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二回
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「そうだったのですか、知りませんでしたわ」
「知らなかっただろ、そうだと思って伝えておいた。だから今夜からは二回目を所望する。お願いします」
アレクセイは全裸でもお願いする事は忘れない。
「なるほど。では継続してわたくしに触れない事を、お約束頂けるのであれば」
了承はしてくれたものの、アリスティアは頑なにアレクセイが触れようとするのを拒もうとする。
そんな妻の言葉にアレクセイは胸が苦しくなった。
「アリスティア…私は貴女に触れたい…そして出来れば……!!?」
本当の夫婦になりたいと、そう言いかけたがアリスティアが突然アレクセイの腿に腕を置き、男根に自身の顔を近づけた。そんな彼女の突拍子も無い行動に動揺してしまって、最後まで言えなかった。
そして可愛らしい顔を至近距離に持っていったと思ったら、男根にふっと息を吹きかけられ、この状況と相まって再びすぐに熱を取り戻していた。
「確かに……先程出したばかりなこに、もうこんなに涎を零して、イケないですね」
純粋無垢にみえる容姿をしているアリスティアが、羞恥を煽るような言い方をしてくるなんて。
毎度この見た目と行動の不一致に、心が乱され目が離せなくなる。
じっと澄んだ瞳で、真っ直ぐに屹立を見つめるてくるアリスティア。彼女の髪や頭に触れたくて、堪らず手を回そうとした瞬間「駄目ですよ?」と呟かれ、仕方なく動きを止めた。
「アリスティアに触れたい…」
「駄目って言いましたでしょう?何だか信用出来ませんわね……そうだわ。少しだけお待ちを」
そう言ったアリスティアは鏡台へと歩いていき、引き出しを開けてゴソゴソと中から何かを探して来たと思ったら、青のリボンを手にしていた。そしてアレクセイの両手を後ろに回させてから、リボンで結んで拘束した。
「ここまでしなくても……」
切なそうに妻を見つめるアレクセイは、中性的な美貌が憂いを纏う事により、蠱惑的な美しさが増していた。
そんなアレクセイを見て満足そうに微笑んだアリスティアは、華奢な人差し指で屹立の裏筋をなぞらせる。
アレクセイは椅子に座ったまま跳ね上がりかけた。
「手でして欲しかったら、ちゃんとお願いして下さいね?」
アレクセイは即大きめの声で「お願いします!」と叫び気味にお願いした。
するとアリスティアの女性にしても、小さく華奢な手と指が、アレクセイの男根を優しく包む。
初めはゆるゆると優しく遠慮がちに上下に撫で擦る。それに対し「もう少し強く」とお願いすると、その手は次第に力を強めて扱いていった。
両手で懸命に慣れない奉仕に勤しむアリスティア。左手で支えつつ、右手で根本から先端まで念入りに刺激を与えていく。
そこからは、天にも昇る心地だった。
そしてそれは新しい快感も伴っていた。
縛られて両手が不自由な中与えられる快楽。暴かれ剥き出しのまま一切抵抗出来ないという感覚。と、それを至近距離で見つめるアリスティア。
アレクセイは小さく呻いた後、腰を浮かし気味に、先端から本日二度目の射精を行い、それと同時にまた新たな扉を開いてしまった。
今日もアレクセイにとって、妻のアリスティアと過ごす時間は至福だった。しかも今日は二回もしてくれた。
アリスティアは一見根っからの女王様に思えて「今日はどちらでなさいますか?寝台ですか、それとも床に座りますか?寝そべりますか?這い蹲りますか?」とちゃんと聞いて、アレクセイの気分に合わせてくれる。
そして今日は足のみではなく、手を使ってくれるなんて、何だか夫婦の中が進展した気がした。
しかも縛りプレイという新たな扉付きで。
◇
アリスティアとの時間以外は、ほぼ仕事に時間を割り振る仕事人間のアレクセイ。現在は兄王から賜ったシルヴェストの領地の事もある。
彼が熱心に国政に携わって身を粉にして働くのは、尊敬する兄王の助けになりたいからという理由がやはり大きい。
そんな兄思いの彼だが、アレクセイが王をここまで慕っている事を知っている人間は限られている。
側妃の産んだ第三王子であるアレクセイのことを利用して、王を陥れようとする人間が近づいて来る事は今迄で何度もあった。
分かりやすい人間ならまだしも、何年越しでの計画を立てて、信用を築き上げてから裏切る人間が掃いて捨てるほどいる世界。
そんな人間を炙り出すためにも、敢えて兄弟の仲の良さは、僅かな人間の中でのみ知られる事となっている。
自分の存在が枷にならぬよう、宮中では常に気を張って生きて来た。兄のためだけではなく、国を乱さない為にも必要な事なのだから。
そんな彼にとって、妻のアリスティアと過ごす夜のひと時は確実に癒しの時間となっていた。
