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第二章
第21話 アーロイの決断
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黒竜アーロイの姿が見えてきて私はジョセ、リップに告げた。
「ジョセ、リップ私行ってくるわ」
「絶対に生きて帰ってこいよ、もう会えないなんてあたし絶対許さないからな」
ジョセが目から涙をこぼし私に言った。
「私はアーロイと戦うために行くんじゃないの、彼と話し合うだけ。だからジョセ心配しないで」
「うん分かった」
ジョセが、涙を腕で拭いながら言った。
「じゃー行ってくる。リップ、ジョセの事をお願いね」
「ククルワー」
私はリップに笑顔で返すとリップの背中から飛び降り、空中で赤い竜に変化すると大きな翼を羽ばたかせ、アーロイの元に向かった。
アーロイは既にダムに到着しており、せき止められた岩盤に片腕を掛けていたが、赤い竜の存在に気付き私の到着を待った。
「アーロイ、やめなさい」
「貴様また竜の力を使って抜け出してきたというのか?」
「違うわ、サリサの人は私の言葉を信じてくれたの」
「なんだと」
アーロイは私の言葉を信じてはいないようだった。
「あなたもこれ以上はやめて、マカとの修復が不可能になる。あなただって敵対したいわけじゃないんでしょ」
それでも私はアーロイの良心を信じて彼を説得し続けた。
「お前の言うことが本当だというのか、それを私にどう信じろというのだ?」
「嘘だったら単身でサリサに行くような危険な真似しないわよ。ダムを破壊すればサリサが失われてしまう」
「………」
アーロイは判断に迷いが生じたように腕を震わせた。
「お願い私を信じて」
「私はーー」
アーロイが私に答えを言えようとしたその時だった「放て!!」の声と共に近くに潜んでいたマカの兵隊が矢無数に私達に放ってきた。
矢の先には刃はついておらず、代わりに爆竹が備われており、着弾するたびに火花を散らした。
「おのれマカめ、やはり貴様とは相容れぬ存在ということか」
アーロイの怒りが頂点に達し、弓兵達はアーロイの吐く炎のブレスによって、一瞬にして焼かれてしまった。
そして片手をかけていたせき止められていた岩盤をもアーロイは躊躇することなく手に掛けた。
「駄目」
私が動き出した頃には時すでに遅し、水が溢れるように水路に上がれ混んでいった。
上空で水が水路を満たせれるのを見て満足そうに笑い声を上げるアーロイ。
「はははは、これでお前が正しかったか、私が正しかったかが分かる。しかしマカが私を止めにきた時点で答えは分かりきってること」
しかし水路は途中で壁を壊し、洪水となって辺りを呑み込んでいった。
「カイトなんとか間に合って」
「………」
アーロイが水路の外に水が溢れて呆然としてる隙をみて、私は後方からアーロイの体を抑えつけた。
「貴様なんのつもりだ。私はサリサの民を守らなければ」
「ジョセ、笛を吹いて」
私が大声で叫び、ジョセは私の合図を効きつけ頬を膨らませ笛をめいいっぱい吹いた。
するとどこからともなく風のスピードで現れたアザエルが、私達の上空から語りかけた。
「お前達の竜の力を封じる」
アザエルさんがそう言った次の瞬間、アザエルさんは奇声ともとれる不快な音をだし、その音波には赤い稲妻が交じっており、私達の体を捉えると途端に身体の制御が取れなくなり、私達はフラフラと空を滑空して地上に降りていった。
私は彼を逃さないため、アーロイの跡を追うと、アーロイは濁流のごとく流れる水路の上に大きな岩が崩れ、丘になってる陸地をみつけそこに降り立った。
アーロイは下りてすぐに体に限界をきたし人の身体に戻ってゆく。
私は陸に上がる前に竜の姿が維持できなくなり、空に投げ出さられてしまうと間一髪の所でジョセが私の腕を掴みリップとジョゼに命を救われた。
