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嵐の夜を塗り替えて
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数年前に館の主人に拾われた青年ナオは嵐が来ると決まって物置に隠れてしまう。何やら昔のトラウマがあるのだとか。それは可哀想なことだが使用人として拾ったのだから、仕事をしてくれないんじゃ困る。
「まったく、ナオのやつはまたあの埃っぽい所にいるのか」
「まあまあご主人様、あの子も色々抱えているものがあるのですよ」
メイドの言うことに、それは分かってると少しむくれて答えると自分よりも年上の女メイドは、あらあらと笑って部屋を出ていった。
ピカッと外が光り、そのすぐあとに轟音がする。こりゃあ雷にトラウマがない人間でも怖いと感じてしまうだろう。
窓を打ち付ける大粒の雨に嫌気がさしていたところだ。行ってやるか。
「ナオ、いつまでそこにいる気だ?」
壊れた南京錠がそのままになっている扉に向かって声をかける。
入るぞと言って扉を開けると、奥に置かれた古い西洋の鎧の足元にナオが踞っていた。
顔をあげてこちらを見ると「ごめんなさい」と目を擦る。
「やれやれ……そんなに怖いのか?」
「はい……昔、雷が人に落ちたところを見てからどうも苦手で……」
「仕方のないやつだ」
手を差し伸べると不思議そうな顔をしながらナオが手に手をのせる。引き寄せると「わっ」と驚きながら俺の胸にもたれ掛かった。
「誰にでも苦手なものはある」
「はい……」
「頼ってくれ」
「え?」
「だからもっと俺を頼っていいんだ、俺はお前の主人なのだから」
そう言うとナオは大きな目を更に大きくして口をパクパク動かした。恥ずかしがっているのが目に見えてわかり、気分が良くなった俺はニヤリと笑った。
「今日は怖くないように一緒にベッドで寝てやろう」
「そ!それはいけません!ご主人様!」
「なぜだ?」
「僕なんかがご主人様と同じベッドで……はわわ!」
ナオは何を想像したのかひとりで慌てふためき顔を真っ赤にする。
これには驚いた。まさかとは思うがナオも自分と同じ気持ちなのではないかと期待してしまう。
「厭らしいやつだ」
「な!えっちなことなんてなにも考えてません!」
「ははは!」
可愛いやつめ。今夜が楽しみだなと耳元で囁けば、青年はもう何も言えなくなってしまったようだった。
*
「そんな端っこで何してる?寒いだろうが」
「わっ!」
ベッドの端っこで壁に貼り付くように寝ていたナオを、後ろから抱き寄せて腕の中に閉じ込める。
「ご主人様ッ!」
あまりにもジタバタするから本気で嫌がっているのかと思えば、そうではないらしい。恥ずかしそうに顔を歪めて「だめっ」「うそうそ……っこんなことっ」と慌てている。実に可愛らしい生き物である。
「雷はまだ怖いか?」
耳元で囁く。
ナオはぶるりと体を震わせて「も、もう……怖くない、です……」と泣きそうな声で言った。
「本当に?」
「ほんと……っ本当ですから、もうやめてくださいっ恥ずかしくてしんじゃいそうです……」
「しんでしまうのか、それは困るな」
言いながら、青年の項に唇を寄せる。
「ぁ、ぅ!ご主人様っ!」
「なんだ」
「本当なんですっ心臓がバクバクして……っ」
「大丈夫、俺だって緊張してるさ」
ほら、と胸元にナオの頭を引き寄せる。すると、ハッとしたナオが「僕と同じだ」と呟いて、暫くして体から力を抜いた。
「最後まではしない、ただ触るだけだ」
「っ……はい……」
「誰かと口付けの経験は?」
「あ、ありません……っ」
「ならば俺が初めての男になるのか」
瞳から唇に視線を落とす。
小ぶりで形の整った薄い唇は少しだけ震えている。そこへそっと唇を重ねた。
「ん、んん……」
鼻にかかった彼の声は俺の腰を重たくさせる。
抱き締めながら体に股間を当てると、ナオのペニスも形を持ち始めており、ちゃんと気持ちよく感じてくれていることに安堵した。
「んっぁっそこは……!」
「大丈夫、一緒に擦るだけだ」
「こ、こする……」
「一人でするときにするだろう?」
そう言うとナオはかぁッと顔を赤くさせた。
前をくつろげて勃起したペニスを取り出すと、ナオはそれに釘付けなる。
ナオのモノも取り出して竿同士をくっつけると、互いの先っぽから透明な液がとぷとぷと溢れた。
「ぁ……ぁう……ッ」
「こうやって同時に擦ると……」
カウパーを手に絡めつけ、上下に扱いていく。
「気持ちいいだろう?」
くちゅ、くちゅ。ちゅこ、ちゅこ。
「あっ!だめっ!ご主人様!イき、そ……ですっ」
「早いな、しかし俺も思った以上にキテるみたいだ……」
大きさの違うペニスを擦りながら、俺たちはどちらからともなく口付けをする。舌を絡め、互いの唾液が混ざり合う。
「ん、んふっぁ、あ、イくっ、ご主人様ぁ!」
ナオは体をぶるりと震わせると俺の手の中で射精をした。そのすぐ後に俺も欲望を吐き出せば、ベッドのなかはそれはもう酷い有様になった。
「気持ちよかったか?」
「……はいっとても……」
うっとりとするナオの表情にまたしてもペニスが熱くなる。しかし興奮しているのは自分だけではないようで、ナオもまた股間を反応させていた。
「ご主人様……っあの、」
「言わなくてもわかる、また出したいのだろう?」
