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長い夜
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日常的な虐めと先日のお茶会でのいざこざにより、懸念されていたソフィーとイザベラの関係は、ソフィーがベルティエ侯の邸を出る事で収束した。
というのも、王妹オルガの良き友人となったソフィーはオルガの侍女に決まり、既に王宮で暮らしている。
人当たりが良く頭の良さも相まって、ソフィーは侍女の仕事もすぐに覚え、既に王宮に馴染んでいるそうだ。
「私はソフィーという令嬢を、社交界から追放する事も考えていた。私がそのように動く前に、アリスティアが止めてくれたお陰で、良い方向に向かってくれたようだ」
アリスティアのドレスを汚した犯人が、ソフィーである事が分かった後。
アリスティアが本人に事情を聞くから、取り調べは待って欲しいと言ってきた。その時は、どういった考えか分からなかったが、任せて良かった。
「わたくしはドレスを汚した言い分を、直接本人に聞きに行っただけです。それに、ソフィーが言っている事が本当か、シュゼットにも一応確認しておこうと思いまして」
「シュゼット?」
ブノワ公爵の孫娘で、アレクセイも自身とは遠縁にあたる令嬢であるため、一応彼女の顔と名前は一致する。
「好奇心で貴族社会の情報を知りたがって、情報通気取りをしている子です。
ソフィーを助けたいから、知ってる事を教えて欲しいと交渉してみました。するとシュゼットは、ソフィーがイザベラ達から虐めを受けている現場を、何度か目撃したと話してくれました」
アリスティアはシュゼットの事は昔からよく知っている。そして嘘を付くような子ではないという事も。
**
アリスティアの体調を気遣い、初めて夫婦の契りを交わした日以来、閨事は行われないまま数日が経っていた。
妻の体調を異様に気にかけるアレクセイからは言い出し辛いだろうと思い、アリスティアから「体調はもうすっかり良くなりました」と告げ、今夜は久々に解禁される事となった。
寝台に上がるとアレクセイはまず、アリスティアの生足を手で持ち上げながら頬擦りし、次に丹念にアリスティアの足を舐め始めた。
最初に足の指を舐めしゃぶり、少しずつ足首やふくらはぎなども舌を這わせていく。そして徐々に上へと舌でなぞっていった。
行為が妙に艶かしいのは、彼が妻の身体を舐める事に酷く興奮を覚えているから。
『わたくしに触れてはいけません』
などと言われ、結婚当初からアリスティアに長らくお預けをさせられていた。その結果、飢え乾いた状態がこうさせたのか。それとも元々彼には大いに素質があったのか。
アリスティアには分からない。
夢中で自分の足を舐め回しているアレクセイに向かって、アリスティアは平静を装い毅然と声を発した。
「いつまで舐めているのですか」
実は頬擦りされた時点で怯み気味だったアリスティアが、ついに苦言を漏らした。ついでに足を引っ込めようとしたら、素早く掴まれてしまい引き戻される。
「まだ、足しか舐めていない」
(足しか?まさか……このまま足以外も舐め回すおつもりなの?)
