上 下
161 / 295
第十九章 トリックスター編

第54話‐3 ロキVSヘルメス

しおりを挟む
「何だ?」
「地球のアイドル文化は私も調べてみました。そしてアイドルというのはコンセプトが重視されると知りました。あの4人は天界でも稀な美貌を持つ美少年達で、そのコンセプトを真似することは私でも難しい。つまり、同じアイドル事業だとしても競合にならないように差別化を図るべきなのです」
「ふん、それで?」

「競合でなく、『共存』しませんか?共に盛り上げていけばお互い利益を得られるはず」
「それは……」
「もちろん、こちらも力をお貸しできることは協力するつもりです。貴方が発案したアイドル文化を広めていきたいと思っていますので。貴方の手腕には期待しているんですよ」

ヘルメスの提案を聞き、ロキは考量した。


(こいつの言い分は筋が通っている。一緒に盛り立てていこうと言う姿勢は好印象だ。それにこいつの言う通り、こちらにもメリットは大きいな……)


「どうでしょうか?悪くない提案だと思うんですが……」
ヘルメスはニコニコと笑顔で返事を待っている。


「さすがは商売の神だ。君の提案、ぜひ受けたいが…君に乗せられるだけなのも癪なのが正直な所だ。どうせなら一度勝負をしないか?アイドル事業における競争だ」
「ほう、面白いですね」

「ああ、そうだな。このアイドル事業でどちらがより多くのファンを獲得するか競う。そして勝った方が負けた方に何でも命令できる権利を得る。どうだい?君にとっても悪い話じゃないだろう」



「ふむ。そうですね。面白い、受けて立ちましょう。そうだ、良い案があるんですよ♪」


ヘルメスはニヤリと笑い、ロキに耳打ちをした。そのアイディアを聞いたロキは、驚きの表情を浮かべた。


「なっ!?だがそれは・・・」
「貴方にもメリットはあると思いますよ。地球のアイドル達もよくしていることですし、良い実験にもなるのではないでしょうか?」

ヘルメスが提案した驚きの競争とはーーー!?


こうして、アポロンとエロスの勝負に留まらず、ヘルメスとロキの勝負までも始まったのだったーーー 


第55話に続く・・・
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

誠実な転機: 過ちから学び、合法な成功への道

O.K
エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

ド平凡少年は異世界テンプレを知らない

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:58

彼岸の庭であなたを想う

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

アメシロテウス英雄譚がための英雄詩編

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...