天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第二章 デビュー前

第4話‐2 音楽の神アポロンと伝令の神ヘルメス

ーーー音楽の神アポロンは、地球でいうところのギリシャ神話に登場する神でもあり、シリウスにおいても神格最高位の主神の１人だ。

主神である彼は天界の音楽界のトップでもあり、そして音楽に対して非常にジャッジが厳しかった。

彼は一流の音楽しか認めず、そして地球の音楽を娯楽として楽しむ風潮が天界に広がりつつあることを嫌悪していた。


「とにかく、ステージを100回こなさないとデビューできないんだから、何とか見つけてやるしかないよ」
ヒュアキントスはそう皆を鼓舞した。

***


「みんなーーーーー！！！僕たちのステージを見てくれてありがとーーー！！」

後日。公園で、数人の子供たちの前でステージを披露する4人の姿があった。


(しょぼすぎるライブだな……)
アドニスはテレパシーでそうヒュアキントスに送った。

(子供でもお客さんはお客さんだろ、見てくれるお客さんが1人でもいるなら全力でパフォーマンスするしかない！)
(相変わらずお前は体育会系のノリだな……)



そして曲が流れ始める。
♪～～～～～～～～！！！

4人ともまだ未熟ではあるが、必死に練習してきただけあってそれなりに形にはなっていた。

(とにかく、地道にやっていくしかない…！)


レッスンも続けながら合間を縫ってライブ演習も行う。そんな日々を彼らは過ごしていった。
回数をこなしていく内に次第に観客も増えていき、評判を呼ぶようにもなっていった。
子供だけでなく大人の観客も増えていき、リピーターもだんだんと増えていった。


『どんな場所でも全力でパフォーマンスする』

ライブを重ねる内に、それをグループの信条とすることを４人は共有するようになっていった。


本格的なステージで行える場所はなく公園や広場しか場所はなかったが、それでも彼らは手を抜かず、今日も全力でライブをしていた。