神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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第55話 覇王出陣

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レッドキャップ領に韓信からの使者が訪れる。

武術の稽古をしていたレッドキャップは玉座に戻り、イタチの使者と対面する。

「初めまして、大王様」
「本日は主より書簡を預かって参りました」

うむ、といって書簡を受け取る顔は読み進むにつれて怒りを露にし、遂には書簡を叩きつけた。

「おのれ股夫(韓信の渾名)!」
「魔族の奴隷となった俺はハエにも劣るだと!」
「許さんぞイワイ!この使者の首を刎ねて即刻攻め滅ぼしてくれるわ!」

レッドキャップの激怒を亜父が窘める。

「大王、このような挑発に乗るものではありません」

亜父の言葉に歯をむき出しながらも怒りを抑える。

すぐに次の部下が報告の為入ってくる。

「大変です大王様!」
「北の砦付近で、イワイが攻撃準備を行っているとの事!」
「対岸に相当数の兵力が集結との知らせです!」

この報告で、レッドキャップの理性が完全に飛んだ。

「亜奴らもう許さん!亜父、止めてくれるなよ!」

こうなったらもう止まらないことを知っている亜父。

「わかりました、私もついて参ります」
「兵力は10,000もいれば宜しいでしょう」
「他の将軍たちは魔族と共に城を守り、攻めてくるであろうウサギ共を迎撃せよ」
「我々もこちらが片付き次第、そちらに合流する」

亜父は細かに熊の将軍たちに指示を出すと、イワイの使者を牢獄に放り込んだ。

「ウサギ共め、やはり牙を向いて来おったな!」
「お前らの少ない兵力で、20,000の兵力を倒すことなど不可能」
「イワイ共々この戦いで葬ってやる!」

亜父は自身の策に手抜かりはないと確信し、大王と共に咸陽を出陣する。
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