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魔妖学園
質問
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ん~。おしっ!今日も終了ー!
「お疲れ。今日はもう終業時間だし、帰っていいぞ。」
「はい。お疲れ様でした。」
終業時間になり、深瀬先生が声を掛けてきたのでそれに応え、席をたとうとした。その時、一人の黒スーツを着た教師が保健室に入って来た。
「白崎先生、深瀬先生、理事長が至急理事長室に来て欲しいとの事です。」
「分かりました。」
「分かった。」
私達の答えを聞き、彼は直ぐに去っていった。
……………うん。どうしよう?
いや、呼び出しはあるかな?って思ってはいたよ?けどさ、こんなに早いとはねー。
まっ、仕方ない。行くしかないな。
という事で特にもう、私は自身の事を隠す必要が無くなっているので、渋る必要も無いかーっと思い、理事長室に深瀬先生と共に向かった。
コンコンコンッ
理事長室の扉を叩いたら、中から返事が聞こえてきたので、中へ入っていった。
「失礼します。」
「失礼します。」
……………ふむ。やっぱり、最初の顔合わせの時にも思ったけど、大分妖力を抑えているね。けど、よわった。おかげで彼が強い存在だという事は分かるが、羅泉どころか私よりも弱いかも。でも、実戦経験とかなら………もしかしてそれも、私の方が多いかも?
ん?羅泉からは少し楽しそうな気配を感じた。どうやら、オリジナルではないけれど、かなり強い存在らしく心躍るのだとか。
まぁ、とにかく話を進める事にしよう。
まず、深瀬先生が口を開いた。
「理事長、なんの用ですか?」
「うん。君はもう分かっているだろうけど、後ろの彼女についてね。」
「私ですか?」
「うん。君単刀直入に聞くけど、妖怪とかって信じる?」
理事長は、椅子に座りながら目だけ笑っていない笑顔でこちらに質問してきた。
うん。早速だなー。まぁ、話が早くていいか。
しかし、どうする?
……………見えると言った方がいいか。隠すつもりもない上、多分向こうにもバレているだろうし。
「はい。幼き時から見えますよ。」
あっけらかんと答えた私に驚いた様で少し、息を呑んでいた。
そして、咳払いをひとつし、理事長が質問を続けた。
「コホン。えー、他にもいろいろ聞かせてもらっても、いいかな?」
「はい。分かりました。」
「まず君は何故、この事を黙っていたんだ?」
「自分から見えると言って、もし電波な子だと思われたら、ここで働きにくくなると思ったからです。」
「なるほど………。では、君が昨日口論になった生徒の正体は知っているか?」
「はい。ヴァンパイアですよね?ちなみに確認したいのですが、理事長は妖怪で合っていますか?」
「あぁ、そうだ。私は雷獣という妖怪だ。
そして、何故君は彼女の正体を知りながら、言い返したんだ?言い方は悪いが、君は見える人間かもしれんが、それだけだ。陰陽師でも、退魔師でもない普通の人間が目をつけられて攻撃されたらどうするんだ?」
「それについては、大丈夫です。きちんと自衛の手段は持っています。
そして、彼女に言い返したのは、このまま彼女を制する者がいないまま成長させると、将来自身の我儘を通し、人間を殺し、討伐対象にされる可能性も十分あったからです。」
「……………なるほどな。君は少しは、こちらの世界について知っているようだね。
そして、これが今の君に一番聞きたい事だ。そのあ────。」
そこで理事長の言葉が切れた。
まぁ、それも仕方ないだろう。何故なら、とてつもなく強い気配がこの近くに現れたからだ。
これ程の強い気配に慣れていないらしい理事長と深瀬先生は、顔を青くしていた。深瀬先生にいたっては、蒼白と言ってもいいレベルの顔色で、小刻みに震えていた。
──────どうやら、話をしている場合では無さそうだね。
「お疲れ。今日はもう終業時間だし、帰っていいぞ。」
「はい。お疲れ様でした。」
終業時間になり、深瀬先生が声を掛けてきたのでそれに応え、席をたとうとした。その時、一人の黒スーツを着た教師が保健室に入って来た。
「白崎先生、深瀬先生、理事長が至急理事長室に来て欲しいとの事です。」
「分かりました。」
「分かった。」
私達の答えを聞き、彼は直ぐに去っていった。
……………うん。どうしよう?
いや、呼び出しはあるかな?って思ってはいたよ?けどさ、こんなに早いとはねー。
まっ、仕方ない。行くしかないな。
という事で特にもう、私は自身の事を隠す必要が無くなっているので、渋る必要も無いかーっと思い、理事長室に深瀬先生と共に向かった。
コンコンコンッ
理事長室の扉を叩いたら、中から返事が聞こえてきたので、中へ入っていった。
「失礼します。」
「失礼します。」
……………ふむ。やっぱり、最初の顔合わせの時にも思ったけど、大分妖力を抑えているね。けど、よわった。おかげで彼が強い存在だという事は分かるが、羅泉どころか私よりも弱いかも。でも、実戦経験とかなら………もしかしてそれも、私の方が多いかも?
ん?羅泉からは少し楽しそうな気配を感じた。どうやら、オリジナルではないけれど、かなり強い存在らしく心躍るのだとか。
まぁ、とにかく話を進める事にしよう。
まず、深瀬先生が口を開いた。
「理事長、なんの用ですか?」
「うん。君はもう分かっているだろうけど、後ろの彼女についてね。」
「私ですか?」
「うん。君単刀直入に聞くけど、妖怪とかって信じる?」
理事長は、椅子に座りながら目だけ笑っていない笑顔でこちらに質問してきた。
うん。早速だなー。まぁ、話が早くていいか。
しかし、どうする?
……………見えると言った方がいいか。隠すつもりもない上、多分向こうにもバレているだろうし。
「はい。幼き時から見えますよ。」
あっけらかんと答えた私に驚いた様で少し、息を呑んでいた。
そして、咳払いをひとつし、理事長が質問を続けた。
「コホン。えー、他にもいろいろ聞かせてもらっても、いいかな?」
「はい。分かりました。」
「まず君は何故、この事を黙っていたんだ?」
「自分から見えると言って、もし電波な子だと思われたら、ここで働きにくくなると思ったからです。」
「なるほど………。では、君が昨日口論になった生徒の正体は知っているか?」
「はい。ヴァンパイアですよね?ちなみに確認したいのですが、理事長は妖怪で合っていますか?」
「あぁ、そうだ。私は雷獣という妖怪だ。
そして、何故君は彼女の正体を知りながら、言い返したんだ?言い方は悪いが、君は見える人間かもしれんが、それだけだ。陰陽師でも、退魔師でもない普通の人間が目をつけられて攻撃されたらどうするんだ?」
「それについては、大丈夫です。きちんと自衛の手段は持っています。
そして、彼女に言い返したのは、このまま彼女を制する者がいないまま成長させると、将来自身の我儘を通し、人間を殺し、討伐対象にされる可能性も十分あったからです。」
「……………なるほどな。君は少しは、こちらの世界について知っているようだね。
そして、これが今の君に一番聞きたい事だ。そのあ────。」
そこで理事長の言葉が切れた。
まぁ、それも仕方ないだろう。何故なら、とてつもなく強い気配がこの近くに現れたからだ。
これ程の強い気配に慣れていないらしい理事長と深瀬先生は、顔を青くしていた。深瀬先生にいたっては、蒼白と言ってもいいレベルの顔色で、小刻みに震えていた。
──────どうやら、話をしている場合では無さそうだね。
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