拒絶者の行く世界

蒼華 スー

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空からやって来た!

魔道具

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    あの後私は、羅泉と一時間くらい眠った。
    そして、目覚めると、小物の妖怪達が庭で元気に遊んでいるのが見えた。




    うん。癒されるなー。………けど、何でお供え物があるんだろう?毎回毎回。




    そう。彼等は私が縁側で眠っていたり、ぼうっとしていると、必ずと言っていいほど、木の実やらなんやら縁側の前にある石畳に葉っぱを器にして置いているのだ。




    ……………鶴の恩返し???




    気になって羅泉に聞いてみたら、まさにその通りだった。何でも私の作った料理には僅かだが、私の霊力も入っており、小物の妖怪達が食べると小さな傷くらいなら治ってしまうらしい。その為、自分達の傷を治してくれたお礼とこれからも出来たらくれっという催促でもあるらしい。




    「んー。あっ!そうだ!」
    「ん?どうした?」




    私ははっと、とある事を思い出した。




    「私、作ってみたい物があるから部屋に戻るね。
    後、羅泉って何の妖力使うの?私、未だに羅泉が妖力を使って攻撃しているの見た事ないんんだけど。」
    「あぁ、そういや言ってなかったな。だが、これから敵になるやも知れん奴に教える奴がいるか?」
    「え?敵になるの?何で?」




    羅泉は、呆れたようにため息をつき半目で言ってきた。




    「俺はお前が大きくなったらお前を食うって、何回も言っている筈だが?その時、お前は抵抗するだろう?」
    「あぁ、確かに。けど、正直言って羅泉が妖力使わなくてもゼイゼイ言っている私に教えても害は無いんじゃない?」
    「今はそうでも、大人になったら違うやも知れんだろう?」
    「……………何気に用心深いね。」
    「当たり前だ。でなければとっくに祓われておるわ。若人の弱い時にな。」
    「そっか。んー。じゃあいいや。とりあえず私は部屋に行くね。」
    「あぁ。俺も行く。」




    という事で、羅泉と私は私の部屋に戻った。そして羅泉は、部屋に入るなり子猫の姿になってベッドで寝転んだ。




    ……………もふもふしたい。あぁ、艶々の黒猫って可愛いー!!!そして、触りたい!!!




    でも、ダメダメ。今は、こっちを作らなくては。
    私は前々から作りたいと思っていたものがある。だが、羅泉は強いし後からでもいいだろうと、後回しにしていたのをふと思い出したのだ。




    今回は直接陰陽師等に会うことは無かったし、羅泉も自分が負けるわけが無いと言っていた。しかし、イレギュラーというものや、予定外のものは普通に存在する。なので、私はこう思ったのだ。


    もし、羅泉が負ける程の敵が現れたら?


    正直言って、羅泉は用心深いが、何処か傲慢な所がある。そして、敵を過小評価と迄は行かなくても、おそるるに足らず、と言う風には思っている節がある。
    そして、それ等が羅泉自身の自信にも、最大の弱味にもなっていると、私は思っている。別に、この態度の羅泉が悪い訳では無い。言った所で、早々代われるもんでもないし、私は羅泉が羅泉ならばそれでいい。なので無理に変えさせるつもりは一切無い。しかし、これのせいで羅泉が負けるのは嫌だ。




    なので、私は羅泉を強化する魔道具を作ることにした。
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