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第二十二章 熱愛騒動編
第69話‐3 動き出す恋
しおりを挟む「なっ!?そ、そんなことありません!」
「自分しか好きになれなかったのに、今は変わってるんだよね?それって恋をしてるってことだよ」
(恋…?僕は僕にずっと恋をしてきた。でも今は他の人に恋してるのか?)
戸惑う彼をよそに、ヘルメスは続ける。
「君の恋、応援してるよ」
その言葉に、ナルキッソスは一瞬胸が痛んだ。
(応援…。僕に好きな人がいてもこの方には関係ないんだな)
そう思うと、何故か少し悲しくなった。
(ごめんね、ナルキッソス君。私は君と違って、たまに嘘をついたりするから)
そう心の中で舌を出していた。
(でも、君を傷つける嘘はつかないよ・・・それにしても『自分しか好きになれない』かぁ、面白いなぁ。そうだ、閃いた!)
ヘルメスはあることを思いついたのだったーーー
***
「ヘルメス様。失礼します」
自社に戻ったヘルメスは部下から声をかけられた。
「何だ?今作詞をやり直してるとこなんだが」
創作活動中だったのか、ペンを持ちながら楽譜に向かっていた。
「それが、ゼウス様から緊急連絡が入りまして。オリンポス12神に召集をかけてほしいとのことです」
「召集だと?」
「はい、何でも、至急会議を開きたいとのことです」
「そうか、わかった。すぐに行うと伝えてくれ」
「かしこまりました」
そう言って部下は去っていった。
ヘルメスは溜息をついた。
(ずいぶん急だな…何か面倒事でなければいいが……)
そう思いながらも、彼は行動を開始した。
第70話に続く・・・
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