背後に注意を

響影

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(志麻視点)

教室を開けると、


そこには誰もいなかった。
窓の外を見るともう日が沈みかかっていた。
ここが最後の教室なのに結季は一体どこに行ったんだ、まさk連れて行かれた?
探しながらスレンダーマンのことを思い出す。子供を連れさらう変態野郎で、運良く連れ去られなかった者は酷いトラウマを植え付けられて精神が崩壊する…。
本当に結季は、連れて行かれたのだろうか、…

反対側の扉を開けて廊下に出る。


扉を通る時微かに視界が歪んだ気がした。
なんだ?
後ろを振り返ると開けたはずの扉が閉まっている。

……

「ぁ、……ぅ」

扉の向こうから微かに何かの声が響いていた。
……結季!?

「…ぁ」

「結季!」

扉を力一杯開けようとする、が接着剤でくっついたかのように開かない
なんで開かないんだよ、クソ

「結季!無事でいてくれよ…」

さっきよりももっと力を入れて扉を引く。
ギギギギ、と鈍い音がして隙間ができる、咄嗟に手を入れ一気に扉をこじ開けたっ

「結季っ!!!」

いつも結季が座っている机に見える肌色を見て息を呑む
なんで、そんな格好をしているんだっ

ガタンっ

目の前の結季が視界から消える
立ちあがろうとして倒れ込んでしまったようだ。

「結季!!大丈夫か!?」

急いで教室の中に入り、結季のそばに駆け込む。
身体に外傷がないかどうかを確認しようと結季を見るとゆっくりと結季の顔がこちらに向いた。


白い顔が一層白くなる


「あ、ぁぁぁ、ゔっ」

ガタガタと身体が震え出し、顔を横に振っている。

なんだ?結季の様子がおかしい。段々と目が合わなくなり結季の目はキョロキョロと色んなところを見るかのように周り出す。

「結季!」

声をかけると結季の口から

「ヒュッ、」

と音がして痙攣していた身体がこちらに倒れ込んできた。
「結季…?おいっ、結季!」

肩を軽く揺さぶり声をかけるも反応しない結季を見て慌てる、青白い顔を見て嫌なことが思いつき急いで口元に耳を当てた。

スゥ………スゥ………
微かに息をする音が聞こえ最悪の状況ではないことに少しだけ落ち着く、が、倒れていることには変わりなく。
俺は急いで結季にジャージを着せて職員室へと走った。





その後結季は救急車に運ばれて行った。

身体に特に異常はないらしく、唯一おかしなところと言えば足の付け根にタコのような吸盤の音がベッタリとあること。



しかし、結季は3日間目覚めなかった。
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