なんだかふやけてしまいそうで、身構えてしまう。
「それはそうと、アレクセイ様は明日もお仕事でしょう?あまり長く時間をかけていますと、明日に響きますわ」
夫の管理は立派な妻の務めだ。寝室を共にしながら、アレクセイの寝坊の原因を、妻として目を瞑る訳にはいかないのである。
「確かにアリスティアの危惧する通りだな」
顔をあげ、神妙な面持ちで発したアレクセイの言葉に、アリスティアはほっと胸を撫で下ろした。
「では、これからはもっと夫婦の営みをする時間を長く取るために、開始時間を早めよう」
「……」
夫の提案は、アリスティアの思っていた方向性とは大分違っていた。
「……ふやけそうです」
「はは、ふやけるだなんて。むしろそのくらい舐めていたいけどな」
アリスティアに笑顔を向けると、彼は嬉しそうに、妻の身体を舐めるのを再開した。何が嬉しいのかアリスティアにはさっぱりだったが、舐め回すのを止めるつもりはない、という事だけははっきりと分かった。
這わせていった舌が舐める場所は、太腿や足の付け根に差し掛かり、それに伴って舌の水分量も増えていった。呼吸も大分荒くなっていて、アレクセイがかなり興奮気味な事がアリスティアにも伝わった。
(確かに少し怯んでしまいましたが、わたくしは旦那様の性癖に寄り添う覚悟だったのに、このくらいで驚いてしまうなんて……)
まだまだ受け身になる事には、慣れていないアリスティア。頭では理解しようとしても、身体が反応してしまうのだから、戸惑うのは当然だった。
寝台の背もたれに、背を預けるようにして座るアリスティアを、アレクセイはそっと横に寝かせる。そしてアリスティアの寝衣を捲ると、白い肌が露わになり、感嘆の息をついた。しがみ付くように腰を抱き、お腹やヘソも舐めて始める。
「んっ……」
堪らず身をよじったアリスティアは、思わずくしゃりと銀色の髪を、右手で掴んでしまった。当のアレクセイは髪を掴まれている事に気付いているのか、気付いていないのか。そんな事よりも、妻の身体を舐め回したくて、どうでも良くなっているのか。微塵も気にした風ではない。
アリスティアの白いお腹に痕をつけ、クビレを舐め回すのに夢中になっているようだった。
本来なら神経質気味なアレクセイだが、妻の前では例外となっている。
アリスティアが掴んでいた銀色の髪を離すと、アレクセイはクビレに舌を這わせる。そのまま舌は胸に向かうと思い、アリスティアは身構えたが、舌は真っ直ぐに上へと登っていった。
そして何故か腕を持ち上げられ、されるがままになりながらも、不思議に思っていると……。
脇にアレクセイの顔が近づいてきた。
驚き、閉じようとしても手を掴まれたまま、頭の上で固定されているので、当然閉じる事は出来ない。次の瞬間、ぬるりと生暖かい何かがアリスティアの脇に蠢いた。
「なんですか……きゃっ!?」
あまりの事で、脇を舐められているのだと気付くのに、僅かに時間がかかってしまった。
「何でそんなところっ……やっ」
抵抗するもアレクセイは離れず、舐めたり吸い付いたりを繰り返してくる。ジタバタと足をバタつかせて、細やかな抵抗をしていると、脇とは別の場所に違和感が芽生えた。
「あつっ……」
一瞬足に熱を感じ、それは液体となってアリスティアの足を濡らしている。
アリスティアの身体を舐めまわす事で、アレクセイの興奮は最高潮となっていた。
とうとう彼は興奮するだけに止まらず、我慢出来ずに脇を舐めながら、なんと達してしまったようだ。それにしても達する際に舐めていた箇所が脇とは、中々変質的だった。
そんな変質的な夫を、アリスティアはジト目で伺う。
「アレクセイ様……」
「はぁっ……はぁっ、アリスティアの綺麗な足を汚してしまった……!」
『汚してしまった』という割には、精をかけられた足をまじまじと眺めて更に興奮しているように見受けられ、微塵も反省が伺えない。
「脚衣からソレを出していいとも、精を放ってもいいとも、わたくしは言っておりませんよ?」
「はっ!?」
自分の失態に気付いたような反応を見せるアレクセイだが、露出したのは紛れもなく自らの意思だ。
アリスティアは仰向けにさせられてしまった事により、前を寛げて露出している事に気づけなかった。
だがよくよく考えると、下着の中で暴発させるのも可哀想ではある。
「我慢出来なかった……くっ!」
失態を反省するより、どこか満足気なのはアリスティアの気のせいだろうか。
「だが安心して欲しい、知っての通り私はすぐに復活も出来る。それとまだ二回は……可能だ」
「待って下さい。以前、夜毎に二度の精を出されると言っていました。先程のと合わせてまだ二回も出されるとなると、合計三回となりますが?
