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逆ハーレムとはこのことよ

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「はぁ」

「花蓮ちゃーん!ってあれ?なんか、悩みごと?」

「いえ別に」

こんなに純粋そうな人でもお金を前にすればころっと落ちるなんて、世の中汚いわね。それでもお金をもらってそこから起業したりなんかしたら素晴らしいと思うけどお金を前に散々遊びたい放題じゃねぇ。私だったらもらったお金全部仮想通貨に投資して、次に何が流行るのかを調べるけどね。ハイスペックのパソコンを買って。他にも諦めかけた夢を追いかけるだとか……。まぁ夢がある人はお金の前には屈しないからここにいる人たちは世間の風潮に思うがままに乗らされているただのつまらない大人たちなのよね。こんな経験値の浅い子供が言うことでもないけどね。言っても私は耳年増なだけだから。大人は子供の知らないことをたくさん経験して大人になってる。だから子供がどうほざこうとただの戯言なのよ。きっと。

「お祖母様、そろそろ私帰ります」

「あら何言ってるの?これからがお楽しみなんじゃない」

「え………?」

「雪くん、照明暗くしてちょうだい」

次々と部屋の明かりが消えて行き、次第にお香のような匂いがしてくる。でもこれ多分お香じゃない。それに結構な量を焚いてる。匂いというか煙がすごいもの。何これ。よくドラマとかで見る眠くなるやつ………?なんか、瞼が開かないというか意識飛びそう。必死の思いで息を止めて口にハンカチを当てる。それでも襲いかかる眠気の勢いは凄まじい。

「ちょ、だれか………助けて……」

「ごめんねぇ花蓮ちゃん。俺ら金欲しいんだよね」

「は………?」

さらに近くに煙がやってきて、私は意識を手放した。



あれから何分ぐらいだったのだろう。気づけばソファに寝ていて体がカチコチだ。記憶がないということもないし、なにかお祖母様が企んだということもわかるけど………。なぜかお祖母様のコレクションたちは誰一人としてこの場にはおらず、立っていたのはただ一人。白髪のどこか見覚えのあるような少年一人だった。

「………どなた?」

「元使用人の現在婚約者かな」

はて、白髪の少年使用人なんていたかしら?高校生未満のバイトは法律で禁止されているし、見た感じ同い年か、少し年上ぐらいに見える。背が高くて、肌が真っ白で、どこか人間離れしているように感じる。今にも透けて無くなりそうな儚さだ。

「で、なぜここに?」

「君のお祖母様がね、僕へ果たし状を送ってきたんだよ」

怖かったよ~なんて、優しく笑う彼は今まで見たことのないふんわりとした優しいような暖かいような笑みをこぼす。でも、なぜか太陽のように温かいわけではなく月のような見守るような暖かさだ。覚えてない。思い出せない。何か重要なこと…………私が忘れてはいけないもの。大事な約束をした気がする。将来結婚するなんてそんなことじゃなくて、ほかに………

「花蓮、ちゃんって呼んだ方がいいかな。
僕ね随分と前に君に会ったことがあるんだ~。確か僕が10歳で花蓮ちゃんは5歳だったかな。軽井沢にある花蓮ちゃんちの別荘で。その時ね、こんなちっちゃい子にどうしてって自分でも思ったけど恋しちゃったんだ。
僕のお母さんもお父さんもその別荘で働いてて、よく仕事の手伝いに行ってた。空調もよく聴いてて、うちよりずーっと広くて楽しいから。その日も例によってその別荘に手伝いという名目で遊びに行ってたんだ。
そんな時に花蓮ちゃんがきた。まだその時は髪の毛が短くてね。初めて会った時は大して興味もなくて金持ちすげーなんて思ってたんだけど、花蓮ちゃん覚えてないと思うんだけどね、僕にいっつも付いてきて難しい話もなんでも聞いて、僕の愚痴も嫌な顔1つせず聞いてたんだ。それで、なんだか変な子だな~ってなって、気づいたら好きになってた」

「物好きですね。というか、よく無断で子供が働いてて怒られませんでしたね」

「えー、怒られたよー。お給料なしで働かせるなど言語道断!ってね」

「…………そうですか」

「あ、そうだ。それで果たし状の話は?」

「そう!それでいきなり家に果たし状が届いてさ、花蓮ちゃんを拉致したなんて書いてあったの。まぁその後ろにバッチリ久美子さん名前書いてたけどね。でも、花蓮ちゃんの居場所わかって嬉しくなっちゃって迎えに行ったら本当に手錠されててさ、とりあえず男たちが襲ってきたから全員倒して、別室に詰め込んだけど………いいかな?」

「すみません、お手数かけました」

「いえいえ。大したことは」

はじめましてはインパクトに。

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