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転生したった
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さて、どうしましょう。見られました。
「あ、ら、どなた?」
極力笑顔が引き攣らないようにするけども正直自信はありません。なぜなら子供の頃から作り笑顔の常習犯でしたが一度としてばれなかったことはないからです。
「あ、ごめんなさい。僕はローズ・グリッド・シャルル。君はアンシャール・アグネス・シーニュ嬢…ですよね?」
「え、えぇ」
なぜ知ってる?とか、言いません。なんせ私、普通のヒロインじゃないので(どやぁ
そしてヒロインでもないので。………まっべっつに~?ヒロインみたいにいろんな苦難乗り越えてまで?ヒーローとくっつきたくないし~?平々凡々でいいのよ。と、学年の長が言ってるのってどうでしょう。めっちゃ嫌ですよね。わかります。
「え、えっと、今凄く落ち込んでいたようですけど大丈夫ですか?」
それよりも、だ。こいつなぜ逃げない?どこか好奇心のようなものが見える気もする。それって怖いもの見たさってこと!?やだ、私そんな対象なわけなわけ!?そして何より、そのマッシュルームカットなに?栗色の髪によく似合ってるけど……目隠れそうだよ?君そこそこいい顔なのになんでそんな髪型するのよ……私はこの顔になった瞬間に眉上パッツンにしようとしたわよ?世に名高い美少女しか似合わない眉上パッツンにね!どんだけ謙虚なのよ全く。
でも、このちゃんと座った肝。こやつ、何者?とりあえず返事をしよう。
「えぇ。少し悲しいことがありまして」
「ぼ、僕でよければ話を聞きましょうか?」
「いえ、もうすぐチャイムがなりますし大丈夫ですわ。ご心配ありがとうございます」
と、吐き捨ててそそくさと図書室を退散した。これ以上なにも聞かれないようにね。危ないというかめっちゃ見られたけど……
平気だよね?ていうか、落ち込んでただけだし!別に言いふらされていじめられるようなことはなにも…うん。平気だ。なーんだ気楽気楽~。何事もなかったかのように廊下を歩き、教室に入ると1つ空いた席が目に入る。あら、私以外にも不登校いたのね。可哀想に同志よ。もしどうしても嫌になったら我が家に来いよ。カーテン全締めして待ってるからよ。
前世なら闇オークションに出ているようなアンティークな椅子と机が20個ほど規則正しく並んでいる。チャイムギリギリでもそうでなくても私の席は一番後ろのど真ん中と決まっているらしくそこがぽっかりと空いていた。悲しいかよ。カタンと座ると横には朝先輩が持って行ってくれた鞄がきちんと置いてある。丁寧に花まで置いてくれちゃって。ありがてぇ。でもこんなことしなくていいんだよ。と、心の中でそっと呟いておく。
「シーニュ様!」
「何かしら」
「その花束、エドガー様からのものではえりませんこと?」
「エドガー様?」
「ローズ・グリッド・エドガー様ですわ!第二王子の!」
随分とテンションが高いなと思っていたらこれはそうとう凄いお花のようだ。そして、そういえば花束だったし、ミニカードも付いてました。上に添えてあるカードをちらっと見るとそこには『薔薇園.R.E』とだけ書いてある。なんだこの小洒落た書き方は。腹立つな。
「まぁ!」
気づくと5人の取り巻きどころか周りにはたくさん人が集まっていて逆にこっちがなんだなんだ状態だよ。いや、本当に何?
「シーニュ様、それはもしかして王城内にある選ばれたものしか入れない薔薇会のお誘いではないですか?」
ありがとう。とてもよく説明してくれたね。本当に私はいい取り巻きを持ったよ。持つべきものは取り巻きとゲーム機だよね。神?ゲーム機だよね?
