9 / 19
監禁前夜
四話・変わってしまったモノ①
しおりを挟む
軋むスプリング、突き抜ける電光。
上も下も分からぬくらいに媚び乱れ、
望まれるままに何度もイカされた。
「んぁっ、ぁぁ、あぁぁっ、そこぉ…っ、そこ、もっとぉ……っ」
艶やかに喘いで、種子をねだるようにナカを締めた。彼の固く張り詰めたソコから弾けた熱を体内で受け止めて、満たされた幸福感と満たされきれない欠乏感を同時に味わう。腹に感じる快楽の余韻に自身もまた頂へと昇りつめ、女のような声をあげて僅かばかりの精を吐いた。
そうして昂った熱が弾ければ、いつだって残されるのは急速に冷えていく頭だけだ。
もはや馴染みの宿となったラブホテルから抜け出した午前三時、春といえども深夜の空気は流石にひんやりとしていた。冷気の羽衣を纏った静寂は、甘い熱をいまだ宿したアイネの体をほんのりと宥めてくれる。内側に燻る情欲がゆっくりと下火になっていった。
いつもならば、体に熱を感じてもそのままラブホテルに朝まで泊まり自慰に耽ることが多かった。けれど、昼間のことがあったからだろうか。今日はどうにも一泊する気持ちにはなれなくて、彼が満足し行為がひと段落するなり「帰りたい」とアイネは申し出てしまった。
彼と、圭吾と朝まで一緒に居たくない。不思議とそう思ったのだ。午後の講義終わりという早い時間からラブホテルに籠って、何十回と腰を打ち付けられ熱を穿たれたというのに。離さないというように彼の背を掻き抱いていたというのに。この懐にはチップ代わりに余剰にもらった金銭が仕舞われているというのに。
それでも、早く帰りたかった。
(帰ったら、とりあえずシたいな……足りない、満たされてない……)
あれほど善がって、ねだっていたというに子宮は甘く引き攣っている。彼のテクニックが拙かった訳ではない。だって、何度イったか覚えていないくらいには乱れていたのだから。
それでも体は熱を求めていた。いくらナカに吐き出されても物足りなかった。これはもう自慰をしただけで冷めるようなものではない。身体的負担は大きいが、今から常連客に連絡をとりたい気分だ。
どうしてだろう。なんだか、今日は一段と飢えがひどい。愛してほしいと駄々をこねる心が落ち着かない。本当に孕んでしまいそうなほどにナカに穿って出してほしくなる。どうしよう。今から呼べる人って居たっけな。そうだ、彼女に振られた様子のあの男なら……――
「ねぇ、ここで何してるの?」
そんな、欲ばかりの思考を引き裂いて、静かな甘い声が囁いた。
上も下も分からぬくらいに媚び乱れ、
望まれるままに何度もイカされた。
「んぁっ、ぁぁ、あぁぁっ、そこぉ…っ、そこ、もっとぉ……っ」
艶やかに喘いで、種子をねだるようにナカを締めた。彼の固く張り詰めたソコから弾けた熱を体内で受け止めて、満たされた幸福感と満たされきれない欠乏感を同時に味わう。腹に感じる快楽の余韻に自身もまた頂へと昇りつめ、女のような声をあげて僅かばかりの精を吐いた。
そうして昂った熱が弾ければ、いつだって残されるのは急速に冷えていく頭だけだ。
もはや馴染みの宿となったラブホテルから抜け出した午前三時、春といえども深夜の空気は流石にひんやりとしていた。冷気の羽衣を纏った静寂は、甘い熱をいまだ宿したアイネの体をほんのりと宥めてくれる。内側に燻る情欲がゆっくりと下火になっていった。
いつもならば、体に熱を感じてもそのままラブホテルに朝まで泊まり自慰に耽ることが多かった。けれど、昼間のことがあったからだろうか。今日はどうにも一泊する気持ちにはなれなくて、彼が満足し行為がひと段落するなり「帰りたい」とアイネは申し出てしまった。
彼と、圭吾と朝まで一緒に居たくない。不思議とそう思ったのだ。午後の講義終わりという早い時間からラブホテルに籠って、何十回と腰を打ち付けられ熱を穿たれたというのに。離さないというように彼の背を掻き抱いていたというのに。この懐にはチップ代わりに余剰にもらった金銭が仕舞われているというのに。
それでも、早く帰りたかった。
(帰ったら、とりあえずシたいな……足りない、満たされてない……)
あれほど善がって、ねだっていたというに子宮は甘く引き攣っている。彼のテクニックが拙かった訳ではない。だって、何度イったか覚えていないくらいには乱れていたのだから。
それでも体は熱を求めていた。いくらナカに吐き出されても物足りなかった。これはもう自慰をしただけで冷めるようなものではない。身体的負担は大きいが、今から常連客に連絡をとりたい気分だ。
どうしてだろう。なんだか、今日は一段と飢えがひどい。愛してほしいと駄々をこねる心が落ち着かない。本当に孕んでしまいそうなほどにナカに穿って出してほしくなる。どうしよう。今から呼べる人って居たっけな。そうだ、彼女に振られた様子のあの男なら……――
「ねぇ、ここで何してるの?」
そんな、欲ばかりの思考を引き裂いて、静かな甘い声が囁いた。
3
一言メモ(更新:2024/06/24)更新が一年振りと気付いて自分でドン引きました……申し訳ない……。ゆっくり更新にもほどがある!
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます


王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

頭の上に現れた数字が平凡な俺で抜いた数って冗談ですよね?
いぶぷろふぇ
BL
ある日突然頭の上に謎の数字が見えるようになったごくごく普通の高校生、佐藤栄司。何やら規則性があるらしい数字だが、その意味は分からないまま。
ところが、数字が頭上にある事にも慣れたある日、クラス替えによって隣の席になった学年一のイケメン白田慶は数字に何やら心当たりがあるようで……?
頭上の数字を発端に、普通のはずの高校生がヤンデレ達の愛に巻き込まれていく!?
「白田君!? っていうか、和真も!? 慎吾まで!? ちょ、やめて! そんな目で見つめてこないで!」
美形ヤンデレ攻め×平凡受け
※この作品は以前ぷらいべったーに載せた作品を改題・改稿したものです
※物語は高校生から始まりますが、主人公が成人する後半まで性描写はありません

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる