復讐と約束

アギト

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第5章 冥獣使いメルト編〜リスタート〜

第三十一話 冥獣使いメルト 爆誕!

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 オーツとアルキは、霊獣に好戦をしていた。
「この俺シーサーのゴクエンの炎と張り合えるなんてな!」
「うるさい、うるさいのは1体で十分じゃ。」
「それ、俺のことかよ。アルキのおっちゃん」
「お前以外おらんじゃろ。」
「長話は済んだか!」
とオーツとアルキに向かって炎を放った。
「八獄の型:焼煉燵」
「理抗の型:瘧終」
と息を合わせて攻撃を放った。そして、
「理抗の型:轉變肖」
「八獄の型:酷淨」
と追撃をした。ゴクエンは、
「獄炎乱舞」
とオーツとアルキの技を受け止めた。そして距離を取り、
「面白い奴らだ。特に人間!」
「そうかよ。俺も滾ってきた!」
「俺は無視かよ。」
と構えを取った。すると、途轍もない速さで近付いてる「何か」に3体は気が付いた。そして、ゴクエンの前に立ち、
「まずは、お前からだ。」
とメルトが言った。ゴクエンは、
「小僧が首突っ込むんじゃねぇよ!!すっこんでやがれ!」
と周りが消し炭とかす炎をメルトに向かって放った。メルトは、
「だったらカスは、眠ってな!ライオン風情が!!」
と飛び、一撃でゴクエンを戦闘不能にした。
「吹っ切れたようじゃな。メルト」
「あぁ!情けねぇ面を見せたな。」
「せっかくの強敵だったのによ。邪魔しやがって」
「まぁまぁ、取り敢えず助かった。」
「こっからは、『俺達に任せてくれ!』ここでお前等の仲間に入れるか?入れないか?お前たちの目で見ていてくれ!」
と言って、走って行った。

 ザギルは、レンカからシンエイを遠ざけた。
「なぜ、仲間から遠ざけた?」
「彼奴はショウに『必要な存在』だ。こんな場所で死んでもらっちゃあ困るんだよ。」
「そうか、随分と主思いだな。」
「こう見えて、俺は『ショウの剣』なんでな!」
と剣を構えた。シンエイは、
「お前には、俺の本気を見せてやる!」
と漆黒のオーラが溢れ出た。ザギルは、
「俺も本気でいくぜ!」
と「魔眼」を覚醒させて言った。
「黒紋・華影息吹き」
「我流 剣技 重桜牽連渦」
「いい剣技だな。俺にここまで本気を出させた剣士は、お前一体だけだ!」
「俺はお前を倒して、もっと高い場所に行きたいんだよ。『俺の親父』は、もっと強かったからな!」
「なら俺を倒してみろ!」
「言われなくても、越えてやるよ!」
と互いにぶつかりあった。
 ザギルは、シンエイの一挙手一投足を集中して見た。
『必ず越えてやる!シンエイも!オヤジも!俺も!』
「魔眼 覚醒 夢幻」
「ぐっ…」
と自身が引き裂かれる映像が流れてきた。シンエイが止まってると、
「我流 剣技 阿寒荊棘」
とザギルの突きが炸裂した。
「魔眼使いめ…覚醒もさせていたとはな。だが!」
シンエイは、地面を蹴り飛んだ。そして、
「黒紋・常闇竜の激昂」
と空に黒竜を発生させ、ザギル向けて黒炎を放った。
「我流 剣技 華霜柱・豪雪風!」
とザギルは強力な吹雪を放った。すると空中で爆発が発生した。シンエイは、その隙に空中で高速移動し、ザギルを蹴り上げて、
「黒紋・闇喰らい」
「ぐはっ…!」
とザギルの脇腹をえぐった。しかし、ザギルは諦めず「魔眼」を覚醒させ、
「魔眼 覚醒 夢幻…」
「無駄だ!お前にそんな気力はもうない!」
「陽炎・龍王斬り!」
とザギルは、空中で5体の分身を作り出し、シンエイに剣技をくらわせた。シンエイは、
「クソ…!一瞬の油断でやられるとはな…」
と地面へと落下した。それに続きザギルも地面に落下するところだった。
「ウィンド」
とザギルの落下の衝撃をレンカな和らげた。
「いってて…やっぱ強かった…ゲホッゲホッ」
とザギルが呑気なことを言うと、レンカがザギルの顔を引っ叩き、
「このバカ親子が!親子が揃いも揃って、命張り過ぎだよ!もっと自分のことをちゃんと守ってよ!死んだらおしまいなんだよ…」
と涙を流しながら、ザギルに治癒魔法をかけてあげた。ザギルは、
「心配かけて悪かった。けどよ、『ショウの復讐相手』に命を張れねぇでどうする?それじゃあ、ただのお荷物になる!」
とレンカに問った。レンカは、
「それは…そうだけど…」
と目をキョロキョロしながら言った。
「あいつを手伝うってのもそうだし、『あいつの剣』になるってのはいつも命を張ってるってことだ。それだけは勘違いすんなよ。レンカ!」
「分かったよ。けど、命は張っても死なないでよ。死者蘇生は、私にはできないからね。」
「あぁ、そこははき違えねぇよ。」
とザギルは、空を見ながら言った。すると突然、大地が揺れ始めた。
「何だ!この地響きは!?」
「ん…あれ!」
とショウを抱えながら獣人が、巨大な狐と闘っていた。
「あれは、『九尾狐』だ!しかも、とんでもない力を感じる!」
「ショウの奴…!大丈夫か…?」
とショウの事を気にかけていた。

