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大男の正体2
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僕ははしたないヤツだと思う。
ケリーは眉をへにゃりと下げて、はぅと溜め息を吐く。悩みに揺れる瞳の先には、薪割りをする主のレオンの姿があった。平均よりもうんと大きな体の持ち主である彼は、特注サイズの大きな斧を振り上げて手際よく薪を割っている。ケリーは自分の華奢な体つきとは違う逞しいレオンを見つめながら、自分の中にある熱くてドロドロした感情に唇を噛んだ。
「レオン……僕はあなたと……」
一度体を繋げて以来、レオンは全くケリーの体に触れてこようとはしなかった。一緒に寝ようと迫っても今日はダメだと断られ、一緒に料理をしている時に互いの手が触れようものなら、サッと手を引っ込められてしまう。
手が触れ合うのもダメなんて……僕は嫌われてしまったのだろうか。
長い睫毛に縁取られた瞳が涙で揺れる。
すると、ギィと木製のドアが軋む音がして仕事を終えたレオンが戻ってきた。
「ケリー、終わったから買い物に行こう……か……なッ!なぜ泣いているんだ?!どこか痛むのか?!」
大きな体を屈めてケリーを心配するレオン。
「いえ……どこも痛くありません……ただ、」
「ただ……?」
言葉の先を促す。
言わないつもりだったのに……と、ケリーは涙と一緒に溜め込んでいた気持ちもポロポロと零し始めた。
「レオンは……僕のことが嫌いなのかと思ったら悲しくて……」
「嫌い!?俺は一度も嫌いなんて……」
「それならっ!どうして僕に触ってくれないんですか……?」
「う……それは、」
「それは?」
今度はケリーが言葉の先を促す番だった。言いづらそうにしている屈強な男を涙で濡れた顔で見つめる。
「すまない、俺は悪い男なんだ……ケリー……俺は君を抱きたいと思っている」
拳を握って悩ましげに眉根を寄せる。その姿は苦しそうで思わずケリーはレオンに抱き着いた。
「ケリー!?今の話を聞いてたか!?俺は君をそういう目で見ているんだぞ?!」
「嬉しいです」
「う、嬉しい……?」
「はい、だって僕もレオンとしたいと思ってたから……」
「ッ本当なのか……?」
ケリーはコクンと頷くと色白の肌をほんのりピンクに染めてレオンを見上げた。
「ずっと触れてくれないので嫌われてしまったかと思いました」
「すまない……君を傷付けたく無かったんだ。その……俺は大きいから」
彼が何について言っているのかが分かり、ケリーは更に顔を赤くさせる。
確かに初めて体を繋げた時は彼のモノが大きすぎてどうにかなってしまうかと思った。だけど時間をかけて解せば快楽はすぐにやって来て忘れられない一夜になった。
「大丈夫です、ちゃんと気持ちよかったから……はしたなくてごめんなさい」
「はしたなくなんかない、君は何も悪くないんだ」
レオンはケリーを抱きしめ返すと身を屈めた。見つめ合う二人の間に甘い空気が流れる。
「……キスをしてもいいだろうか」
その問いにケリーが頷くと、二人はどちらからともなく唇を合わせた。
ケリーは眉をへにゃりと下げて、はぅと溜め息を吐く。悩みに揺れる瞳の先には、薪割りをする主のレオンの姿があった。平均よりもうんと大きな体の持ち主である彼は、特注サイズの大きな斧を振り上げて手際よく薪を割っている。ケリーは自分の華奢な体つきとは違う逞しいレオンを見つめながら、自分の中にある熱くてドロドロした感情に唇を噛んだ。
「レオン……僕はあなたと……」
一度体を繋げて以来、レオンは全くケリーの体に触れてこようとはしなかった。一緒に寝ようと迫っても今日はダメだと断られ、一緒に料理をしている時に互いの手が触れようものなら、サッと手を引っ込められてしまう。
手が触れ合うのもダメなんて……僕は嫌われてしまったのだろうか。
長い睫毛に縁取られた瞳が涙で揺れる。
すると、ギィと木製のドアが軋む音がして仕事を終えたレオンが戻ってきた。
「ケリー、終わったから買い物に行こう……か……なッ!なぜ泣いているんだ?!どこか痛むのか?!」
大きな体を屈めてケリーを心配するレオン。
「いえ……どこも痛くありません……ただ、」
「ただ……?」
言葉の先を促す。
言わないつもりだったのに……と、ケリーは涙と一緒に溜め込んでいた気持ちもポロポロと零し始めた。
「レオンは……僕のことが嫌いなのかと思ったら悲しくて……」
「嫌い!?俺は一度も嫌いなんて……」
「それならっ!どうして僕に触ってくれないんですか……?」
「う……それは、」
「それは?」
今度はケリーが言葉の先を促す番だった。言いづらそうにしている屈強な男を涙で濡れた顔で見つめる。
「すまない、俺は悪い男なんだ……ケリー……俺は君を抱きたいと思っている」
拳を握って悩ましげに眉根を寄せる。その姿は苦しそうで思わずケリーはレオンに抱き着いた。
「ケリー!?今の話を聞いてたか!?俺は君をそういう目で見ているんだぞ?!」
「嬉しいです」
「う、嬉しい……?」
「はい、だって僕もレオンとしたいと思ってたから……」
「ッ本当なのか……?」
ケリーはコクンと頷くと色白の肌をほんのりピンクに染めてレオンを見上げた。
「ずっと触れてくれないので嫌われてしまったかと思いました」
「すまない……君を傷付けたく無かったんだ。その……俺は大きいから」
彼が何について言っているのかが分かり、ケリーは更に顔を赤くさせる。
確かに初めて体を繋げた時は彼のモノが大きすぎてどうにかなってしまうかと思った。だけど時間をかけて解せば快楽はすぐにやって来て忘れられない一夜になった。
「大丈夫です、ちゃんと気持ちよかったから……はしたなくてごめんなさい」
「はしたなくなんかない、君は何も悪くないんだ」
レオンはケリーを抱きしめ返すと身を屈めた。見つめ合う二人の間に甘い空気が流れる。
「……キスをしてもいいだろうか」
その問いにケリーが頷くと、二人はどちらからともなく唇を合わせた。
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