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第20話 官兵衛の過去
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けもの道の中、3人は縦に並んで進んでいく。
森の乗り物は馬ではなく、『クイ』という鳥を使う。
2本足のチョコ〇のような鳥で、他の生き物よりも小回りが利く。
更に山道を高速で走り、短い距離なら飛ぶことも可能だ。
ラビット村には10頭のクイを飼っている。
道中、ピットは官兵衛に問いかける。
「これは聞いていいのかわからないのだけど…官兵衛って前世の記憶ってやつをとりもどしているのだよね?」
ピットの質問に、官兵衛は答えてくれた。
「はい、その通りでございます。そして、上様の後ろにおる百地殿も」
「その通りでございます」
百地も相槌を打つ。
「ここに転生したころは、何もわからず虫として生きておりました」
「ある時、ふと、自我に目覚めたのですが、カマキリの体では如何することもできずにおりました」
「そんな時、ツキノ様が私を見つけられて、ピット様が進化させてくれました」
「最初の進化で知識と少しの過去を思い出しました」
「いまの進化で、より鮮明な知識と名前と前世を思い出しました」
ピットはうんうんと話を聞く。
「私は前世で、軍師としてある武将に仕えておりました」
「ある日、その武将の仕える王が、家臣に殺されてしまいました」
「皆が狼狽している中、私は王になれる好機であると助言をいたしました」
「はたして、武将は見事謀反人を討ち取り天下人となったわけですが、その件より恐れられた私は遠くに追いやられてしまったのです」
ピットは静かに聞き入る。
「…おや、話しているうちにナインテールの庵に到着しましたな」
前を向き直ると、この森の統治者が住むとは思えないほどの小さく古ぼけた庵が目に入る。
ピットは姿勢を正して庵へと近づく…。
森の乗り物は馬ではなく、『クイ』という鳥を使う。
2本足のチョコ〇のような鳥で、他の生き物よりも小回りが利く。
更に山道を高速で走り、短い距離なら飛ぶことも可能だ。
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道中、ピットは官兵衛に問いかける。
「これは聞いていいのかわからないのだけど…官兵衛って前世の記憶ってやつをとりもどしているのだよね?」
ピットの質問に、官兵衛は答えてくれた。
「はい、その通りでございます。そして、上様の後ろにおる百地殿も」
「その通りでございます」
百地も相槌を打つ。
「ここに転生したころは、何もわからず虫として生きておりました」
「ある時、ふと、自我に目覚めたのですが、カマキリの体では如何することもできずにおりました」
「そんな時、ツキノ様が私を見つけられて、ピット様が進化させてくれました」
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ピットはうんうんと話を聞く。
「私は前世で、軍師としてある武将に仕えておりました」
「ある日、その武将の仕える王が、家臣に殺されてしまいました」
「皆が狼狽している中、私は王になれる好機であると助言をいたしました」
「はたして、武将は見事謀反人を討ち取り天下人となったわけですが、その件より恐れられた私は遠くに追いやられてしまったのです」
ピットは静かに聞き入る。
「…おや、話しているうちにナインテールの庵に到着しましたな」
前を向き直ると、この森の統治者が住むとは思えないほどの小さく古ぼけた庵が目に入る。
ピットは姿勢を正して庵へと近づく…。
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