何しれっと回数を増やしているのですか」
「あれはまだ遠慮していたからな。ちなみに先程の発言は、アリスティアの身体がまだ慣れていないから、今夜は2回ほどにしておこうという提案なのだが」
「え……」
もしかして、彼は今後どんどん回数を増やしていくつもりなのだろうかと、アリスティアに不安が過ぎった。
シルヴェスト公爵夫妻の夜は長かった。
というのも、王妹オルガの良き友人となったソフィーはオルガの侍女に決まり、既に王宮で暮らしている。
人当たりが良く頭の良さも相まって、ソフィーは侍女の仕事もすぐに覚え、既に王宮に馴染んでいるそうだ。
「私はソフィーという令嬢を、社交界から追放する事も考えていた。私がそのように動く前に、アリスティアが止めてくれたお陰で、良い方向に向かってくれたようだ」
アリスティアのドレスを汚した犯人が、ソフィーである事が分かった後。
アリスティアが本人に事情を聞くから、取り調べは待って欲しいと言ってきた。その時は、どういった考えか分からなかったが、任せて良かった。
「わたくしはドレスを汚した言い分を、直接本人に聞きに行っただけです。それに、ソフィーが言っている事が本当か、シュゼットにも一応確認しておこうと思いまして」
「シュゼット?」
ブノワ公爵の孫娘で、アレクセイも自身とは遠縁にあたる令嬢であるため、一応彼女の顔と名前は一致する。
「好奇心で貴族社会の情報を知りたがって、情報通気取りをしている子です。
ソフィーを助けたいから、知ってる事を教えて欲しいと交渉してみました。するとシュゼットは、ソフィーがイザベラ達から虐めを受けている現場を、何度か目撃したと話してくれました」
アリスティアはシュゼットの事は昔からよく知っている。そして嘘を付くような子ではないという事も。
**
アリスティアの体調を気遣い、初めて夫婦の契りを交わした日以来、閨事は行われないまま数日が経っていた。
妻の体調を異様に気にかけるアレクセイからは言い出し辛いだろうと思い、アリスティアから「体調はもうすっかり良くなりました」と告げ、今夜は久々に解禁される事となった。
寝台に上がるとアレクセイはまず、アリスティアの生足を手で持ち上げながら頬擦りし、次に丹念にアリスティアの足を舐め始めた。
最初に足の指を舐めしゃぶり、少しずつ足首やふくらはぎなども舌を這わせていく。そして徐々に上へと舌でなぞっていった。
行為が妙に艶かしいのは、彼が妻の身体を舐める事に酷く興奮を覚えているから。
『わたくしに触れてはいけません』
などと言われ、結婚当初からアリスティアに長らくお預けをさせられていた。その結果、飢え乾いた状態がこうさせたのか。それとも元々彼には大いに素質があったのか。
アリスティアには分からない。
夢中で自分の足を舐め回しているアレクセイに向かって、アリスティアは平静を装い毅然と声を発した。
「いつまで舐めているのですか」
実は頬擦りされた時点で怯み気味だったアリスティアが、ついに苦言を漏らした。ついでに足を引っ込めようとしたら、素早く掴まれてしまい引き戻される。
「まだ、足しか舐めていない」
(足しか?まさか……このまま足以外も舐め回すおつもりなの?)
