王道学園でヤリチンだと勘違いされています。

あたか

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第2章

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 暑い夏が終わり肌寒い秋がやってきた。
 ようやっと気持ちいい昼寝ができるなぁ。舜が窓からぼんやりと中庭を眺めていると、下にいる生徒たちが「本条くーん!」と手を振ってくる。それにへらりと笑って応えると「キャー!!」と男子らしからぬ声が返ってきた。眠たい頭でみんな元気だなぁなんて思っていると「また舜くんが愛想振りまいてるー」と相良が言った。

「別に振りまいてるわけじゃないよ」
「振りまいてるよ」

 舜と同じように窓から下を見下ろす相良。
 風紀委員という役職と、美形という事もあって当然相良も学園内で人気があった。しかし相良はきゃあきゃあ声をあげる生徒たちをチラと見るだけで、すぐに隣の舜に視線を戻した。

「舜ちゃん眠そうな顔してる」
「だって眠いもん、そういう相良だって眠そうだよ」
「俺は元からこういう顔なんだよ」
「二重幅広いもんね、イケメンで羨ましー」
「は?舜くんに言われたくねー」

 暫し訪れる沈黙。
 舜が欠伸をすると、つられるように相良も口を開ける。
 二人の目がとろんと落ちて、まるで保育園のお昼寝タイムのようなまったりした時間が流れる。オルゴールでも流せば今にも寝てしまいそうだと思ったとき、昼休み終了の鐘が鳴った。

「あーもう終わりかぁ」

 言いながら舜が天を仰ぐ。

「次の授業寝ないように頑張ろー」

 二人は名残惜しそうに教室に戻って行った。



*

 その日は昼寝日和だった。
 中庭の小さな東屋で、すっかり眠ってしまっていた舜は「変態だー!!」というその声で飛び起きた。

「!?」
「うわっ!起きた!こっち来るなよ変態ヤロー!」

 瓶底眼鏡をかけた生徒が後退る。

「なんで俺が変態……って、な!なんでこんな服が乱れて……!?」

 シャツのボタンはどこへやら、あちこちに散らばるボタンに丸出しの腹筋。ズボンのベルトまで外れていて、これじゃあ変態と言われても仕方がないという格好をしていた。
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