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13.南くんはどうしても付き合いたい
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「み、南くん、だから何度も言うけど僕は生徒とは付き合えないんだよ」
この場をなんとか穏便に済ませたくて優しくそう言うも、生徒会副会長の南には通用しない。
「じゃあ卒業したらいいわけ?」
「卒業したら……?そ、そうだね、そうなるのかな……?」
「曖昧だな、ハッキリしろよ」
「ご、ごめんなさい!」
空き教室のロッカーの前で南に追い詰められた英は、バンッ!とロッカーに手を着かれて行く手を阻まれた。
「……」
「そんな睨まないでよ……僕もう行かないと……ほら、仕事途中だし、怒られちゃう」
さっきまで花壇を弄っていた英の両手は土だらけ。両手が南に当たって汚れないように、体の横にぴったりとくっつけている。
南はその様子を見て眉間に皺を寄せると「はぁ、もう」と悶えた。
「あんたのそういうとこが好きなんだよッ!」
「ええっ!?」
顔を真っ赤にした南が英の肩をガシッと掴む。
「付き合えないならキスだけさせてよ」
「な!なんでそうなるの!」
「キスくらいいいだろ?もしかしてしたことないの?」
南は馬鹿にしたように笑う。
「あ、あるよ!キスくらい!」
「じゃあ別に問題ないじゃん、減るもんじゃないし」
「ええっで、でも……っ僕達そういう関係じゃないし!そもそもここ学校だし……そういうことする場所じゃ、」
「一回だけでいいから、すぐ済むし……それともそんなに僕のこと嫌い?……まぁそうだよね、初対面であんなことしちゃったし……」
南の目に涙が浮かぶ。
「き!嫌いじゃないよ!だからそんな悲しい顔しないで……」
「ならいいでしょ」
「え!え?よくなっ、」
英は近付いてくる南の可愛らしい顔に、顔を真っ赤にする。先ほどの涙はいったい何だったのか。なんとかキスさせまいと首を反らしたり横を向いたりしていると、苛立った南に顎を掴まれた。そして、ちゅ、唇同士が触れ合う。
「ん……っ」
「んん……!み、なみく……っ!」
英が離れようとすると南は舌を絡めて逃げられなくする。
「ん、はぁ……っ」
やっと離された時には英は呼吸を整えながら、とろんとした目で南を見ていた。
「なんだよそのエロい顔……我慢出来なくなるだろうが!」
そう南が声を荒げたところで、空き教室のドアが開いた。
「あ、ごめんなさい、取り込み中だった……?」
一人の生徒が気まずい顔をして立っていた。英はその救世主に「どうしたの?」と何事も無かったかのように尋ねる。
「教室の椅子が壊れちゃって使ってない所から椅子貰ってきてーって先生が……」
「そ、そうだったんだ!どうぞどうぞ!僕たちはもう行くから!ね?南くん」
「……うん、まあ」
キスしていたことがバレたのではないかと冷や冷やしていた英が「行こう!」と言うと、南は不服そうな顔で邪魔してきた生徒をジロリと睨み教室を出て行った。
この場をなんとか穏便に済ませたくて優しくそう言うも、生徒会副会長の南には通用しない。
「じゃあ卒業したらいいわけ?」
「卒業したら……?そ、そうだね、そうなるのかな……?」
「曖昧だな、ハッキリしろよ」
「ご、ごめんなさい!」
空き教室のロッカーの前で南に追い詰められた英は、バンッ!とロッカーに手を着かれて行く手を阻まれた。
「……」
「そんな睨まないでよ……僕もう行かないと……ほら、仕事途中だし、怒られちゃう」
さっきまで花壇を弄っていた英の両手は土だらけ。両手が南に当たって汚れないように、体の横にぴったりとくっつけている。
南はその様子を見て眉間に皺を寄せると「はぁ、もう」と悶えた。
「あんたのそういうとこが好きなんだよッ!」
「ええっ!?」
顔を真っ赤にした南が英の肩をガシッと掴む。
「付き合えないならキスだけさせてよ」
「な!なんでそうなるの!」
「キスくらいいいだろ?もしかしてしたことないの?」
南は馬鹿にしたように笑う。
「あ、あるよ!キスくらい!」
「じゃあ別に問題ないじゃん、減るもんじゃないし」
「ええっで、でも……っ僕達そういう関係じゃないし!そもそもここ学校だし……そういうことする場所じゃ、」
「一回だけでいいから、すぐ済むし……それともそんなに僕のこと嫌い?……まぁそうだよね、初対面であんなことしちゃったし……」
南の目に涙が浮かぶ。
「き!嫌いじゃないよ!だからそんな悲しい顔しないで……」
「ならいいでしょ」
「え!え?よくなっ、」
英は近付いてくる南の可愛らしい顔に、顔を真っ赤にする。先ほどの涙はいったい何だったのか。なんとかキスさせまいと首を反らしたり横を向いたりしていると、苛立った南に顎を掴まれた。そして、ちゅ、唇同士が触れ合う。
「ん……っ」
「んん……!み、なみく……っ!」
英が離れようとすると南は舌を絡めて逃げられなくする。
「ん、はぁ……っ」
やっと離された時には英は呼吸を整えながら、とろんとした目で南を見ていた。
「なんだよそのエロい顔……我慢出来なくなるだろうが!」
そう南が声を荒げたところで、空き教室のドアが開いた。
「あ、ごめんなさい、取り込み中だった……?」
一人の生徒が気まずい顔をして立っていた。英はその救世主に「どうしたの?」と何事も無かったかのように尋ねる。
「教室の椅子が壊れちゃって使ってない所から椅子貰ってきてーって先生が……」
「そ、そうだったんだ!どうぞどうぞ!僕たちはもう行くから!ね?南くん」
「……うん、まあ」
キスしていたことがバレたのではないかと冷や冷やしていた英が「行こう!」と言うと、南は不服そうな顔で邪魔してきた生徒をジロリと睨み教室を出て行った。
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