 遡ること30分程前、ザンドルとインセクトが闘っていた。インセクトが気絶したショウを狙うのをザンドルが常に牽制した。
「フンッ!ハァッ!」
「ぐっ…流石に『契約』した冥獣は、一味も二味も違うな。」
「いちいちムカつく野郎だぜ!」
とザンドルは、インセクトが距離を取ろうとした瞬間、
「バンガル斬」
とそれを上回る速さで通り抜け、インセクトに十字の傷をつけた。
「ぐわぁぁぁ…!なんて速さだ!」
「もういっちょ!『バンガル斬』」
「二度も喰らうか!『大扇寒・獄寒極穿風』」
「ウォォォォ!」
「ハァァァァ!!」
ザンドルとインセクトは、互いの技をぶつけ合った。ショウは、未だに気絶して横たわっていた。ザンドルは、ショウとの距離を考えながら闘っていた。方やインセクトは、ショウを狙いながらもザンドルを相手していた。すると、
「ハッハッハッ!何事も待つってのは、大事だな!」
インセクトは薄気味悪く笑いながらそう言った。
「…?」
「ようやく…ようやく、本気を出せる相手に出逢えた!」
と言うと両手の親指をあわせて掌印を結んだ。そして、
「固有スキル:霊獣召喚 九尾狐」
と言うと突然地鳴りがした。すると地面から巨大な狐が現れた。
「グォォォォ!」
「なんてデカい狐だ!」
「グォォォォ!!」
「まずい、ショウ!」
とザンドルは、ショウをすぐに抱えて九尾狐の攻撃を避けた。

       現在
 ショウを抱え、ザンドルは九尾狐と闘っていた。
「グォォォォ!」
「フンッ!」
「やるじゃないか、小僧っ子のくせに!」
「お前こそ、ババァのくせになるじゃねぇか!」
「くっ!誰がババァだと!」
「お前だよ!ババァが!」
ザンドルと九尾狐の闘いは、大地を揺るがし津波を起こしていた。ザンドルは、木に着地をした。
「全く、俺達の土地で何しやがる!ババァが!」
「ババァじゃないよ、小僧っ子!アタシはまだ856歳だよ!」
「十分ババァじゃねぇか!」
「グハハハハ!てめぇ等仲良しかよ。」
「いい加減下ろしで下さい。もう大丈夫です。」
「はいよ。」
とショウを下ろした。ショウは肩を鳴らしながら、
「さてと、再開しましょうか。インセクト」
「あぁ、今度は息の音を止めてやる!」
「その言葉そのまま返します!」
とショウとインセクトは、拳を交わした。ザンドルは、九尾狐と再度ぶつかった。
「小僧っ子、名を教えろ。貴様の名前ごとへし折ってやるよ!」
「俺はザンドル!メルトの冥獣だ!」
「ザンドルか。良い名だな。」
「それでお前は!」
と名前を聞いた。九尾狐は、
「アタシはチャオイン。霊獣達の頂点に立っているものよ。」
と言い、獣人化した。ザンドルは、
「先手を打たせてもらうぞ!『ダルガン突き』」
と高速回転に白風を纏わせチャオインに攻撃をした。チャオインは、
「妖狐炎華・焔風」
と左腕をかざし、炎の花吹雪を放った。ザンドルは、避けずに炎の中へと突っ込んだ。
「馬鹿な奴だ。」
「そいつは、どうかな!」
と炎の中からザンドルが出てきた。
『炎を一点突破したのか。風を纏い炎を凌駕する冥獣”ザンドル”か。これは…』
と考えているとザンドルが追撃をしようとした。
「数百年ぶりの強敵に出会えて、妾は嬉しいぞ!ザンドル!」
「まだまだ終わらないぞ!チャオイン!」
「そうだな!楽しい宴の始まりじゃ!」

 ショウはインセクトと再度闘っていたが、
「はぁ…はぁ……」
「おいおい!息切れか!へばんの早いなぁ!」
「ぐぁっ!はぁ…はぁ…」
『ぐっ…まだヒリヒリする。それに、身体が燃やされてるように感じる!何だコレは?』
と勇者に受けた「神殺しの剣技」のダメージがあった。
「大分、弱ってたみたいだな~威勢だけの餓鬼が!」
とショウに近付き、拳をあげた。
「はぁ…はぁ…ヤバい…!」
「死ねぇぇ!魔王の子!」
「くっ…!」
と諦めかけた。その時、
「そこまでだ!」
とメルトがインセクトに蹴りをいれた。インセクトは、何とか耐えきり、
「フンッ!」
とメルトに攻撃を返した。メルトは、ショウを抱えて避けた。
「ショウ!どうした!」
「はぁ…はぁ…何だか……身体が燃えてる…感覚だ……はぁ…はぁ…」
「成る程な~道理で弱ってる訳だ。」
「インセクト!」
「そいつが弱ってんのは、勇者レイスの『神殺しの剣技』の影響だろうな。」
「神殺しの…」
「剣技?」
「あぁ」

神殺しの剣技・・・神が人間に授けた神技の一つである。その剣技は、神相手なら死を与え、人間・魔物なら生き地獄を与え殺す。かすり傷でもくらえば、死には至らないものの苦痛は続く。

インセクトは、「神殺しの剣技」について説明した。
「成る程、お前ら勇者と闘ってここに来たのか。なんつう奴らだ。」
「まぁ、そんなのはどうでもいい。魔王の子を殺す!」
と再度ショウに攻撃を仕掛けた。それをメルトが拳で止めた。そしてインセクトを思い切り殴り飛ばした。
「戦意喪失をしているやつを相手にしても面白くないだろ?」
「グヒヒヒヒッ!ぷっ!」
「ここからは、俺が相手をしてやるよ!」
「かかってきな!」
と互いにぶつかり合った。
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