側から見たら女王様と犬のようにしか見えなくとも。
「知らなかっただろ、そうだと思って伝えておいた。だから今夜からは二回目を所望する。お願いします」
アレクセイは全裸でもお願いする事は忘れない。
「なるほど。では継続してわたくしに触れない事を、お約束頂けるのであれば」
了承はしてくれたものの、アリスティアは頑なにアレクセイが触れようとするのを拒もうとする。
そんな妻の言葉にアレクセイは胸が苦しくなった。
「アリスティア…私は貴女に触れたい…そして出来れば……!!?」
本当の夫婦になりたいと、そう言いかけたがアリスティアが突然アレクセイの腿に腕を置き、男根に自身の顔を近づけた。そんな彼女の突拍子も無い行動に動揺してしまって、最後まで言えなかった。
そして可愛らしい顔を至近距離に持っていったと思ったら、男根にふっと息を吹きかけられ、この状況と相まって再びすぐに熱を取り戻していた。
「確かに……先程出したばかりなこに、もうこんなに涎を零して、イケないですね」
純粋無垢にみえる容姿をしているアリスティアが、羞恥を煽るような言い方をしてくるなんて。
毎度この見た目と行動の不一致に、心が乱され目が離せなくなる。
じっと澄んだ瞳で、真っ直ぐに屹立を見つめるてくるアリスティア。彼女の髪や頭に触れたくて、堪らず手を回そうとした瞬間「駄目ですよ?」と呟かれ、仕方なく動きを止めた。
「アリスティアに触れたい…」
「駄目って言いましたでしょう?何だか信用出来ませんわね……そうだわ。少しだけお待ちを」
そう言ったアリスティアは鏡台へと歩いていき、引き出しを開けてゴソゴソと中から何かを探して来たと思ったら、青のリボンを手にしていた。そしてアレクセイの両手を後ろに回させてから、リボンで結んで拘束した。
「ここまでしなくても……」
切なそうに妻を見つめるアレクセイは、中性的な美貌が憂いを纏う事により、蠱惑的な美しさが増していた。
そんなアレクセイを見て満足そうに微笑んだアリスティアは、華奢な人差し指で屹立の裏筋をなぞらせる。
アレクセイは椅子に座ったまま跳ね上がりかけた。
「手でして欲しかったら、ちゃんとお願いして下さいね?」
アレクセイは即大きめの声で「お願いします!」と叫び気味にお願いした。
するとアリスティアの女性にしても、小さく華奢な手と指が、アレクセイの男根を優しく包む。
初めはゆるゆると優しく遠慮がちに上下に撫で擦る。それに対し「もう少し強く」とお願いすると、その手は次第に力を強めて扱いていった。
両手で懸命に慣れない奉仕に勤しむアリスティア。左手で支えつつ、右手で根本から先端まで念入りに刺激を与えていく。
そこからは、天にも昇る心地だった。
そしてそれは新しい快感も伴っていた。
縛られて両手が不自由な中与えられる快楽。暴かれ剥き出しのまま一切抵抗出来ないという感覚。と、それを至近距離で見つめるアリスティア。
アレクセイは小さく呻いた後、腰を浮かし気味に、先端から本日二度目の射精を行い、それと同時にまた新たな扉を開いてしまった。
今日もアレクセイにとって、妻のアリスティアと過ごす時間は至福だった。しかも今日は二回もしてくれた。
アリスティアは一見根っからの女王様に思えて「今日はどちらでなさいますか?寝台ですか、それとも床に座りますか?寝そべりますか?這い蹲りますか?」とちゃんと聞いて、アレクセイの気分に合わせてくれる。
そして今日は足のみではなく、手を使ってくれるなんて、何だか夫婦の中が進展した気がした。
しかも縛りプレイという新たな扉付きで。
◇
アリスティアとの時間以外は、ほぼ仕事に時間を割り振る仕事人間のアレクセイ。現在は兄王から賜ったシルヴェストの領地の事もある。
彼が熱心に国政に携わって身を粉にして働くのは、尊敬する兄王の助けになりたいからという理由がやはり大きい。
そんな兄思いの彼だが、アレクセイが王をここまで慕っている事を知っている人間は限られている。
側妃の産んだ第三王子であるアレクセイのことを利用して、王を陥れようとする人間が近づいて来る事は今迄で何度もあった。
分かりやすい人間ならまだしも、何年越しでの計画を立てて、信用を築き上げてから裏切る人間が掃いて捨てるほどいる世界。
そんな人間を炙り出すためにも、敢えて兄弟の仲の良さは、僅かな人間の中でのみ知られる事となっている。
自分の存在が枷にならぬよう、宮中では常に気を張って生きて来た。兄のためだけではなく、国を乱さない為にも必要な事なのだから。
そんな彼にとって、妻のアリスティアと過ごす夜のひと時は確実に癒しの時間となっていた。
側から見たら女王様と犬のようにしか見えなくとも。
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