狂い咲き

狂い咲き67

　無職になった私の国民保険料が前年度の年収の計算だと受付で説明をされる。



　なんども「収入がなくなったので」と説明をしても「前年度の収入での計算となります」



　せめて国民年金だけでもと私は思う。万に一つなにかあったら国民保険に入っていないと障害者年金が貰えない。



　しかし都合よくはいかない。



　悩んだ末、私は手続きをせずそのまま帰るしかない。



　大きな溜息しかでてこない。



　いままでいい気になっていたツケが一気にまわってきた。



　家賃と光熱費だけでも稼いで切り詰めれば一年とは行かなくても少しは時間稼ぎができる。



　近所にないかとスーパーを歩いて周るが学生アルバイト。



　求職活動はインターネットでもできるが雇用保険を考えるとハローワークに通う必要がある。



　面接を考えると時間をどう遣り繰りしたらいいのだろう。



　そうだとばかりに私は足を止めた。



　マクドナルドなら好きな時間に働けるとなにかで見た気がする。



　三十近いおばさんが若々しい制服を着て足を出すのは抵抗感があるが裸で働くことを考えたら可愛いものだ。



　早速、自宅に帰るとインターネットで検索。



「嘘！」



　私の望みの綱が見事に絶たれた気がした。



　相談板に「マクドナルドで不採用になりました」を見つけた。



　１００％採用じゃないんだ。



　世の中自分が考える以上に甘くはない。



　わかっているけど、私はこうべを垂れ項垂れた。



「どうしよう」



　私は自分を奮い立たせるようにエクセルを使い履歴書を作成する。



　とにかく前に前にと足を進めるしかない。



　それでも駄目なら生活保護？！　ここは少し休憩しよう。



　無職のパラダイスといったら百均売り場だ。



　毎日レトルトカレーでいい。



　パっと勇ましいまでにインスタントカレー数種類を私は買い物カゴに入れる。



　インスタントカレーだけでは飽きてしまう。缶詰を眺めると私はまた勇ましいまでに買い物カゴに投げ入れた。



　お菓子も買っておこう。



　どんとレジの前に買い物カゴに一杯になったインスタント食品の数々。



　これだけ買って２０００円ちょっと。



　なんだか、すっきりとした。



　私はパンパンに膨れあがった買い物袋を手にすると、その日はなにも考えないことにした。