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31 隠し事
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「ところで御津羽ちゃ~ん。何か私達に隠してることあるわよねぇ?」
小袖の襟を少しだけ着崩した比売が畳のうえで煙管をふかしている。蝋についた灯りを囲むように国と天、そして礼花とナギ、泣沢女が畳の上に座している。
あの事件から1週間が経とうとしていた。花雨ちゃんはあれからずっと眠っている。ナギと礼花は眠りについてから4日目で目覚めた。ナギと礼花が眠っている間、国と天は矢について調べていたが未だ情報は掴めていない。比売と泣沢女は邪神の始末をしていた。御様羽はナギに変わって屋敷の維持をしていた。そして今現在、隠していた秘密を暴露しなければならない状況になっている。
「泣沢女ちゃんとあの邪神を調べていたらねぇ、当主様の霊力を感じたのよ。御津羽ちゃんも知っているでしょう?当主様は人間に殺されたのよ、遺体は私達で回収したはず。邪神になど食われていないのよ」
比売は煙管をふかし終えると真っ直ぐと御津羽の目を見て喋る。
「それとねぇ、梗夏様の死についてなんだけど、私達は御津羽ちゃんから梗夏様は邪神に食われたと聞いているわ。あの日、水神達総出で屋敷からいなくなった梗夏様を探して、最初に見つけたのは御津羽ちゃんよ。1番何か知っていそうなのは貴方しかいないの。私達に何か隠し事でもしているでしょう?つまり、何を言いたいのかというと……」
そこで比売は深いため息をつくとはっきりした口調で御津羽に問う。
「御津羽ちゃんは当主様と梗夏様との間に子がいたことを知っていたの?」
御津羽は黙って比売の言うことを聞いていた。御津羽自身、当主様と梗夏様との間に子がいたことを知っていた。子ができた事を梗夏様の口から知らされた時、とても驚いたのを鮮明に思い出す。しかし、梗夏様は子ができた事を屋敷にいるみんなには教えるなと言った。御津羽にだけ教え、邪神の元へ行き、そして食われた。
言ってはいけない約束を今、破っていいのだろうかと御津羽は思う。けれど面と向かって言われた日には言い逃れなど出来ないと思った。御津羽はゆっくりと口を開くと今ここにいる水神に言う。
「知っていたよ。梗夏様が邪神に食われる前、僕だけに知らされた」
「なぜ黙っていた」
礼花がとても低い声で御津羽に言う。嫌悪感がひしひしと伝わってきた。御津羽は「言い逃れも出来ないから良いよね」と小さく呟くと今まで梗夏様に何があったのかを喋り出した。
小袖の襟を少しだけ着崩した比売が畳のうえで煙管をふかしている。蝋についた灯りを囲むように国と天、そして礼花とナギ、泣沢女が畳の上に座している。
あの事件から1週間が経とうとしていた。花雨ちゃんはあれからずっと眠っている。ナギと礼花は眠りについてから4日目で目覚めた。ナギと礼花が眠っている間、国と天は矢について調べていたが未だ情報は掴めていない。比売と泣沢女は邪神の始末をしていた。御様羽はナギに変わって屋敷の維持をしていた。そして今現在、隠していた秘密を暴露しなければならない状況になっている。
「泣沢女ちゃんとあの邪神を調べていたらねぇ、当主様の霊力を感じたのよ。御津羽ちゃんも知っているでしょう?当主様は人間に殺されたのよ、遺体は私達で回収したはず。邪神になど食われていないのよ」
比売は煙管をふかし終えると真っ直ぐと御津羽の目を見て喋る。
「それとねぇ、梗夏様の死についてなんだけど、私達は御津羽ちゃんから梗夏様は邪神に食われたと聞いているわ。あの日、水神達総出で屋敷からいなくなった梗夏様を探して、最初に見つけたのは御津羽ちゃんよ。1番何か知っていそうなのは貴方しかいないの。私達に何か隠し事でもしているでしょう?つまり、何を言いたいのかというと……」
そこで比売は深いため息をつくとはっきりした口調で御津羽に問う。
「御津羽ちゃんは当主様と梗夏様との間に子がいたことを知っていたの?」
御津羽は黙って比売の言うことを聞いていた。御津羽自身、当主様と梗夏様との間に子がいたことを知っていた。子ができた事を梗夏様の口から知らされた時、とても驚いたのを鮮明に思い出す。しかし、梗夏様は子ができた事を屋敷にいるみんなには教えるなと言った。御津羽にだけ教え、邪神の元へ行き、そして食われた。
言ってはいけない約束を今、破っていいのだろうかと御津羽は思う。けれど面と向かって言われた日には言い逃れなど出来ないと思った。御津羽はゆっくりと口を開くと今ここにいる水神に言う。
「知っていたよ。梗夏様が邪神に食われる前、僕だけに知らされた」
「なぜ黙っていた」
礼花がとても低い声で御津羽に言う。嫌悪感がひしひしと伝わってきた。御津羽は「言い逃れも出来ないから良いよね」と小さく呟くと今まで梗夏様に何があったのかを喋り出した。
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