拒絶者の行く世界

蒼華 スー

文字の大きさ
上 下
39 / 69
いざ初異世界へ!

薬屋?ポーション?ランクアップ?

しおりを挟む
    という事で、薬屋を”検索”して探し、薬屋に向かった。





    「おー。これが薬屋かー。………なんか案外普通だね。」
    「一体どんな店だと思っとったんだ、お前は。」
    「ん?魔女の家みたいなオドオドしい雰囲気の店?」
    「………それじゃあ、客が入らんだろうが。」
    「それもそうか。」





    この王都に数多くある薬屋の中から、一番品揃えのある店を探し私達は、今その薬屋の前に立ちかながら話している。




    店の外観は、話していた通りオドオドしく無く、むしろ白色の外壁と、青の扉でさっぱりとした外観をしていた。




    「んー。とりあえず、入ってみようか。」
    「あぁ。」





    という事で、青の扉を開け、中に入った。





    カランカラン





    扉に付けてある鈴がなると、奥から定員さんらしき青髪の青年が出てきた。





    「いらっしゃいませ。当店では、通常の薬は店内の棚の中にありますが、無いものは注文となります。私はカウンターにいますので、お気軽に声を掛けてください。」





    私は、ぺこりとお辞儀をし、店内を見てまわった。




    店内は案外広く、店内の棚には数々の薬が置いてあった。





    ふーん。色々あるんだな。湿布薬に胃薬、頭痛薬なんてのもあるんだ。
    ……………でも、お目当てのポーション系が無いな………。なんで?うーん。出来れば”検索”は使わずに探して、ワクワク感を試したかったけど………仕方が無い。調べるか。





    この世界にポーション系の物があるのか”検索”。





    ……………なるほどね。





    「羅泉。」
    「何だ?」
    「どうやら、この世界にポーション系はあるにはあるらしいけど、薬師では作れなくて、錬金術師が作っているらしいんだわ。」
    「ふむ。それで?」
    「魔法使いや錬金術師は、人数が少ないって前に言ったでしょ?」
    「あぁ。言ったな。」
    「それでさ、開発も進んでいないらしくて、通常のポーションだとある程度の傷を回復させることは出来るけど、魔力を回復させるポーションは無いんだって。」
    「そうなのか。」
    「うん。しかも、作れる人も少ないからめちゃくちゃ高い。」
    「なるほどな。」
    「という訳で、私、ポーション売ってみようと思うんだけどどう?」
    「はあっ!?そんなもん危険だろうが!?この世界には、まだ貴族とかもいるんだろ?奴らに目を付けられたら、どうするんだ?」
    「うん。だから、私、さっさとSランク冒険者になるよ。」
    「ほぅ。なるほどな。それだったら、いくらでも王族の命令であろうが、貴族の命令であろうが断れるしな。
    それなら、いいんじゃないか?金はあるに越したことは無いしな。」
    「だよね?けど、一つ問題があるんだよね。問題というより、懸念だけど。」
    「何だ?」
    「私、ポーション売る為に、ランクアップが前代未聞な速さでやる事にしたんだけど、その間に、貴族に見つかったらどうしようって思ってさ………。」
    「ふむ。それなら本当に言葉通りに一気にSランクにアップしたら、どうだ?」
    「?そんな方法あるの?」
    「あぁ。確か依頼が貼ってあったボードに、『これを討伐したら、Sクラスに上がる為の試験を受けれます。』って言う感じの依頼があった筈だ。」





    な、なんだって!?そんなもんが貼ってあったのか!?羅泉、よく見ていたね。あんたは偉い!!!





    「ほんと!?」
    「あぁ。」
    「ありがとう、羅泉!羅泉は偉い!!!」
    「じゃあ、ここの気になった薬を少し買っていこうか。それから、その依頼を………いや、まず商業ギルドに行って、商人のギルドカードを貰ってからの方がいいか………。よしっ。じゃあ、明日、見に行こう?」
    「おう。いいぞ。俺もこの世界では久々に、狩りが簡単に出来て愉快だしな!」
    「よしっ。じゃあ決まり!とっとと買って、商業ギルドに行こうか。」
    「あぁ。」





    という事で、私は、アロマハーブと、ハーブティーのパックの詰め合わせを買い、店を出た。
    そして、商業ギルドでも無事に登録を済ませ、意気揚々と元の世界へ帰って行った。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた8歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 ひとつ上のお姉様はとても愛らしく、皆に大切にされている。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

処理中です...