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第13話~え?喋った?~

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それから俺と師匠は朝になるまで起きていた。
お互いつもる話しをしたかった…ということわなく、

師匠が「久しぶりにお前の技術が見たい」と言ってきた。
拒否権というものはないので言われた通りに師匠の身体を施術したが、まぁ怒られたね
押しが甘い!捉え方が不十分!矯正が力不足!
凄い言われた。泣きそうになるくらいに言われた…

あまりに言われるからこっそり弱点感知で師匠の身体見てしまったけど、弱点なしって出ちゃったよ…まじでこの人人間なのか?
結局朝方近くまでやることになって完全寝不足な俺にたいして、艶やかな顔立ちでいる師匠。

そうやって外を歩いているからすれ違う人がビクッとしてたよ、なんかスミマセン
因みに王宮で借りた服は脱い今は街で買った適当な服に着替えてる。
返そうかと思ったが師匠が「返す必要はないそのまま貰っとけ」と言われ逆らうことも出来ずそのままアイテムボックスにしまった。決して後が怖いってわけじゃないからね!


「ふぅ久々にお前の技術を見たが腕は衰えていないようだな!だがまだまだだな!もっと相手の身体をよく見ることだな!」

よく見てスキルを使ってまで見たのに弱点のない人間の身体をどうやってやればいいのか逆に教えてほしいんだけど…

「…精進します。それでこれからどこに行くんですか?」
「うむ、この国はもはや用済みだからな、隣国のケルン王国に行こうと思う。」
「用済みって…ケルン王国ですか?どんな国なんですか?」

師匠によるとケルン王国はレナール王国とも交流があり過ごしやすく多くの種族が住んでいる国だし、住むとしたらレナール王国よりも良いらしい。

「じゃあ師匠は今度はその国に住むんですか?」
「ん?何を言っている私は街には住まないぞ?」
「え?どうしてですか?」
「そこで開業など目立つようなことをしてみろ?またこの国と同じ目にあうかもしれんだろ?私は森の奥に住み悠々自適に暮らすさ」

あんな風にされるなら確かにあまり目立たない方がいいのかもな。
しかし悠々自適ね、師匠らしいっちゃらしいけど俺もそんな感じに暮らしたりしようかな?

「だがお前は旅をしてみろ」
「え?」
「お前はこの世界に来たばかりだろ?どうせ元の世界には戻れないんだ。どうせならこの世界を見て回って新たな見聞を広めてみろ!もしかしたら意外な出会いかあって面白いかもしれないぞ?」

意外な出会い、何かフラグみたいに感じるけど、でも旅っていうのも良いのかもな。あ、でも

「この世界って魔物がいるじゃないですか?旅してて大丈夫ですか?」
「ん?心配するなこの辺りに出てくるのは基本小動物系の魔物しかおらん、お前がたまたま倒したファングベアみたいな魔物は基本現れる事はない。」
「そ、そうですかそれを聞いて少し安心しました。」
「まあお前には「弱点感知」があるんだし余程の事がない限り死なんだろう。安心して旅でもしてこい!何かあったら骨は拾ってやる!」

どこにいるか分からないのにどうやって骨を拾うつもりなんだこの人は…
ホントこういう時はいつも適当なんだから、

「出ないなら安心ですんでそうしてみます。」
「うむ、なら早速善は急げだ途中まで馬車に乗っていくぞ」

そう言うと師匠はまた俺の首根っこを掴みまた引き摺りだした。
何でこの人はこんな風に引き摺るんだ。
俺が逃げるとでも思ってるのかな?
ってかあなたから逃げられるわけがないでしょうよ!
そのまま引き摺られ乗り合い馬車の所まで連れてかれ周りの人がドン引きしつつも馬車に乗り俺と師匠はケルン王国に向かった。馬車だと大体10日で着くらしい

