神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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第95話 ワイバーン救出作戦

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ディックたちワイバーン隊と行動を共にする義経一行。

現在は森を超えて、宋国と秦国の間にある山岳地帯を北上している。

「なぁディック、お前たちを捕らえた奴らって何者なの?」

この質問にディックは答える。

「俺たちが住んでいるのは、宋国とモンゴル平原の間にある山岳地帯になる」
「ここは俺たちワイバーンが根城にしていたのだが、ある日モンゴルに住む魔族共が、俺たちが狩猟に出ている間に奇襲をかけてきて、子供を攫って人質にしてしまった」

黙って聞き入る義経。

「奴の族長は俺たちに『宋国』と『秦国』を制圧するまで協力をしろと持ち掛けてきたのさ」
「俺たちは子供を人質に取られている為、今は仕方なく協力をしているわけだ」

ディックの顔は怒りで満ちている。

「ちなみに捕まっているのはどれ位いるんだ?」

「大きさは人の子供位で200程度はいる」

「なるほどな、然しその感じだと奴らを探し出すのに時間がかかりそうだな」

義経の言葉にディックの顔が曇る。

「そうなんだよ、奴ら一体どこに俺たちの子供を隠しているのかわからないんだ」

さてどうすべきかと考える義経は、飛んでいるディックに指示を出す。

「おいディック!向こうから来ている雁の群れに行ってくれ!」

一瞬分からなかったディックだったが、そうかと瞬時に理解し単騎で雁の群れに向かう。

ワイバーンが向かってくるのを知った雁たちは慌てて逃げようとする

「雁の隊長にお聞きしたいことがある!」
「頼むから俺たちの話を聞いてくれ!」

二人の声を聞き驚く雁たち。

「なんでワイバーンと人間が俺たちと話せるのだ?」

「お前たちと取引をしたいので知っている情報を教えてほしい!」

雁たちは戸惑ったが、やがてわかったと近くの山頂に降り立つ。

義経たちは、ここまで来る間に魔族を見なかったかと訊ねる。

「それならここから北西に進んだ山の麓に、奴らがワイバーンの子供を調教していましたよ?」

「なんだと!」

怒りを露にするディックを宥めて、義経は交渉を始める。

「雁の皆さん、もしよかったら少しだけ協力をお願いしたい」
「お礼と言っては何だが、これからあなた達がこの山岳を安全に通れるよう、今後はこちらのワイバーンの方たちが護衛をするから、少しの間だけ力を貸してもらえないか?」

「そういう事でしたら喜んで協力します!」
「この山は危険で、毎回仲間たちが命を落としていましたので」

ありがとう雁さんたちと言って、義経たちは作戦の打ち合わせを行う。
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