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第三十二章 最終章④ 新たな出発編

エピローグ①

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エピローグ

ヒュアキントスとアドニスがライトワーカーに志願し、地球に行くことが決まり、美少年達B-PROJECTの活動は休止されることが発表された。

ファン達は戸惑い悲しんだが、勇敢な2人を応援しようと、前向きに受け入れる流れになっていった。
そして2人が向かう地球への関心はファン達の間でも高まっていった。

2人が無事帰還するためにも、地球の次元上昇を何としても成功させないといけないという意識がシリウス中で高まったのだった。

ファン達は4人の活動再開をいつまでも待つことにしたのだった。


その夜、寮では美少年達4人が2人の送迎会を行っていた。
ヒュアキントスとアドニスが旅立ち、活動休止となるのでガニュメデスとナルキッソスも寮を出ることになっていた。

「あーあ、君達が地球にまた降り立つ方法…内緒にしたかったんだけどね」
ガニュメデスは苦笑しながらヒュアキントスとアドニスに告げた。

ガニュメデスはかつて2人に、地球に行く方法はないかと聞かれ、ないと答えたが一つだけ方法があることを黙っていた。
それは、地球人に転生するという方法だった。

結局、2人はその方法を選ぶこととなってしまったのだ。

(本当は気付かれたくなかったのに……)
ガニュメデスは心の中で呟く。

寂しさを押し殺し、いつものように完璧な微笑を顔に浮かべ、2人を送り出そうとしていた。

「…………」
ナルキッソスはいつも通り口数が少なく無表情だが、どこか陰りがあった。

「お前達がいない間も、僕は芸能活動を続ける。お前達と差をつけてやるから、覚悟しておけ」
「うん!頑張ってね!」
「あぁ、楽しみにしてるぜ」

ヒュアキントスとアドニスの言葉に、ナルキッソスは少し切なげに微笑んでいた。



「僕達、本当に幸せだと思う。僕達の都合で活動休止するのにファンの人達も応援してくれて。それに…君達みたいな良い仲間に恵まれて」

ヒュアキントスはしみじみと語った。

「そうだな。俺達、今まで辛いことや苦しいこともあったけど、その分楽しいこともいっぱいあったよな」
アドニスはそう言って、ヒュアキントスの肩に腕を回す。

「………君達は地球で辛い思いだってするかもしれない。甘い任務じゃないからね。だけど、遠くから僕達も応援するよ」

ガニュメデスはそう告げると、ヒュアキントスとアドニスは微笑みながら頷く。
2人は、地球での任務を果たすべく決意を固めていた。

「また4人で活動再開できるまで待ってる。気をつけて行ってこいよ」
ナルキッソスも彼なりに励ましの言葉をかけた。

「ありがとう、みんな……」
4人は互いに抱擁を交わした後、笑顔で別れの挨拶をしたのだった。

再会を誓ってーーー 
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