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

馬車に揺られながら10日ようやく馬車はケルン王国の国境に着いた。
この10日間色々あった、魔物は出なかったが野営地で他の馬車に乗っている人達が師匠を見つける度に絡んできてその度に師匠が軽く捻り倒していく光景を何度も見た。
俺は昔から師匠を知ってるから見慣れてるが、他の乗客や居合わせた人達は毎回ドン引きしていた。
その後に絡んだ人達がお詫びのように食べ物やら酒やらを渡してくるからどんどん増えていった。
師匠もどうやらアイテムボックスを持ってるみたいで時間経過もないみたいで気にせず全ていれてるみたいだけど、めんどくさくなってきたのか途中から俺のアイテムボックスに入れとけと渡してきた。
そんなこんながあってようやく着いたから必要以上に疲れた…

そして馬車から降りて国境の兵士にギルドカードを見せて問題なく通れたが、師匠はどうするんだろう?と思っていたら師匠もギルドカードを見せていた。開業してたっていうし商業ギルドのカードかなと思ったら確認していた兵士が驚いていた
「え、Sランク冒険者でしたか!どうぞお通りください!」

え?Sランク?今聞き慣れない言葉が聞こえたけど

「し、師匠?Sランクって?」
「ん?言ってなかったか?私はSランク冒険者だぞ?」

いや、聞いてないし!初耳だよ!Sランクっていつ取ってたのあんた?!

「Sランクって何か魔物倒してたんですか?」
「んなわけあるか?こんなか弱い乙女が魔物なんか倒せるわけないだろ?」

か弱い乙女って言葉を一度辞書で引いてみてほしい。
あんたとは180度違う事が書いてあるよ。

「まぁ分かりやすく言えばある残念女神からご好意でいただいたものだ。」

察した。
あの猫背女神を脅して作り出したんだろうな…恐らくそれで問題なく城門を潜ったんだろう…あの女神本当にとんでもないものを渡したな。

「まぁ細かいことは気にするな無事にケルン王国に着いたわけだ。ここからはお互い別々の道を進むぞ」
「ここからはって事はここでお別れですか。」

久々に会えた師匠と話すことが出来てほんの少しだったけど濃い日々を過ごせたが、まだ色々話を聞きたかったな

「なんだ?寂しいのか?そんなに私と離れるのが辛いのか?」
「ハハハッ…まぁそれもありますけど、もっと色々聞きたかったなと思って」
「フン、そんな事人に求めるのではなく自分で答えを見つけろ未熟者が!!」

と言われ頭を叩かれた。一瞬意識が飛びそうになった…

「まぁ縁が続いていればその内また会うだろう。それまでは達者に過ごせよバカ弟子よ」
「いててっ、はい、必ず会いましょう師匠。ありがとうございました!」

そうお辞儀してお互い背中を向けて別々の道を進んだ。振り向きたかったけどそんなことしたら怒られそうだからそのまま進む。今度は胸を張って自信もって師匠と再開しよう。


だが、俺はもう挫折しそうになった…
しばらく進んだが街は全然見えないし、どこを歩いているのか全然わからない。完全に迷子になっていた。

「しまったどこに街があるのか聞いておけばよかった…どうしようこれは野宿になるかも。」

そうぼやいていると目の前に川が見えてきた。
喉も渇いてきたし、少しあそこで休憩しようと思い近づくとそこには一匹の小動物みたいなのがいた。
魔物っぽいが見た目はアライグマのようなタヌキのような雰囲気であまり怖そうに見えない。
いや、むしろ可愛い。
動物が好きな俺にとってこの世界に来て初めての癒しが見つかった。

「可愛いな、水を飲んでるのかな?まるでラ○カルみたいだな。」

そうほっこりしてると、そのアライグマっぽいのが俺の方を向いた

「?」
何だろうと不思議にじっと見ていると


「おう!誰がアライグマのラ○カルや!なめとんのかワレ!?」

まさかここで聞くことがないであろう関西弁が聞こえてきて俺は固まってしまった。

「え?喋った?しかも関西弁…」

師匠、早速意外な出会いがありました。
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