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狂い咲き41
しおりを挟む高校生の頃の友達とは、もう縁を切った。
ほんとんどが働かず働いても夜の仕事か、職場ニート。
社会の厳しさが私を育ててくれた。
だから今、彼とこうしていられる。
私と彼は、しばらく朝焼けになろうとする空を眺めるとペンションに帰った。
ペンションの玄関口が怖く感じられたが私は彼に肩を抱かれたまま室内に入った。
彼は自室として使っている部屋のベッドで私を休ませてくれる。
また、鉄格子に連れて行かれるのではないかと正直、怖かった。
ベッドに横たわった私に、「もう少し休むといい」と彼は言ってくれた。
彼がドアを閉めると私は目を閉じた。
いつしか私は眠りについては目を覚ます。
身体中が激しく痛んだ。
ぼんやり目を覚ましては、これからのことを私は考える。
いくら考えても答えはでてこない。
痛む身体を起き上がらせると私は乾いた喉を潤しにキッチンへ行こうとする。
私に気づいた彼が、ウッドデッキから室内に入ってきた。
彼は私に冷えたドリンクが入ったグラスを差し出してくれる。差し出されたドリンクを飲み干しながら、私がじっと彼を見つめると彼は微笑んでくれる。
「なにか、食べたほうがいい」
意外な彼の後姿だ。
彼はキッチンに立つと手早くスクランブルエッグとバターロール。インスタントだけどスープ。
彼がキッチンに立つのが不思議だった。
手馴れた感じがする。
私はどうしようかと思いながら、差し出されたクランブルエッグをくちにする。
「どう?」
彼はまるで、昨日のことが嘘のような笑みを向けてくる。
私が「美味しい」と言うと次は「なにが食べたい?」と聞いてきた。
少し彼に、私は意地悪をする。
「ふーん」
彼をどこか疑った私の目に彼は戸惑いを浮かべつつも苦笑いにも似た笑みを浮かべた。
「いつもそうするんだ」
彼は「違うよ」とばかりの顔をした。
「玲子には困ったな」と言い彼は苦い経験を話してくれる。
彼がどんな切っ掛けで、この世界に入ったのかはわからない。でも、彼にだって下っ端と言える時期があった。
そのとき交際と言うより、紐のような生活をしていた。
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