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第十七章 グループの分裂編
第48話‐2 ガニュメデスの衝撃の告白
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その夜、美少年達は寮のリビングに集まっていた。
ガニュメデスから話があるとのことだったからだ。
「アルバムも完成したし、あとは発売日の発表を待つだけだね♪」
「そうだな!でも宣伝もしないとな!」
3人はアルバム完成を喜び合っていた。
「ところで、今日は何の話なんだ?」
ナルキッソスが尋ねた。
「実は...」
と、ガニュメデスは言い淀んでしまった。
「? どうしたんだ、ガニュ」
いつも冷静な彼がこんな風になるのは珍しいのでアドニスが心配そうに聞いた。
「驚くかもしれないけど、聞いてほしい。僕は……実は運営側だったんだ」
「!?」
突然の告白に皆驚いて言葉が出なかった。
「おい、何言ってんだよ。冗談きついって」
アドニスは少しおどけてみせたが、内心では不安でいっぱいになっていた。 他の2人も動揺していた。
「本当の話だ。僕はメンバーとして参加しながら、運営者でもあったんだ。そして……君達を運営側として見てもいた」
3人は茫然として言葉も出なかった。
自分達の仲間だと信じて疑わなかった彼が、実は運営側だったとは想像もしていなかったのである。
「嘘、でしょ...?」
「お前、僕達を騙してたのか?仲間のフリをして、陰で嘲笑っていたのか?」
ナルキッソスは怒りを抑えられず声を荒げた。 ガニュメデスは俯いて黙り込んでしまう。
「何とか言えよ!!」
ナルキッソスは苛立ちを募らせていた。
「...すまない。エロス様に命令され、やらされていたんだ。だけど君が言う通り、騙していたと思われても仕方ないと思う。僕は…このグループを脱退することにするよ」
「「「!!!」」」
ガニュメデスの言葉に3人は絶句した。
「君達の仲間でいる資格はないから。といっても、アルバム発売まではやめるわけにはいかないけどね...。それじゃあ...」
と言い残し、その場を去った。
残された3人は何も言葉を発せずにしばらくの間佇んでいた。
「え……ガニュメデス、やめちゃうの?」
「僕達が何も知らないと思って、裏でコソコソやってたんだろう。最低だな」
ナルキッソスもさすがに堪えていたようでそう批判した。
アドニスだけは、珍しくずっと無言のままだった。
「そんな…ガニュメデスがいなくなったら僕達どうなるの?だって彼がずっと中心だったのに…」
「…………」
ナルキッソスは、今日ヘルメスから言われた言葉を思い出していた。
『君達のグループは、ガニュメデスで成り立っているようなものだ。彼の人気は絶大だからね』
(あいつがいなければ、僕達は成立しないのか?)
ナルキッソスは焦燥感を覚えていた。
そして、ヘルメスから誘われたソロデビューの話も正直な所揺れていた。
(だがこいつらを裏切るわけには…だけど、あいつがいなくなったら僕たちはどうなるんだ?)
そしてヒュアキントスも大きく動揺していた。
(ガニュメデスは僕達の中心で一番人気だ。その中心がいなくなるなんて・・・支柱がなくなるようなものじゃないか)
メンバー達はガニュメデスという存在がどれだけ大きかったかを実感せざるを得ないのだった。
第49話に続く・・・
ガニュメデスから話があるとのことだったからだ。
「アルバムも完成したし、あとは発売日の発表を待つだけだね♪」
「そうだな!でも宣伝もしないとな!」
3人はアルバム完成を喜び合っていた。
「ところで、今日は何の話なんだ?」
ナルキッソスが尋ねた。
「実は...」
と、ガニュメデスは言い淀んでしまった。
「? どうしたんだ、ガニュ」
いつも冷静な彼がこんな風になるのは珍しいのでアドニスが心配そうに聞いた。
「驚くかもしれないけど、聞いてほしい。僕は……実は運営側だったんだ」
「!?」
突然の告白に皆驚いて言葉が出なかった。
「おい、何言ってんだよ。冗談きついって」
アドニスは少しおどけてみせたが、内心では不安でいっぱいになっていた。 他の2人も動揺していた。
「本当の話だ。僕はメンバーとして参加しながら、運営者でもあったんだ。そして……君達を運営側として見てもいた」
3人は茫然として言葉も出なかった。
自分達の仲間だと信じて疑わなかった彼が、実は運営側だったとは想像もしていなかったのである。
「嘘、でしょ...?」
「お前、僕達を騙してたのか?仲間のフリをして、陰で嘲笑っていたのか?」
ナルキッソスは怒りを抑えられず声を荒げた。 ガニュメデスは俯いて黙り込んでしまう。
「何とか言えよ!!」
ナルキッソスは苛立ちを募らせていた。
「...すまない。エロス様に命令され、やらされていたんだ。だけど君が言う通り、騙していたと思われても仕方ないと思う。僕は…このグループを脱退することにするよ」
「「「!!!」」」
ガニュメデスの言葉に3人は絶句した。
「君達の仲間でいる資格はないから。といっても、アルバム発売まではやめるわけにはいかないけどね...。それじゃあ...」
と言い残し、その場を去った。
残された3人は何も言葉を発せずにしばらくの間佇んでいた。
「え……ガニュメデス、やめちゃうの?」
「僕達が何も知らないと思って、裏でコソコソやってたんだろう。最低だな」
ナルキッソスもさすがに堪えていたようでそう批判した。
アドニスだけは、珍しくずっと無言のままだった。
「そんな…ガニュメデスがいなくなったら僕達どうなるの?だって彼がずっと中心だったのに…」
「…………」
ナルキッソスは、今日ヘルメスから言われた言葉を思い出していた。
『君達のグループは、ガニュメデスで成り立っているようなものだ。彼の人気は絶大だからね』
(あいつがいなければ、僕達は成立しないのか?)
ナルキッソスは焦燥感を覚えていた。
そして、ヘルメスから誘われたソロデビューの話も正直な所揺れていた。
(だがこいつらを裏切るわけには…だけど、あいつがいなくなったら僕たちはどうなるんだ?)
そしてヒュアキントスも大きく動揺していた。
(ガニュメデスは僕達の中心で一番人気だ。その中心がいなくなるなんて・・・支柱がなくなるようなものじゃないか)
メンバー達はガニュメデスという存在がどれだけ大きかったかを実感せざるを得ないのだった。
第49話に続く・・・
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