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第十九章 トリックスター編
第53話‐1 盗みの神ヘルメス
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第53話「盗みの神ヘルメス」
ヒュアキントスとアドニスの処刑撤回を賭けたエロスとアポロンの勝負が始まろうとしていた。
そしてそれは、美少年達自身が勝利を収めなくてはならないのだ。
彼らの運命を賭けた戦いが始まるーーー
***
そんなことを何も知らない美少年達3人は、寮のリビングに集まっていた。
無論、ガニュメデスの脱退の件について話し合うためだ。
「ガニュメデス…寮も出てっちゃったんだね」
「そうだな」
ヒュアキントスの言葉にアドニスが相槌を打つ。
「お前はどう思うんだ?」
ナルキッソスがアドニスに向かって言う。
「俺は、あいつの意思を尊重したいと思ってる。だが…やっぱりおかしくないか?」
「おかしいって?」
ヒュアキントスが首を傾げる。
「何でこんな時に急に脱退するんだ?アルバム発売前に辞めるだなんて。ずいぶん急な話だろ」
「任務が終わったからじゃないか?」
ナルキッソスはそう答えたが、アドニスは続けて発言した。
「それに、あいつが運営者の1人だったってバラす必要あるのか?俺たちは気付いてなかったんだから、そのまま黙ってても良かったはずだ」
「それもそうだね……」
ヒュアキントスは困惑していた。
「わざわざ自分を不利にするみたいに、暴露しやがって…。まるで悪者になろうとしてるみたいだ
「……確かに」
ナルキッソスが同意する。
「俺は違和感がある。脱退するのはあいつの本心じゃなく事情があるんじゃねぇかって。俺はもう一度あいつとちゃんと話したい。このまま終わらせたくない!」
「僕もだよ」
「僕もだ」
3人はもう一度ガニュメデスと話し、事情があるなら引き止めようと決意を固めたのであった。
美少年達が団結を固めている頃、狡知の神ロキはエロスにある報告をしていた。
ロキはいつもの飄々とした様子がなく、どこか憤慨したような表情をしている。
「全く。アポロンの奴、この僕に宣戦布告するとはね。それよりどうしたの?ロキ。そんな面白い顔をして」
「エロス。報告がある。ヘルメスのことだ」
ヒュアキントスとアドニスの処刑撤回を賭けたエロスとアポロンの勝負が始まろうとしていた。
そしてそれは、美少年達自身が勝利を収めなくてはならないのだ。
彼らの運命を賭けた戦いが始まるーーー
***
そんなことを何も知らない美少年達3人は、寮のリビングに集まっていた。
無論、ガニュメデスの脱退の件について話し合うためだ。
「ガニュメデス…寮も出てっちゃったんだね」
「そうだな」
ヒュアキントスの言葉にアドニスが相槌を打つ。
「お前はどう思うんだ?」
ナルキッソスがアドニスに向かって言う。
「俺は、あいつの意思を尊重したいと思ってる。だが…やっぱりおかしくないか?」
「おかしいって?」
ヒュアキントスが首を傾げる。
「何でこんな時に急に脱退するんだ?アルバム発売前に辞めるだなんて。ずいぶん急な話だろ」
「任務が終わったからじゃないか?」
ナルキッソスはそう答えたが、アドニスは続けて発言した。
「それに、あいつが運営者の1人だったってバラす必要あるのか?俺たちは気付いてなかったんだから、そのまま黙ってても良かったはずだ」
「それもそうだね……」
ヒュアキントスは困惑していた。
「わざわざ自分を不利にするみたいに、暴露しやがって…。まるで悪者になろうとしてるみたいだ
「……確かに」
ナルキッソスが同意する。
「俺は違和感がある。脱退するのはあいつの本心じゃなく事情があるんじゃねぇかって。俺はもう一度あいつとちゃんと話したい。このまま終わらせたくない!」
「僕もだよ」
「僕もだ」
3人はもう一度ガニュメデスと話し、事情があるなら引き止めようと決意を固めたのであった。
美少年達が団結を固めている頃、狡知の神ロキはエロスにある報告をしていた。
ロキはいつもの飄々とした様子がなく、どこか憤慨したような表情をしている。
「全く。アポロンの奴、この僕に宣戦布告するとはね。それよりどうしたの?ロキ。そんな面白い顔をして」
「エロス。報告がある。ヘルメスのことだ」
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