皆さん、期待の目をしておられますけど、私これでも一応人嫌いの引きこもりだからね?忘れないで?だからね、もちろん
「お断りしますわ」
「あ、ら、どなた?」
極力笑顔が引き攣らないようにするけども正直自信はありません。なぜなら子供の頃から作り笑顔の常習犯でしたが一度としてばれなかったことはないからです。
「あ、ごめんなさい。僕はローズ・グリッド・シャルル。君はアンシャール・アグネス・シーニュ嬢…ですよね?」
「え、えぇ」
なぜ知ってる?とか、言いません。なんせ私、普通のヒロインじゃないので(どやぁ
そしてヒロインでもないので。………まっべっつに~?ヒロインみたいにいろんな苦難乗り越えてまで?ヒーローとくっつきたくないし~?平々凡々でいいのよ。と、学年の長が言ってるのってどうでしょう。めっちゃ嫌ですよね。わかります。
「え、えっと、今凄く落ち込んでいたようですけど大丈夫ですか?」
それよりも、だ。こいつなぜ逃げない?どこか好奇心のようなものが見える気もする。それって怖いもの見たさってこと!?やだ、私そんな対象なわけなわけ!?そして何より、そのマッシュルームカットなに?栗色の髪によく似合ってるけど……目隠れそうだよ?君そこそこいい顔なのになんでそんな髪型するのよ……私はこの顔になった瞬間に眉上パッツンにしようとしたわよ?世に名高い美少女しか似合わない眉上パッツンにね!どんだけ謙虚なのよ全く。
でも、このちゃんと座った肝。こやつ、何者?とりあえず返事をしよう。
「えぇ。少し悲しいことがありまして」
「ぼ、僕でよければ話を聞きましょうか?」
「いえ、もうすぐチャイムがなりますし大丈夫ですわ。ご心配ありがとうございます」
と、吐き捨ててそそくさと図書室を退散した。これ以上なにも聞かれないようにね。危ないというかめっちゃ見られたけど……
平気だよね?ていうか、落ち込んでただけだし!別に言いふらされていじめられるようなことはなにも…うん。平気だ。なーんだ気楽気楽~。何事もなかったかのように廊下を歩き、教室に入ると1つ空いた席が目に入る。あら、私以外にも不登校いたのね。可哀想に同志よ。もしどうしても嫌になったら我が家に来いよ。カーテン全締めして待ってるからよ。
前世なら闇オークションに出ているようなアンティークな椅子と机が20個ほど規則正しく並んでいる。チャイムギリギリでもそうでなくても私の席は一番後ろのど真ん中と決まっているらしくそこがぽっかりと空いていた。悲しいかよ。カタンと座ると横には朝先輩が持って行ってくれた鞄がきちんと置いてある。丁寧に花まで置いてくれちゃって。ありがてぇ。でもこんなことしなくていいんだよ。と、心の中でそっと呟いておく。
「シーニュ様!」
「何かしら」
「その花束、エドガー様からのものではえりませんこと?」
「エドガー様?」
「ローズ・グリッド・エドガー様ですわ!第二王子の!」
随分とテンションが高いなと思っていたらこれはそうとう凄いお花のようだ。そして、そういえば花束だったし、ミニカードも付いてました。上に添えてあるカードをちらっと見るとそこには『薔薇園.R.E』とだけ書いてある。なんだこの小洒落た書き方は。腹立つな。
「まぁ!」
気づくと5人の取り巻きどころか周りにはたくさん人が集まっていて逆にこっちがなんだなんだ状態だよ。いや、本当に何?
「シーニュ様、それはもしかして王城内にある選ばれたものしか入れない薔薇会のお誘いではないですか?」
ありがとう。とてもよく説明してくれたね。本当に私はいい取り巻きを持ったよ。持つべきものは取り巻きとゲーム機だよね。神?ゲーム機だよね?
皆さん、期待の目をしておられますけど、私これでも一応人嫌いの引きこもりだからね?忘れないで?だからね、もちろん
「お断りしますわ」
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