腰政策に、各藩の考えが帝に政治を行ってもらう「勤王派」と、幕府がこれまで通り政治を行う「佐幕派」に分かれております」
「ピット王がこの国と友好的に事を進めるのであれば、このどちらかと手を組まねばならないと思われます」
「そのうえで、隣国である宋国や秦国、この国を狙っている日ノ本との戦いにも備えなければなりません」
女王はピットたちに、他の2国と違い政治的にこの国を取り込まねばならないと説明してくれた。
孔明はここまでの説明を聞き、方針を打ち出す。
「今回のラビット国は、武力行使は極力控えたやり方となります」
「もし武力行使を行った場合、それぞれの派閥の後ろ盾である国家が介入してくる可能性が高くなるからです」
「これでは例え領地は取れても領民の反感を買ってしまい、結果、秦や宋とのように内乱が絶えない状況になってしまいます」
「これからの亜人連合国での活動は、ピット王・官兵衛・半蔵・孔明の4人で行います」
「「それはあまりにも危険です!」」
この発言に場にいた全員が声を上げる。
しかし、孔明は話を続ける。
「今我々の配下にいる武将たちには、戦場では一騎当千の活躍を見せますが、残念ながらこのような任務に向いておりません」
それはそうだと納得する一同。
すると、アル・アノア女王から提案を受ける。
「ならば私が他国に行った際に護衛をやらせている、家臣の『ボルン・ルクシル』を付けましょう」
「腕も立ちますし、亜人連合国の知識もありますのできっとお役に立てるでしょう」
「ありがとうございます女王様!」
女王の心使いにピットは礼を言う。
「それでも気を付けてください、亜人連合は暗殺が多いところですので…」
ピットたちは承知して、出発日などを後程について話し合うことにした。
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