なんだかふやけてしまいそうで、身構えてしまう。
「それはそうと、アレクセイ様は明日もお仕事でしょう?あまり長く時間をかけていますと、明日に響きますわ」
夫の管理は立派な妻の務めだ。寝室を共にしながら、アレクセイの寝坊の原因を、妻として目を瞑る訳にはいかないのである。
「確かにアリスティアの危惧する通りだな」
顔をあげ、神妙な面持ちで発したアレクセイの言葉に、アリスティアはほっと胸を撫で下ろした。
「では、これからはもっと夫婦の営みをする時間を長く取るために、開始時間を早めよう」
「……」
夫の提案は、アリスティアの思っていた方向性とは大分違っていた。
「……ふやけそうです」
「はは、ふやけるだなんて。むしろそのくらい舐めていたいけどな」
アリスティアに笑顔を向けると、彼は嬉しそうに、妻の身体を舐めるのを再開した。何が嬉しいのかアリスティアにはさっぱりだったが、舐め回すのを止めるつもりはない、という事だけははっきりと分かった。
這わせていった舌が舐める場所は、太腿や足の付け根に差し掛かり、それに伴って舌の水分量も増えていった。呼吸も大分荒くなっていて、アレクセイがかなり興奮気味な事がアリスティアにも伝わった。
(確かに少し怯んでしまいましたが、わたくしは旦那様の性癖に寄り添う覚悟だったのに、このくらいで驚いてしまうなんて……)
まだまだ受け身になる事には、慣れていないアリスティア。頭では理解しようとしても、身体が反応してしまうのだから、戸惑うのは当然だった。
寝台の背もたれに、背を預けるようにして座るアリスティアを、アレクセイはそっと横に寝かせる。そしてアリスティアの寝衣を捲ると、白い肌が露わになり、感嘆の息をついた。しがみ付くように腰を抱き、お腹やヘソも舐めて始める。
「んっ……」
堪らず身をよじったアリスティアは、思わずくしゃりと銀色の髪を、右手で掴んでしまった。当のアレクセイは髪を掴まれている事に気付いているのか、気付いていないのか。そんな事よりも、妻の身体を舐め回したくて、どうでも良くなっているのか。微塵も気にした風ではない。
アリスティアの白いお腹に痕をつけ、クビレを舐め回すのに夢中になっているようだった。
本来なら神経質気味なアレクセイだが、妻の前では例外となっている。
アリスティアが掴んでいた銀色の髪を離すと、アレクセイはクビレに舌を這わせる。そのまま舌は胸に向かうと思い、アリスティアは身構えたが、舌は真っ直ぐに上へと登っていった。
そして何故か腕を持ち上げられ、されるがままになりながらも、不思議に思っていると……。
脇にアレクセイの顔が近づいてきた。
驚き、閉じようとしても手を掴まれたまま、頭の上で固定されているので、当然閉じる事は出来ない。次の瞬間、ぬるりと生暖かい何かがアリスティアの脇に蠢いた。
「なんですか……きゃっ!?」
あまりの事で、脇を舐められているのだと気付くのに、僅かに時間がかかってしまった。
「何でそんなところっ……やっ」
抵抗するもアレクセイは離れず、舐めたり吸い付いたりを繰り返してくる。ジタバタと足をバタつかせて、細やかな抵抗をしていると、脇とは別の場所に違和感が芽生えた。
「あつっ……」
一瞬足に熱を感じ、それは液体となってアリスティアの足を濡らしている。
アリスティアの身体を舐めまわす事で、アレクセイの興奮は最高潮となっていた。
とうとう彼は興奮するだけに止まらず、我慢出来ずに脇を舐めながら、なんと達してしまったようだ。それにしても達する際に舐めていた箇所が脇とは、中々変質的だった。
そんな変質的な夫を、アリスティアはジト目で伺う。
「アレクセイ様……」
「はぁっ……はぁっ、アリスティアの綺麗な足を汚してしまった……!」
『汚してしまった』という割には、精をかけられた足をまじまじと眺めて更に興奮しているように見受けられ、微塵も反省が伺えない。
「脚衣からソレを出していいとも、精を放ってもいいとも、わたくしは言っておりませんよ?」
「はっ!?」
自分の失態に気付いたような反応を見せるアレクセイだが、露出したのは紛れもなく自らの意思だ。
アリスティアは仰向けにさせられてしまった事により、前を寛げて露出している事に気づけなかった。
だがよくよく考えると、下着の中で暴発させるのも可哀想ではある。
「我慢出来なかった……くっ!」
失態を反省するより、どこか満足気なのはアリスティアの気のせいだろうか。
「だが安心して欲しい、知っての通り私はすぐに復活も出来る。それとまだ二回は……可能だ」
「待って下さい。以前、夜毎に二度の精を出されると言っていました。先程のと合わせてまだ二回も出されるとなると、合計三回となりますが?
何しれっと回数を増やしているのですか」
「あれはまだ遠慮していたからな。ちなみに先程の発言は、アリスティアの身体がまだ慣れていないから、今夜は2回ほどにしておこうという提案なのだが」
「え……」
もしかして、彼は今後どんどん回数を増やしていくつもりなのだろうかと、アリスティアに不安が過ぎった。
シルヴェスト公爵夫妻の夜は長かった。
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