神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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第15話 忍者、服部半蔵只今参上!

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ゴブリン殲滅9日前、官兵衛は領域が見渡せる丘の上に立っていた。

「ここにある草木をすべて取り払い更地にする。」

「そして、この更地から領域の門まで1本の道を作るのだ。」

言い渡された皆はこの工事を3日間で終わらせる。

その入れ替わりで着た斥候ゴブリンは、陣を張るのに最も適したこの土地を王に進言し、ここに陣地を張ることになる。

そして、事前に話していた仲間たちが現れる。

ゴキブリ40匹とコウモリ2匹。

まずはゴキブリ40匹の進化。

光が晴れると・・・なんてことでしょう!黒ずくめの忍者集団が立っているではありませんか!

「服部半蔵正成見参。暗殺と情報収集を生業としている。粉骨砕身努めてまいりますのでお見知りおきを…」

伊賀忍者の頭領がゴキさんに転生していたとか、ありえないだろ!

彼等は進化のあいさつを終えると、部下と共に更地になった土の中に潜っていく。

俺は初めて生土遁の術を見ることができた。

続いてコウモリ2匹の進化

なんか、坊主頭の男たちが琵琶を持って立っている
「私の名は蟬丸。耳がよく聞こえますので、暗闇でも何があるかわかります」
「私の名は芳一。耳はありませんが、音がよく聞こえますので、暗闇でも何があるかわかります」

琵琶法師?官兵衛さん一風変わった人たちを呼んだな。

俺の当初の感想はこれだった。

芳一は軽く自虐ネタ言っているし。

しかし彼ら、たいまつが消え暗闇になると信じられない実力を発揮した。

陣の両サイドに胡坐をかいて座り琵琶から超音波を出し、触覚だけ出した清正たちに正確な敵の情報を送っていたのだ。

暗闇の中、右往左往するゴブリンたちの首を的確に刎ね、心臓を一突きにしていく。

尚、ボウイは王を倒した後、暗闇お構いなしで付近のホブゴブリンを皆殺しにしていた、こわっ。

そしてもう一つ。

ハチたちが運んだ料理には大方の予想通り眠り薬を入れてあった。

それ自体はとても苦いのだが、そこは料理上手の女性陣。

蜂蜜をふんだんに使ったケーキや飲み物なんかにうまく織り交ぜていた。

更に荷物をゴブリン陣地に運びいれる最中は敵の陣形をすべて記憶していく。

王、シャーマン・ホブの居所、たいまつの位置本数、下級ゴブリンの宿泊位置や見張りの数など事細かに把握し、官兵衛に告げる。

それを葉っぱの地図に書き記し、清正たちに渡す。

後は夜になり、ご覧の結果となった。

ちなみにこちらの被害は死者0、軽傷1名。

軽傷はボウイが暴れているときにたいまつが腕に当たり、軽いやけどをしたようだった。

村では早速ゴブリンの解体が始まった。

大所帯を賄う貴重な食料となるため、燻製にして保存食にするようだ。

臓器などの一部は薬としても使えると、楠本イネさんは大喜びだった。

金銀財宝はラビット家の宝物庫(空き部屋)へ運ぶ。

ロードは、手に入れた財宝を取られまいと、常に遠征先にも持ち込んでいたらしい。

今後商売などを行う際、なくてはならないものなのでとシフさんが管理することになった。

官兵衛はそんなものに目もくれず、シャーマンやロードが持っていた本を確認する。

「上様、やはりこれは魔導書のようです。早速解読して使えるようにいたします」

「やはり魔導書を持っておりました!シャーマンが来ていると聞いたので期待していましたが、今回は予想以上の収穫でした」

にこりとする官兵衛にピットは礼を言う。

「官兵衛、村を守ってくれてありがとう!」

「なにより、誰もけが人が出なかったのが本当によかったよ!」

あなたのお兄さんのケガはなかったことになっていますが?問題ありませんね?はい。

本当に官兵衛のおかげだとお礼を言うと、官兵衛はさも当たり前のように話す。

「今回はゴブリンどもなので騙すのも簡単でした。単純で高圧的なものはおだてや貢物に弱いもの。今回はその通りにやったまでです」

なるほど、と話をしていると幹部たちが次々に会議室に入ってきた。

官兵衛は見渡し口を開く。

「それでは、今後の方針について話を始める」
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