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第二章
第34話 メイちゃんとの食事
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時刻は午後3時で残り3時間くらいで日は沈んでしまう。
山を見つけ山頂付近までのぼっていくと山頂にはまだ雪が溶けず残っており、ここにアイリスの花が咲いてるようには思えなかった私達は、そこより少し下った雪が溶けきった場所でアイリスの花を探すことにした。
「ここで3人で手分けして探しましょ」
「分かった。アサこの場所から離れ過ぎるなよ」
「分かったわ」
3人で分かれてアイリスの花を探すが山が急斜面なこともあり、歩くだけでも精一杯な上、雪がなくても山頂に近いだけあって、ものの数分で指先の感覚がなくなっていき、アイリス探しどころではなくなっていた。
「カイト私もう限界だわ」
かじかんだ手を頬にあて温めながら私はカイトに言った。
「そうだな今日は一旦グレースに戻ろう」
「リップおいで」
リップの呼び出し背中に乗ると私達に一度グレースの村に戻ることにした。
手袋、靴、服装から何から何までアイリスを探し出すには私達は準備不足だった。リップがいなければ遭難してても不思議じゃなかった。
日が沈み掛かった頃私達はグレースの村に戻ってくる事ができた。
セドリック村長が村の入口で私達の帰りを出迎えてくれた。
「君たちどうだったかね?アイリスは見つかったか?」
村長はもしかしたらと期待を胸に私達に喋りかけたが、私達の沈んだ顔をみてすぐに状況を理解した。
「いえ、アイリスはまだ見つかってません。ですが今回は準備不足でした。準備を整えた上で明日もう一度探して見ようと思います」
「そうでしたか、まぁ焦っても仕方ありませんな。そういえば君たちは今日は泊まる所はあるんですか?」
「まだ何も決まってませんが」
「でしたら私のうちに泊まって行って下さい」
「それは」
私は流石にそれは悪いと思って断ろうとしたが村長はすぐに「いいんです。あなた方は村の命運が掛かっているアイリスを探して下さっているのですから、私にそれくらいの事はさせて下さい」と言ってくださった。
私もそこまで言ってもらって断るのも失礼だと思い村長の申し入れを受けることにした。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えたさせて頂きます」
私達は村長の跡についていき、村長の自宅に招かれるとテーブルには既に夕食の準備が済まされており、みんなで食卓を囲み食事を頂いた。
「ご飯美味しいでしょ。メイのママが作ったんだよ」
メイちゃんは料理で口元を汚しながら言った。
「メイちゃんがこんな美味しい料理を毎日食べられてるなんて、羨ましいわ」
その言葉にメイちゃんがニイっと笑うと口の周りはケチャップで口紅のように赤く染まっており、私とカイトが思わず笑いだしてしまった。
「メイお客さんの前でだらしない姿を見せるんじゃないの」
お母さんがメイちゃんの口の周りを布巾で拭いてあげた。
「こんな美味しい食事まで頂いてしまって本当にありがとうございます」
私は改めてメイちゃんのお母さんに頭を下げた。
「いえいえ喜んでもらって何よりです」
メイちゃんとの楽しい食事を済ませると村長に寝室を案内された。
寝室には空き部屋が1つとメイちゃんの部屋にベッドが1つ入るスペースがあった。
メイちゃんはリップと一緒になりたがったが、メイちゃんに何かあったらいけないので私がメイちゃんと同じ部屋になることになり、空き部屋にはカイトとリップが一緒になることになった。
山を見つけ山頂付近までのぼっていくと山頂にはまだ雪が溶けず残っており、ここにアイリスの花が咲いてるようには思えなかった私達は、そこより少し下った雪が溶けきった場所でアイリスの花を探すことにした。
「ここで3人で手分けして探しましょ」
「分かった。アサこの場所から離れ過ぎるなよ」
「分かったわ」
3人で分かれてアイリスの花を探すが山が急斜面なこともあり、歩くだけでも精一杯な上、雪がなくても山頂に近いだけあって、ものの数分で指先の感覚がなくなっていき、アイリス探しどころではなくなっていた。
「カイト私もう限界だわ」
かじかんだ手を頬にあて温めながら私はカイトに言った。
「そうだな今日は一旦グレースに戻ろう」
「リップおいで」
リップの呼び出し背中に乗ると私達に一度グレースの村に戻ることにした。
手袋、靴、服装から何から何までアイリスを探し出すには私達は準備不足だった。リップがいなければ遭難してても不思議じゃなかった。
日が沈み掛かった頃私達はグレースの村に戻ってくる事ができた。
セドリック村長が村の入口で私達の帰りを出迎えてくれた。
「君たちどうだったかね?アイリスは見つかったか?」
村長はもしかしたらと期待を胸に私達に喋りかけたが、私達の沈んだ顔をみてすぐに状況を理解した。
「いえ、アイリスはまだ見つかってません。ですが今回は準備不足でした。準備を整えた上で明日もう一度探して見ようと思います」
「そうでしたか、まぁ焦っても仕方ありませんな。そういえば君たちは今日は泊まる所はあるんですか?」
「まだ何も決まってませんが」
「でしたら私のうちに泊まって行って下さい」
「それは」
私は流石にそれは悪いと思って断ろうとしたが村長はすぐに「いいんです。あなた方は村の命運が掛かっているアイリスを探して下さっているのですから、私にそれくらいの事はさせて下さい」と言ってくださった。
私もそこまで言ってもらって断るのも失礼だと思い村長の申し入れを受けることにした。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えたさせて頂きます」
私達は村長の跡についていき、村長の自宅に招かれるとテーブルには既に夕食の準備が済まされており、みんなで食卓を囲み食事を頂いた。
「ご飯美味しいでしょ。メイのママが作ったんだよ」
メイちゃんは料理で口元を汚しながら言った。
「メイちゃんがこんな美味しい料理を毎日食べられてるなんて、羨ましいわ」
その言葉にメイちゃんがニイっと笑うと口の周りはケチャップで口紅のように赤く染まっており、私とカイトが思わず笑いだしてしまった。
「メイお客さんの前でだらしない姿を見せるんじゃないの」
お母さんがメイちゃんの口の周りを布巾で拭いてあげた。
「こんな美味しい食事まで頂いてしまって本当にありがとうございます」
私は改めてメイちゃんのお母さんに頭を下げた。
「いえいえ喜んでもらって何よりです」
メイちゃんとの楽しい食事を済ませると村長に寝室を案内された。
寝室には空き部屋が1つとメイちゃんの部屋にベッドが1つ入るスペースがあった。
メイちゃんはリップと一緒になりたがったが、メイちゃんに何かあったらいけないので私がメイちゃんと同じ部屋になることになり、空き部屋にはカイトとリップが一緒になることになった。
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