拒絶者の行く世界

蒼華 スー

文字の大きさ
上 下
56 / 69
魔妖学園

いざ寮へ。

しおりを挟む
    あれからもう少し待っても、深瀬先生は帰って来なかったので仕方なく、持っていたシンプルな付箋に仕事を終え、終業時間になったので先に帰る旨を書き残し、寮の方へ足を運んだ。





    うーん。確かここの道を曲がってから真っ直ぐで………あぁ、あれか。
    あぁー。この学園広っ!分かっていたけど予想以上だわ。まぁ、とにかく着いた着いた。




    私がこれから暮らす教職員用の寮は、学生が住んでいる寮の反対方向にある、庭園、門付きのナチュラルな見た目の綺麗な寮だ。というか、寮と言うより高級マンションって言った方がしっくりくる外観をしていた。
    ちなみに学生寮は、ビルみたいに高い作りになっていて、モダンな雰囲気を醸し出している外観だった。




    わぁーお。思っていた以上にすげぇな………。とりあえず、寮の管理人さんに話して鍵を貰わなくちゃね。




    という事で、私は寮の門のインターホンの前に立ち、呼び鈴を鳴らした。
    なんで門やレンガ塀があるのかと言うと、テストの答案用紙は基本教員の自主管理なので大抵の人が寮に置いておく為、盗まれるのを防ぐという目的からだ。
    まぁ、カードキーを貰ったら、自由に出入りできるので毎回毎回インターホンを押す必要は無くなるので、余り面倒くささはない………と思う。





    そんなことを考えていたら、インターホンから女性の声で返事が帰ってきた。




    「はい。要件はなんでしょう?」
    「すみません。今日から入寮する事になっている新任の、白崎    氷華です。門を開けて貰えますか?」
    「……………はい、本人確認も完了しました。これから門を開きます。初仕事お疲れ様でした。詳しい説明は寮内にて行います。」




    この言葉を聞いた後、門が開き私は寮の中へ入って行った。





    おぉ。エントランス広いな。というか、寮にこんなエントランスがあるんだ。




    こんな事を考えていると後ろから声をかけられた。声からして先程話していた管理人さんのようだ。




    「白崎さんですね。初仕事お疲れ様でした。これから寮の説明を聞きますか?それともあとから聞きますか?」
    「では、今聞いてもいいですか?」
    「はい。分かりました。では、こちらの椅子にお座り下さい。簡潔に説明します。
    まずこの寮では、入学式や卒業式、終業式の日とテスト期間中や夜間等は基本的に寮の門が閉じているので、インターホンにこれから渡すこちらのカードキーを翳して入ってください。それらの日以外ならば門は、開いています。ですが、こちらの玄関に入る際には必ず、カードキーで開けて入ってください。防犯の為、常に施錠してありますので。
    次に、朝食と夕食についてですが、自炊したい場合、部屋に備え付けられているキッチンにて調理して下さい。
    そして、こちらの寮内のレストランで食べる場合は、朝食はAM:6時~8時半まで、夕食はPM:7時~10時まででお願いします。
    昼食の方は、学食や購買、自炊のお弁当等でお願いします。
    寮内の案内は、各階に地図がありますので、それで対応して下さい。
    他に質問等はありますか?」




    おー。なるほどね。うん。特に質問は無いかな。
    ……………というより………この綺麗な薄紫髪、金目のお姉さん。十中八九モンスターだな。上手く魔力隠しているけど少し、まだ隠し切れてない。なんのモンスターだろう?
    ……………私の鑑定ってバレないようになってるし少し、話しながら調べてみようかな。




    「いえ、質問は特に無いです。」
    「分かりました。では、何か困った事などがありましたら、気軽に声をかけてください。」
    「はい。分かりました。」




    そして私は、カードキーを受け取り、案内板の地図から自身の部屋を探した。
    そして、彼女を調べてみた結果、彼女は紫藤蛇しふじへびという蛇のモンスターだった。










────
    更新遅れてごめんなさい。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故

ラララキヲ
ファンタジー
 ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。  娘の名前はルーニー。  とても可愛い外見をしていた。  彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。  彼女は前世の記憶を持っていたのだ。  そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。  格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。  しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。  乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。  “悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。  怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。  そして物語は動き出した…………── ※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。 ※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。 ◇テンプレ乙女ゲームの世界。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。

転生しても山あり谷あり!

tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」 兎にも角にも今世は “おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!” を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...