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第二十四章 ユニット対決開始編

第78話‐2 ユニット対決第一段 勝敗結果

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ライブイベントが終わったヒュアキントスとナルキッソスは神妙な面持ちをしていた。

しばらく離れて隔離状態だったので、アドニスとガニュメデス組の現状を知らずにいた。
まさかあの2人があそこまで成長していたとは思いもしなかったからだ。


自分達との実力の違いをまざまざと見せつけられてしまった。
ナルキッソスは悔しそうに唇を噛み締めていた。


「くそ……!認めたくないけど、完敗だな。勝敗結果は見なくてももうわかってる。おそらくあいつらの勝ちだろうな…」
「うん…。僕もそう思う。このままじゃ僕達はあの2人に勝てない」


一体どうすればいいのか。
自分達だって決して悪くはないはずだ。


だが、それ以上に彼らの方が優れていたということだ。
それならば、これからどうするべきか。
考え込む2人だったが、その時ヒュアキントスはふとあることを思い出した。


『アイドルのライブは、お客さんとのコミュニケーションの場でもあるんだよ』

彼らの指示役であるマスターことロキが教えてくれたことだ。


(お客さんとのコミュニケーション……)

技量や実力で敵わなくても、突破口はあるかもしれない。
だがそれが何なのかは皆目検討もつかなかった。

***

ヒュアキントス組が悩んでいる頃、オリンポス12神の1人である鍛冶の神ヘパイストスはいつも通り黙々と仕事をしていた。

美少年達のライブイベント対決の噂は嫌でも耳に入ってくるが、彼は無関心であった。




(ふん。美少女ならまだしも美少年なんぞ興味ない。男が踊って歌う姿なんか俺は見たくない、女ならともかく…)
そんなことを思っていた矢先、彼が手掛けている作品に異変が起きた。


「あれ?おかしいな……」

ヘパイストスが手掛けた作品はどれも美しい芸術品ばかりであったが、1つだけ失敗作があったのだ。
その作品だけは何故か形が崩れてしまい、作品として成り立たなくなっていたのである。

「チッ」

ヘパイストスは思わず舌打ちをした。


美少年達B-PROJECTを認めるかどうか、オリンポス12神も審判に加わることになった。

だがヘパイストスは認める気などなかった。


(あいつらの噂は前々から俺の耳にも届いていた。アイドルだとかいう地球由来の文化らしいが、容姿を売りにしてる時点で気に食わん。舐めてやがる連中だ)


ヘパイストスは容姿が劣っていることに強い劣等感を抱いていた。
だからこそ、自分の技術で美しいものを作るという信念の元に生きてきた。

何故あんな素人上がりの奴らが選ばれるのか。
見た目だけで判断しているのではないか。
中身なんて関係ないではないか。

そんな気持ちを美少年達に密かに抱いていた。


それは彼の劣等感を刺激するのに十分であった。
だから彼は反対派に回ったのだった。

「チッ……!」
ヘパイストスは再び苛立ちを募らせていくのであった。
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