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逆ハー製作委員会

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「はぁ」

「どうしたのですか?シーニュ嬢。鬱憤が溜まっているのであればどうぞ僕にぶつけてください」

「ぶつけるというよりは、癒されたい」

「ならば僕が何でもします!」

「じゃあ、今すぐ目の前から去って」

「放置プレイですね!」

「…………うん、そうです」

はぁ、最近ため息が尽きない。それもこれも誰かのせいにはしたくはないけど絶対に変人トリオのせいだ。サイコパスにドSに変態。そんなのと毎日一緒にいたんじゃそりゃあ心もズタボロになると思うの。誰か、我に癒しをぉぉぉぉぉ「うわっ」ぶふぉぉぉ!?

「何よ!」

「ご、ごめん。上級魔法の練習してたんだけど失敗したみたい」

「そう……………」

あの、うん、わかった。それはいいけどこの体制は何にも良くない。これは床ドンってやつじゃないですか?もう古いかもだけど!床というよりは私が床に手をついている状態に、シャルルが足を絡めているというか………説明難しいけどそんな感じ。お願いだよ。私は恋愛耐性が極端にないんだよ。だからこういうことはやめてぇぇぇぇ。悪役令嬢って極力メインヒーローたちと関わらない方がいいんでしょ?だったら私隣国にでも行こうかな?そこでイケメン彼ぴっぴ見つけるよ。うん。

「あれ、シーニュ顔赤いよ?」

うわ、鉄板ゼリフ来たーーーーー!!ならば私は、

「ばか………」

「え?」

「え?」

アレ?しゃ、シャルルくん?あの今のネタ………まじで?って笑ってくれないと……その、恥ずかしいやつ……っていうか、めっちゃ顔赤いぞ?お前こそ平気か?急性熱中症か?あ、に、逃げた。え、ちょ、まさか、私に照れたとかないよね?王道やったらこの人たち楽勝で落ちるとかないよね?だだだだって、イケメンでかっこいいヒーローだもんねぇ!?ありえないよねぇ!?半ば言い聞かせてから思った。マジで関わるのやめようと。次のヒロインは前のよりも頭がいいかもしれない。前世で言ったら京女みたいな怖いのが出てくるかもしれない。一瞬で潰されるかもしれない。そんなことになる前に私は彼らと縁を切る!備えあれば憂いなし。そうだ。当面の長い目標ができたではないか。

パンパンと服を叩いて、屋敷内に入ろうとするといきなりバックハグ状態。もうなに、やめて!あと勢力強くておっふとか言っちゃったじゃん!めっちゃ恥ずかしいわ!もうちょっと静かに来てよ!

「はぁ、なに」

「僕だって、好きな人が他の人といたら嫉妬しますから」

「あぁ、うん。正常ですね」

「だから、、」

そう言って不意打ちラブきっっすをお見舞いしてくれました。………次のライバルが京女じゃないことも心から祈ります。日本中の神社回ります。清水寺に寝泊まりします。真冬に半袖短パンで校庭一周しますだからどうか………!あ、ここ日本じゃなかった………。神社なかった………詰んだわ

にへら~と笑って軽やかなステップを踏みながら帰る彼は、ただの変態ではないようです。不意打ち変態。うむ、油断禁物。まずはあいつから距離を置こうとそう思った私でした。
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