拒絶者の行く世界

魔妖学園

新任の挨拶

    あっ、そろそろ時間だ。




    私達新任はアナウンスで呼ばれ、壇上に立った。
    そして、私の挨拶は、一番最後だ。なので、呼ばれるまで姉達を壇上から探す事にした。




    あっ、いた。へー。あの列って事は、さく姉はAクラスかな？さて、あのクズは？っと………いた。へー。Dクラスね………。
    そう言えば、言って無かったけど、この学園は、成績によってクラスが分けられている。Aが一番良いクラスで、Dが一番悪いクラスなのである。
    けど、アレ？”検索”で調べたら、攻略対象者ってやつは、みんな成績優秀者だった筈だけどね？基本、クラスが違うとカリキュラムも違って来るから、本来関わる事などそうそうないんだよね？どうやって関わるつもりだろう？……………まぁ、いっか。私には、関係無いしー。
    あっ、私の挨拶次だ。




    前の人の挨拶が終わり、私の挨拶の番になった。




    「皆さん、おはようございます。私は、今年度から保健医助手として働く事になった、白崎    氷華と言います。ご覧の通り、私はあなた方より年下ですが、内科医の免許と大学卒業資格を持っているので安心してください。」





    あっ、ようやく私に気づいて二人とも、ポカーンとしている。ハッハッハ、ドッキリ成功かな？




    そして、私達は退場し、生徒会長による挨拶が始まった。




    あっ、生徒会長って攻略対象者なんだ。名前は確か、紅坂べにざか    透樹とうきだっけ？それで確か、種族はヴァンパイアで、結構強く、次々と出てくる闇人や妖魔（理性のない、破壊行為のみを行うもの。悪霊もここに含まれる。）を倒していくんだよね。それでラスボスとも戦うんだっけ？



    けど、”鑑定”！



    ふーん。……………確かに、強いだろうね。けど、羅泉程じゃない。少し残念。
    あっ、こんな事考えている内に、あやつの挨拶終わったわ。ていうか、あやつって人気あるんだなー。流石、攻略対象者？って感じかな？それにしても、キャーキャー言ってたヤツ、うるせー。よく我慢出来るねー。私だったら殺気飛ばして無理矢理にでも、黙らせるかも。回りくどいのは、嫌いだからね。
    けど、流石に教師？がそれやったら駄目か？ハー。めんどくさいね。三年契約で良かったわ。この世界の消滅の危機回避出来たら、ソッコーで辞めてやろうかな。何気にこの世界は気に入っているし、壊されたら困るからね。
    って、入学式ももう終わりみたいだし、この後は確か職員会議でその後、業務開始だね。さて、仕事、仕事。




    あっ、ちゃんと霊力は隠しているから普通より少し美味しそうな人間にしか思われてないみたい。うん。動きやすくていいわ。




    けど、バレたら別に自重せずに使っていくけどね。というか、あんまり隠す気は無いし。あくまで今、霊力を隠しているのは初めに状況を確認しておきたいからだし。それが終われば、バンバン使っていくつもり。
    あっ、入学式が終わったわ。移動、移動っと。








    そして、職員会議も滞りなく進み、初仕事となった。