そしてアーロイが待つ丘に下り立ち、私達はアーロイとの最後の決着へと臨むのであった。
「ジョセ、リップ私行ってくるわ」
「絶対に生きて帰ってこいよ、もう会えないなんてあたし絶対許さないからな」
ジョセが目から涙をこぼし私に言った。
「私はアーロイと戦うために行くんじゃないの、彼と話し合うだけ。だからジョセ心配しないで」
「うん分かった」
ジョセが、涙を腕で拭いながら言った。
「じゃー行ってくる。リップ、ジョセの事をお願いね」
「ククルワー」
私はリップに笑顔で返すとリップの背中から飛び降り、空中で赤い竜に変化すると大きな翼を羽ばたかせ、アーロイの元に向かった。
アーロイは既にダムに到着しており、せき止められた岩盤に片腕を掛けていたが、赤い竜の存在に気付き私の到着を待った。
「アーロイ、やめなさい」
「貴様また竜の力を使って抜け出してきたというのか?」
「違うわ、サリサの人は私の言葉を信じてくれたの」
「なんだと」
アーロイは私の言葉を信じてはいないようだった。
「あなたもこれ以上はやめて、マカとの修復が不可能になる。あなただって敵対したいわけじゃないんでしょ」
それでも私はアーロイの良心を信じて彼を説得し続けた。
「お前の言うことが本当だというのか、それを私にどう信じろというのだ?」
「嘘だったら単身でサリサに行くような危険な真似しないわよ。ダムを破壊すればサリサが失われてしまう」
「………」
アーロイは判断に迷いが生じたように腕を震わせた。
「お願い私を信じて」
「私はーー」
アーロイが私に答えを言えようとしたその時だった「放て!!」の声と共に近くに潜んでいたマカの兵隊が矢無数に私達に放ってきた。
矢の先には刃はついておらず、代わりに爆竹が備われており、着弾するたびに火花を散らした。
「おのれマカめ、やはり貴様とは相容れぬ存在ということか」
アーロイの怒りが頂点に達し、弓兵達はアーロイの吐く炎のブレスによって、一瞬にして焼かれてしまった。
そして片手をかけていたせき止められていた岩盤をもアーロイは躊躇することなく手に掛けた。
「駄目」
私が動き出した頃には時すでに遅し、水が溢れるように水路に上がれ混んでいった。
上空で水が水路を満たせれるのを見て満足そうに笑い声を上げるアーロイ。
「はははは、これでお前が正しかったか、私が正しかったかが分かる。しかしマカが私を止めにきた時点で答えは分かりきってること」
しかし水路は途中で壁を壊し、洪水となって辺りを呑み込んでいった。
「カイトなんとか間に合って」
「………」
アーロイが水路の外に水が溢れて呆然としてる隙をみて、私は後方からアーロイの体を抑えつけた。
「貴様なんのつもりだ。私はサリサの民を守らなければ」
「ジョセ、笛を吹いて」
私が大声で叫び、ジョセは私の合図を効きつけ頬を膨らませ笛をめいいっぱい吹いた。
するとどこからともなく風のスピードで現れたアザエルが、私達の上空から語りかけた。
「お前達の竜の力を封じる」
アザエルさんがそう言った次の瞬間、アザエルさんは奇声ともとれる不快な音をだし、その音波には赤い稲妻が交じっており、私達の体を捉えると途端に身体の制御が取れなくなり、私達はフラフラと空を滑空して地上に降りていった。
私は彼を逃さないため、アーロイの跡を追うと、アーロイは濁流のごとく流れる水路の上に大きな岩が崩れ、丘になってる陸地をみつけそこに降り立った。
アーロイは下りてすぐに体に限界をきたし人の身体に戻ってゆく。
私は陸に上がる前に竜の姿が維持できなくなり、空に投げ出さられてしまうと間一髪の所でジョセが私の腕を掴みリップとジョゼに命を救われた。
そしてアーロイが待つ丘に下り立ち、私達はアーロイとの最後の決着へと臨むのであった。
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