神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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第7話 業務連絡は夢枕で伝えます

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今日、ツキノがピットに相談をしてきた。

なんでも、虫の中にツキノが近づくと寄ってくる個体がいるとの事。

早速2羽で花畑へ行くと、ツキノを見つけた1匹のカマキリが飛んできてツキノの手に止まる。

「見たでしょピット、この子だけ私に寄って来るんだって!」

ふうん、とピットはカマキリを覗き込むと、カマキリもまたこちらを覗き込みながら首を傾げている。

その時アイコンが点滅を始める。

【ラビット・ピットにカマキリの進化が可能です。行ないますか?】

これはと思いyesを選択するとカマキリが光りだす。

光が収まると20㎝ほどだったカマキリが160㎝以上の大きさに進化していた。

そして2匹に、

「アリガトウ…アリガトウ…」

と、何度もお礼を言った。

ちなみにこのカマキリには名前を付けることができなかった。

恐らく昆虫には名前を付けられないのだろうと、この時は判断した。

「コンゴハ、ミナサマノ、オテツダイヲ、ヤラセテイタダキマス!」

種族名カマキリ改め『大カマキリ』は、嬉しそうにラビットたちに頭を下げた。

そして俺は再びステータスを確認。

【氏名:よしだまさよし】
【1/6 13:30:55】
【ランク:背後霊】
【精神力:26160】
【精神力消費:「200/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】
【精神力増加:「40/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】
【領域:110m】

よし、大カマキリで精神力増加10獲得!

つまり、虫だろうと何だろうと、進化すれば自分に対しての信仰が増えるってことだな。

そこで、俺はある考えをラビットたちに実行してもらうことにした。

実は、ピットと縁ができたことにより、彼が寝ているときに夢の中で話ができるようになった。

これがあれば自分の意思を直接ピットに伝えることができる。

そして夜、『夢枕/10P/1分』を使用した。

「あー、あー、ラビット・ピット、聞こえますか?」

夢の中の俺の呼びかけにピットは夢の中で目を覚ます。

「うーん、僕を呼ぶ声…はっ!この声はもしかして…すみません、誰ですか?」

一瞬、こけたくなるセリフだったが、気を取り直して話をする。

「私は君たちを進化させたもの、お前たちの『神』である」

なんか自分で言って恥ずかしくなるセリフだが、ピットは素直に聞いてくれた。

「そうだった、神様!あの時は僕たちを助けていただいてありがとう!そして、こんなに素晴らしい体にしてもらってうれしいです!」

すごく感謝してくれるピットになんか照れ臭くなる。

「ラビット・ピットよ、これから君に使命を与える」

「使命?」ピットが?になっているところで説明を始める。

「これからお前たちには仲間を増やしてほしい。仲間が増えればお前たちを襲ってくる敵も減り、楽しく愉快に暮らせるようになるであろう」

「まずは今日のカマキリのように、お前たちに興味のありそうな生き物を探すのだ。そしてお前がその者たちと会うことにより、進化して仲間になってくれるかもしれぬ」

ピットは口をポカーンと開けて聞いていたが、

「わかりました神様!これからいっぱい仲間を増やします!」

超元気よく答えてくれた。

「うむ頼んだぞピット!ワシはいつもお前の後ろで見ておるからな…」

まぁ、背後霊だし嘘は言ってない。

そう伝えると、俺は夢枕を解除した。
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