神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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第100話 過去との再会

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「「大王様!!」」

「亜父!お前たち!生きていたのか!」

入ってきたのは熊武将4人と亜父・項伯である。

「大王様!我々を残して逝かないでください!」
「我々に大王様のお手伝いをやらせてください!」
「我々の力を周辺諸国に見せてやりましょうぞ!」
「また一からやり直しましょう!」

「大王様」

熊武将たちの言葉の後、亜父が大王に語る。

「申し訳ありません、死に損なった上に、おめおめと大王様の前に戻って参りました」
「私はピット王と話し、彼の考えも聞きまいた」
「大王様もお気づきになったと思いますが、彼ならば共に先のことを考えられると思います」
「あえてここで死を選ぶような愚行は行ってはいけません」
「大王様さえ宜しければ、不肖な身なれど最後まで大王様にお仕えさえて頂きます」

「そうか…亜父はあのような事をした儂にまだ付いて来てくれるというのか」
「本当に…良い家臣を持ったものじゃ」

レッドキャップは涙を流し、皆との再開を喜んだ。

「大王…いや、私の甥である『項羽』よ」
「実はお前にどうしても会わせたい方がおる」

項伯はそう告げ、今一度扉が開き一人の女性が入ってくる。

その女性はレッドキャップの姿を見てこう質問する。

「大王様、私をお忘れですか?」

その女性は以前ミツバチに転生し、自身のことを誰にも話さなかった者だった。

前世の記憶がないレッドキャップは立ち上がり、一言呟く。

「虞…なのか?」

その瞬間、女性はレッドキャップに走り出し、抱擁する。

「はい!虞です!虞でございます!」

泣きながら答える虞にレッドキャップも涙が止まらない。

「虞よ!逢いたかった!」

「私は…永遠の別れをした後も…ずっと大王様を探しておりました!」

「やっと逢えました!やっと逢えました!」

2000年の時を超えて、二人は今やっと巡り逢うことができた。

レッドキャップの家臣もみな泣いている。

ボウイは号泣していた。

幾ばくかの時間が過ぎ、ピットは再度訊ねる。

「項羽殿、我々には貴方の力が必要です!」
「一緒に私たちと新しい世界を作りませんか?」

レッドキャップの答えを待つ一同。

やがて、レッドキャップは口を開く。

「そうだな…自分がやったことの後始末くらいはできないと、後世の恥となるな」
「わかった。これからは皆と共に新しい世界を作ろうぞ!」

その言葉と同時に、そこにいたもの達の進化が始まる。

光が収まると同時に、屈強な男たちが佇んでいた。

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