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監禁前夜

六話・回帰、そして始まったモノ②

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 抜けてしまったアイネの力が戻ってくる前に、メアはひょいと軽やかにアイネを横抱きしたかと思うと廊下の突き当り――前方にある扉へと足を進めた。
 脱ぎ捨てられたズボンと下着だけがどこか寂し気に廊下に寝ころぶ。されど、そちらを見向きもしないで扉は開いてぱたりと閉じた。

 足を踏み入れたその先、事前につけられていた明かりに一瞬目が眩んでくらりと世界が回る。アイネの視界が安定した頃には、メアは部屋の中腹まで歩みを進めており嫌でも部屋全体が一望できた。そこには、一般家庭ではお目にかかることなど滅多にないだろう広大な空間が広がっていた。
 入った右手にはバーカウンターを思わせるダイニングキッチン、その正面には6人くらいは腰かけられそうな大きい食卓が設置されている。食堂の基礎はこちら側ですべて補われているのだろう。
 そして、その反対、左手には……男二人が余裕で寝ころべるほど大きいなベッドが置かれていた。仕切りのようなものはなく、食卓サイドと寝室空間が一緒くたになっている。いや、それよりも……ベッドの上に置かれたアレは……。

「よいしょっと、……あぁ、やっぱり此処にベッドを置いてよかった。ドアを開ける手間も省けるし、空いた時間の分だけいっぱい愛してあげられる。ね、アイネもそう思うよね!」
「だから何を勝手、っ…やぁっ、やだ、っんぁ……ひぃッ」

 ベッドに下ろすなり、決定事項だと言わんばかりにメアの指が再び秘部に埋まった。しかも、ご丁寧なことにベッド上にはアレ――ローションが転がされている。これでは今日は固く閉じたままの後孔すらも解すことが可能になってしまった。
 これから起こるだろう事象を想像し、ひたひたと背が冷えていく。快楽とはまた違う震えがアイネを襲った。

 既に愛液で濡れていたメアの右手はまた膣内壁と戯れるように我が物顔で蠢き、左手は器用に片手でローションの蓋を外すと冷たいソレを僅かにアイネの太ももへとかけた。ツンと棘すら感じる刺すような冷たさに火照った体が粟立った。

「ひっ、つめた……っ」
「ごめんね。先に温めてからナカに入れるべきだったね」
「ちが、勝手に、あっあぁっ……それ、やめ、んうっ」

 否定や反論をしようにも、それを邪魔するようにナカに収まった指が動いて腰が揺れる。口からは甘えたような嬌声が零れ落ちる。嫌だと思うのに、やめてほしいと思うのに、どうしてか体は意思に反して引き剥がそうとは動かない。媚びるようにナカを締めて、ねだるように腰を揺らす。

 これじゃあ、まるで……。

「……あは、アイネってば誘ってるの? えっちだなぁ」
「ちが、ぁっ……も、やめろって……んんっ」
「だぁーめ。今日はお仕置きだって言ったでしょ? ……大丈夫だよ。アイネのことはちゃんと俺が満たしてあげるから」

 言うが早いか、太ももにかけたローションを少量すくっては後孔の表面をくにくにと解すだけだった左手がつぷっと爪先だけの侵入を果たす。
 入り込んだ僅かばかりの切っ先がまた一つアイネの身体に現実を刻み込んだ。
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