「ッ……」
ナオが恥ずかしそうにこくんと頷く。
熱っぽい瞳で見つめ合い、互いを貪るような口付けが始まる。
俺たちの夜はまだまだ続きそうである。
「まったく、ナオのやつはまたあの埃っぽい所にいるのか」
「まあまあご主人様、あの子も色々抱えているものがあるのですよ」
メイドの言うことに、それは分かってると少しむくれて答えると自分よりも年上の女メイドは、あらあらと笑って部屋を出ていった。
ピカッと外が光り、そのすぐあとに轟音がする。こりゃあ雷にトラウマがない人間でも怖いと感じてしまうだろう。
窓を打ち付ける大粒の雨に嫌気がさしていたところだ。行ってやるか。
「ナオ、いつまでそこにいる気だ?」
壊れた南京錠がそのままになっている扉に向かって声をかける。
入るぞと言って扉を開けると、奥に置かれた古い西洋の鎧の足元にナオが踞っていた。
顔をあげてこちらを見ると「ごめんなさい」と目を擦る。
「やれやれ……そんなに怖いのか?」
「はい……昔、雷が人に落ちたところを見てからどうも苦手で……」
「仕方のないやつだ」
手を差し伸べると不思議そうな顔をしながらナオが手に手をのせる。引き寄せると「わっ」と驚きながら俺の胸にもたれ掛かった。
「誰にでも苦手なものはある」
「はい……」
「頼ってくれ」
「え?」
「だからもっと俺を頼っていいんだ、俺はお前の主人なのだから」
そう言うとナオは大きな目を更に大きくして口をパクパク動かした。恥ずかしがっているのが目に見えてわかり、気分が良くなった俺はニヤリと笑った。
「今日は怖くないように一緒にベッドで寝てやろう」
「そ!それはいけません!ご主人様!」
「なぜだ?」
「僕なんかがご主人様と同じベッドで……はわわ!」
ナオは何を想像したのかひとりで慌てふためき顔を真っ赤にする。
これには驚いた。まさかとは思うがナオも自分と同じ気持ちなのではないかと期待してしまう。
「厭らしいやつだ」
「な!えっちなことなんてなにも考えてません!」
「ははは!」
可愛いやつめ。今夜が楽しみだなと耳元で囁けば、青年はもう何も言えなくなってしまったようだった。
*
「そんな端っこで何してる?寒いだろうが」
「わっ!」
ベッドの端っこで壁に貼り付くように寝ていたナオを、後ろから抱き寄せて腕の中に閉じ込める。
「ご主人様ッ!」
あまりにもジタバタするから本気で嫌がっているのかと思えば、そうではないらしい。恥ずかしそうに顔を歪めて「だめっ」「うそうそ……っこんなことっ」と慌てている。実に可愛らしい生き物である。
「雷はまだ怖いか?」
耳元で囁く。
ナオはぶるりと体を震わせて「も、もう……怖くない、です……」と泣きそうな声で言った。
「本当に?」
「ほんと……っ本当ですから、もうやめてくださいっ恥ずかしくてしんじゃいそうです……」
「しんでしまうのか、それは困るな」
言いながら、青年の項に唇を寄せる。
「ぁ、ぅ!ご主人様っ!」
「なんだ」
「本当なんですっ心臓がバクバクして……っ」
「大丈夫、俺だって緊張してるさ」
ほら、と胸元にナオの頭を引き寄せる。すると、ハッとしたナオが「僕と同じだ」と呟いて、暫くして体から力を抜いた。
「最後まではしない、ただ触るだけだ」
「っ……はい……」
「誰かと口付けの経験は?」
「あ、ありません……っ」
「ならば俺が初めての男になるのか」
瞳から唇に視線を落とす。
小ぶりで形の整った薄い唇は少しだけ震えている。そこへそっと唇を重ねた。
「ん、んん……」
鼻にかかった彼の声は俺の腰を重たくさせる。
抱き締めながら体に股間を当てると、ナオのペニスも形を持ち始めており、ちゃんと気持ちよく感じてくれていることに安堵した。
「んっぁっそこは……!」
「大丈夫、一緒に擦るだけだ」
「こ、こする……」
「一人でするときにするだろう?」
そう言うとナオはかぁッと顔を赤くさせた。
前をくつろげて勃起したペニスを取り出すと、ナオはそれに釘付けなる。
ナオのモノも取り出して竿同士をくっつけると、互いの先っぽから透明な液がとぷとぷと溢れた。
「ぁ……ぁう……ッ」
「こうやって同時に擦ると……」
カウパーを手に絡めつけ、上下に扱いていく。
「気持ちいいだろう?」
くちゅ、くちゅ。ちゅこ、ちゅこ。
「あっ!だめっ!ご主人様!イき、そ……ですっ」
「早いな、しかし俺も思った以上にキテるみたいだ……」
大きさの違うペニスを擦りながら、俺たちはどちらからともなく口付けをする。舌を絡め、互いの唾液が混ざり合う。
「ん、んふっぁ、あ、イくっ、ご主人様ぁ!」
ナオは体をぶるりと震わせると俺の手の中で射精をした。そのすぐ後に俺も欲望を吐き出せば、ベッドのなかはそれはもう酷い有様になった。
「気持ちよかったか?」
「……はいっとても……」
うっとりとするナオの表情にまたしてもペニスが熱くなる。しかし興奮しているのは自分だけではないようで、ナオもまた股間を反応させていた。
「ご主人様……っあの、」
「言わなくてもわかる、また出したいのだろう?」
「ッ……」
ナオが恥ずかしそうにこくんと頷く。
熱っぽい瞳で見つめ合い、互いを貪るような口付けが始まる。
俺たちの夜はまだまだ続きそうである。
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