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第72話 鵯越の坂落し
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レッドキャップの首都、咸陽。
三方を高さ100mの崖に囲まれており、正面を城壁で守られた正に天然の要塞である。
そして今、その要塞を陥落させるべく現れた23人の影。
源義経を筆頭に、武蔵坊弁慶、常陸坊海尊、佐藤継信、佐藤忠信、鎌田藤太、鎌田藤次、伊勢三郎、駿河次郎、亀井六郎、片岡八郎、鈴木三郎、熊井太郎、鷲尾三郎、御厨喜三太、江田源次、江田源三、堀弥太郎、赤井十郎、黒井五郎の20名。
那須与一と琵琶法師の蝉丸。
そして混世魔王・樊瑞。
「お~絶景かな、絶景かな!」
「左様でございますな!」
下を覗き見ながら楽しそうに話す義経に相槌を打つ弁慶。
「それで九郎様、この崖をどうやって降りるのですか?」
佐藤継信は分かっていつつも義経に質問をする。
継信の質問に、義経は高笑いで答える」
「ハッハッハッ!そんなもの決まっておるではないか!」
「ここから真っすぐに駆け下りていくのよ!」
「なんと!素晴らしい策でございます!」
義経の言葉に、弁慶は喝采して褒めたたえる。
「弁慶殿!あなたが甘やかすから九郎様が図に乗るのですよ!」
継信の言葉は、もはや家臣が主に対するもの言いではない。
「それに、我々は良くても与一殿はついては来られませんよ?」
与一は呆然と崖の下を見つめている。
「与一君、やっぱ無理?」
義経の質問に与一は本気でキレる。
「無理に決まっているじゃないですか!」
「だいたいなぜでこっちの戦線に僕を連れてきたのですか!」
「私が高いところが苦手と分かっての嫌がらせですか!」
憤慨する与一に、義経はいたずらっぽく答えた
「も~そんなに怒らないでよ」
「別に崖の上で見ていてくれたらいいからさ」
「それに…」
義経の言葉に皆が息をのむ。
「今回与一君に来てもらったのは、俺の勘が告げているんだよね~」
「与一の力が必ず必要になる、と」
「さすがは九郎様!素晴らしい戦略眼です!」
弁慶の喝采にどや顔になる義経。
「だから弁慶殿!殿を甘やかさないでください!」
継信の言葉を聞いて、樊瑞が咳払いをする。
「ん、ん、では私は敵の上空でレオナルド殿より預かった」
「アンチ魔法エリア装置を展開して参るので、戦闘には参加できませんが」
「皆様どうかご武運を!」
そう話すと、樊瑞は拱手をして上空へと昇っていく。
さて、と義経は皆に振り返り檄を飛ばす。
「俺は派手なのが大好きだ!」
「だから戦闘もみんな派手に暴れてくれ!」
「しかし、民間人や降伏意思があるものは殺すな!」
「先に話した敵武将は出来るだけ捕らえよ!」
「特にレッドキャップの叔父である『射陽侯』は絶対に攻撃するな!」
これだけ話すと、義経は崖に向き直る。
「者ども!掛かれー!」
「「応―――!!」」
この言葉を合図に、与一と蝉丸を残し全員崖に身を投じた。
三方を高さ100mの崖に囲まれており、正面を城壁で守られた正に天然の要塞である。
そして今、その要塞を陥落させるべく現れた23人の影。
源義経を筆頭に、武蔵坊弁慶、常陸坊海尊、佐藤継信、佐藤忠信、鎌田藤太、鎌田藤次、伊勢三郎、駿河次郎、亀井六郎、片岡八郎、鈴木三郎、熊井太郎、鷲尾三郎、御厨喜三太、江田源次、江田源三、堀弥太郎、赤井十郎、黒井五郎の20名。
那須与一と琵琶法師の蝉丸。
そして混世魔王・樊瑞。
「お~絶景かな、絶景かな!」
「左様でございますな!」
下を覗き見ながら楽しそうに話す義経に相槌を打つ弁慶。
「それで九郎様、この崖をどうやって降りるのですか?」
佐藤継信は分かっていつつも義経に質問をする。
継信の質問に、義経は高笑いで答える」
「ハッハッハッ!そんなもの決まっておるではないか!」
「ここから真っすぐに駆け下りていくのよ!」
「なんと!素晴らしい策でございます!」
義経の言葉に、弁慶は喝采して褒めたたえる。
「弁慶殿!あなたが甘やかすから九郎様が図に乗るのですよ!」
継信の言葉は、もはや家臣が主に対するもの言いではない。
「それに、我々は良くても与一殿はついては来られませんよ?」
与一は呆然と崖の下を見つめている。
「与一君、やっぱ無理?」
義経の質問に与一は本気でキレる。
「無理に決まっているじゃないですか!」
「だいたいなぜでこっちの戦線に僕を連れてきたのですか!」
「私が高いところが苦手と分かっての嫌がらせですか!」
憤慨する与一に、義経はいたずらっぽく答えた
「も~そんなに怒らないでよ」
「別に崖の上で見ていてくれたらいいからさ」
「それに…」
義経の言葉に皆が息をのむ。
「今回与一君に来てもらったのは、俺の勘が告げているんだよね~」
「与一の力が必ず必要になる、と」
「さすがは九郎様!素晴らしい戦略眼です!」
弁慶の喝采にどや顔になる義経。
「だから弁慶殿!殿を甘やかさないでください!」
継信の言葉を聞いて、樊瑞が咳払いをする。
「ん、ん、では私は敵の上空でレオナルド殿より預かった」
「アンチ魔法エリア装置を展開して参るので、戦闘には参加できませんが」
「皆様どうかご武運を!」
そう話すと、樊瑞は拱手をして上空へと昇っていく。
さて、と義経は皆に振り返り檄を飛ばす。
「俺は派手なのが大好きだ!」
「だから戦闘もみんな派手に暴れてくれ!」
「しかし、民間人や降伏意思があるものは殺すな!」
「先に話した敵武将は出来るだけ捕らえよ!」
「特にレッドキャップの叔父である『射陽侯』は絶対に攻撃するな!」
これだけ話すと、義経は崖に向き直る。
「者ども!掛かれー!」
「「応―――!!」」
この言葉を合図に、与一と蝉丸を残し全員崖に身を投じた。
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