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第53話 レッドキャップ包囲網
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「それで、孔明殿はどのような策を考えておられるのですか?」
韓信は孔明にどのような策があり実行するのか興味があった。
孔明はレッドキャップ領の概要を話し出す。
「レッドキャップの首都である咸陽は、山の一番奥となり標高400m程の位置になります」
「ラビット王国から直線距離10km程でありますが、道は整備されておらず崖を登り谷を下ってのルートとなります」
「左右の迂回ルートは道路がやや整備されておりますが、代わりに距離が3倍程度となり、急斜面の山道もございます」
「さらにレッドキャップ領内に入るためには、幅100m程の川を渡り『三秦』と呼ばれる防御結界砦の魔石を破壊せねば領内に入れません」
「唯一中央の砦だけが川の手前にございますので、ラビット王国の攻略はこちらからになります」
続いて、孔明が策を説明する。
「まず、韓信様には一番北にある砦に、川を挟んで大規模な陣を張って頂きます」
「ただ、これは攻め込むためではありません」
「レッドキャップに、ここから攻め込む準備をしていると思わせればよいのです」
「なるほど、それで?」
韓信の質問に孔明は含み笑いをする。
「韓信様はすでに策がわかっておいでなのに聞かれるのですな?」
孔明の言葉に韓信が答える。
「失礼しました」
「では、ここから私が説明します」
「私が陣を張ることにより、総勢30000とも言われる敵軍勢の半分以上を引き付け」
「砦内に陣を張ったところで、堰き止めた川を決壊させ」
「周辺を水没させ、北の砦の兵と援軍を動けなくさせる策ですね」
「その通りです」
孔明はお見事と言わんばかりに頭を下げる。
「この策は、昔私が三秦攻略に行った策ですからね」
「しかし今回はその策を使うことができませんでした」
「何故ならば我々の領地には、その策を実行できる兵がおりませんので…」
困ったといわんばかりに腕を組む韓信に孔明は話を続ける。
「韓信様、その件に関してはすでに準備を始めております」
「その者をこちらに合流させますので、作業の指示をお願いします」
「そうでしたか!」
「それではこちらも準備を進めさせていただきます」
韓信は一礼し孔明へ感謝を述べた。
「それでこちらに半分を引き付けることができたとして、それでも15000はラビット王国が相手にせねばなりません」
「何か策でも?」
李左車がそう尋ねると、孔明が皆にやっと聞こえるくらいの声で話し出す。
「実は陳平にお願いをしておりまして…」
孔明が話し終えると、皆は唖然と声を上げる。
「もはやそこまで手を打っておられたとは…」
「孔明殿は敵に回したくありませぬな…」
ここまで話し、孔明は重要ポイントを話す。
「問題は、どうやってレッドキャップを誘い出すかなのですが…」
「彼が咸陽に立て籠もられますと、こちらの被害が大きくなります」
「何とかして囮の砦に出陣させねばなりません」
孔明の言葉に張良が答える。
「その件であれば問題ありませぬ」
「韓信様、このような策は如何でございましょう?」
張良の策に韓信は笑う。
「その様なことをすれば、大王は間違いなくこちらに来るでしょう」
「はい、単純な策ですがレッドキャップは間違いなくこちらに来るでしょう」
「では、この件は外交の得意な『陸賈(りくか)』に任せましょう」
張良の策に、聞いていたもの皆賛成する。
これでレッドキャップの攻略は目途が立った。
「それでは皆さん、早速準備に取り掛かりましょう」
ピット王の言葉で今回の会談は幕を閉じ、ピット王・韓信の同盟と共闘の準備が始まる。
韓信は孔明にどのような策があり実行するのか興味があった。
孔明はレッドキャップ領の概要を話し出す。
「レッドキャップの首都である咸陽は、山の一番奥となり標高400m程の位置になります」
「ラビット王国から直線距離10km程でありますが、道は整備されておらず崖を登り谷を下ってのルートとなります」
「左右の迂回ルートは道路がやや整備されておりますが、代わりに距離が3倍程度となり、急斜面の山道もございます」
「さらにレッドキャップ領内に入るためには、幅100m程の川を渡り『三秦』と呼ばれる防御結界砦の魔石を破壊せねば領内に入れません」
「唯一中央の砦だけが川の手前にございますので、ラビット王国の攻略はこちらからになります」
続いて、孔明が策を説明する。
「まず、韓信様には一番北にある砦に、川を挟んで大規模な陣を張って頂きます」
「ただ、これは攻め込むためではありません」
「レッドキャップに、ここから攻め込む準備をしていると思わせればよいのです」
「なるほど、それで?」
韓信の質問に孔明は含み笑いをする。
「韓信様はすでに策がわかっておいでなのに聞かれるのですな?」
孔明の言葉に韓信が答える。
「失礼しました」
「では、ここから私が説明します」
「私が陣を張ることにより、総勢30000とも言われる敵軍勢の半分以上を引き付け」
「砦内に陣を張ったところで、堰き止めた川を決壊させ」
「周辺を水没させ、北の砦の兵と援軍を動けなくさせる策ですね」
「その通りです」
孔明はお見事と言わんばかりに頭を下げる。
「この策は、昔私が三秦攻略に行った策ですからね」
「しかし今回はその策を使うことができませんでした」
「何故ならば我々の領地には、その策を実行できる兵がおりませんので…」
困ったといわんばかりに腕を組む韓信に孔明は話を続ける。
「韓信様、その件に関してはすでに準備を始めております」
「その者をこちらに合流させますので、作業の指示をお願いします」
「そうでしたか!」
「それではこちらも準備を進めさせていただきます」
韓信は一礼し孔明へ感謝を述べた。
「それでこちらに半分を引き付けることができたとして、それでも15000はラビット王国が相手にせねばなりません」
「何か策でも?」
李左車がそう尋ねると、孔明が皆にやっと聞こえるくらいの声で話し出す。
「実は陳平にお願いをしておりまして…」
孔明が話し終えると、皆は唖然と声を上げる。
「もはやそこまで手を打っておられたとは…」
「孔明殿は敵に回したくありませぬな…」
ここまで話し、孔明は重要ポイントを話す。
「問題は、どうやってレッドキャップを誘い出すかなのですが…」
「彼が咸陽に立て籠もられますと、こちらの被害が大きくなります」
「何とかして囮の砦に出陣させねばなりません」
孔明の言葉に張良が答える。
「その件であれば問題ありませぬ」
「韓信様、このような策は如何でございましょう?」
張良の策に韓信は笑う。
「その様なことをすれば、大王は間違いなくこちらに来るでしょう」
「はい、単純な策ですがレッドキャップは間違いなくこちらに来るでしょう」
「では、この件は外交の得意な『陸賈(りくか)』に任せましょう」
張良の策に、聞いていたもの皆賛成する。
これでレッドキャップの攻略は目途が立った。
「それでは皆さん、早速準備に取り掛かりましょう」
ピット王の言葉で今回の会談は幕を閉じ、ピット王・韓信の同盟と共闘の準備が始まる。
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