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21、実地訓練。
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オスカー様が剣術を習いたがっていても相変わらず教師たちは教えようとしない。同級生たちも相手をしたがらないらしい。
「ギルバートが相手をしてあげたらいいのに。」
「おれはユインティーナ様の護衛なの。なんで余計なリスクを取らなきゃならないのさ。」
「友達がいがないな。」
「おれがいつオスカー様と友達になったんだよ。」
「友達でなければその話し方はマズくないか?」
「友達だとしても高位貴族に剣を向けるのは嫌だ。」
「高位貴族ってそんなに特別なものなの?」
「そう言えるのは自分が初代九家の人間だからだ。」
「それか初代九家の価値が分からないのか。」
「ユインティーナ様だからそっちだな。おれたちは幼い頃から初代九家の人間を守るように言われて育っているんだ。急には変えられないよ。」
「剣術ひとつ習えないんだ。不自由な立場だよ。ユインティーナの知り合いに教えてくれそうな人間はいないか?」
「エドガー様?」
「やめとけよ。オスカー様が殺されるぞ。」
「ほかには・・・うーん。あっ、いる!オスカー様だったら顔が良いから教えてもらえるよ。」
わたしはサラ姐さんのことを思い出した。サラ姐さんは初心者の冒険者に剣を教えることもあって慣れているし、イケメンには優しい。
そんな訳でサラ姐さんに会いに行ったんだけど。
「ほらほら、そんな屁っ放り腰じゃネズミ一匹倒せないよ。」
いきなりの実地訓練になっている。
「ユインもやるね。久しぶりに会いに来たと思ったら男を二人も連れて。で、どっちがユインの男だい。」
「どっちも友達だよ。」
「じゃあ味見してもいいかな?」
「相手がいいって言えばね。」
「ほら、そっちの赤毛、足が止まってる。金髪の方は基礎は出来てるね。ただ、もっとコンパクトに振らないと魔獣は倒せないよ。」
「いきなりワイルドハウンドの相手は鬼畜じゃないか?」
「こら金髪、口じゃなくて体を動かせ。」
サラ姐さんの蹴りが出た。
「そんなに鬼畜でもないと思うよ。ワイルドハウンドは群れるからヤバイんで、一匹残してわたしとサラ姐さんが倒してあるから、二人で一匹倒せばいいだけでしょ。」
わたしはワイルドハウンドの毛皮を剥ぎながら言った。
「赤毛、コッチおいで。」
オスカー様が寄って来た。
「手ぇ、開いてみな。豆が潰れて血だらけになってるね。柔い手ぇしてるね。男の手じゃないみたいだ。ユイン、回復をかけてやりな。」
オスカー様が恥ずかしそうにわたしに手を見せた。
「男なのに恥ずかしいな。」
「最初はみんな、そんな風だよ。剣の素振りだけでもすれば違うかもね。」
わたしは回復魔法をかけながら言った。
「それにオスカー様は男らしいと思うよ。本当に男らしくない人は戦える女を認めないもの。」
実地訓練はワイルドハウンド一匹と小さな魔獣二匹を倒して終わった。
日が暮れると強い魔獣が出て危険だし、余り不在が長くなると学園を誤魔化しきれなくなる。
「なんだ、二人ともまだ未成年なのかい。赤毛はもっといってると思ってたよ。じゃあ味見も出来ないね。」
サラ姐さんが残念そうに言った。
「来年成人したらまたおいで。剣だけじゃなく他のことも教えてあげるから。」
サラ姐さんがバチンと音がしそうなウインクをした。
「ギルバートが相手をしてあげたらいいのに。」
「おれはユインティーナ様の護衛なの。なんで余計なリスクを取らなきゃならないのさ。」
「友達がいがないな。」
「おれがいつオスカー様と友達になったんだよ。」
「友達でなければその話し方はマズくないか?」
「友達だとしても高位貴族に剣を向けるのは嫌だ。」
「高位貴族ってそんなに特別なものなの?」
「そう言えるのは自分が初代九家の人間だからだ。」
「それか初代九家の価値が分からないのか。」
「ユインティーナ様だからそっちだな。おれたちは幼い頃から初代九家の人間を守るように言われて育っているんだ。急には変えられないよ。」
「剣術ひとつ習えないんだ。不自由な立場だよ。ユインティーナの知り合いに教えてくれそうな人間はいないか?」
「エドガー様?」
「やめとけよ。オスカー様が殺されるぞ。」
「ほかには・・・うーん。あっ、いる!オスカー様だったら顔が良いから教えてもらえるよ。」
わたしはサラ姐さんのことを思い出した。サラ姐さんは初心者の冒険者に剣を教えることもあって慣れているし、イケメンには優しい。
そんな訳でサラ姐さんに会いに行ったんだけど。
「ほらほら、そんな屁っ放り腰じゃネズミ一匹倒せないよ。」
いきなりの実地訓練になっている。
「ユインもやるね。久しぶりに会いに来たと思ったら男を二人も連れて。で、どっちがユインの男だい。」
「どっちも友達だよ。」
「じゃあ味見してもいいかな?」
「相手がいいって言えばね。」
「ほら、そっちの赤毛、足が止まってる。金髪の方は基礎は出来てるね。ただ、もっとコンパクトに振らないと魔獣は倒せないよ。」
「いきなりワイルドハウンドの相手は鬼畜じゃないか?」
「こら金髪、口じゃなくて体を動かせ。」
サラ姐さんの蹴りが出た。
「そんなに鬼畜でもないと思うよ。ワイルドハウンドは群れるからヤバイんで、一匹残してわたしとサラ姐さんが倒してあるから、二人で一匹倒せばいいだけでしょ。」
わたしはワイルドハウンドの毛皮を剥ぎながら言った。
「赤毛、コッチおいで。」
オスカー様が寄って来た。
「手ぇ、開いてみな。豆が潰れて血だらけになってるね。柔い手ぇしてるね。男の手じゃないみたいだ。ユイン、回復をかけてやりな。」
オスカー様が恥ずかしそうにわたしに手を見せた。
「男なのに恥ずかしいな。」
「最初はみんな、そんな風だよ。剣の素振りだけでもすれば違うかもね。」
わたしは回復魔法をかけながら言った。
「それにオスカー様は男らしいと思うよ。本当に男らしくない人は戦える女を認めないもの。」
実地訓練はワイルドハウンド一匹と小さな魔獣二匹を倒して終わった。
日が暮れると強い魔獣が出て危険だし、余り不在が長くなると学園を誤魔化しきれなくなる。
「なんだ、二人ともまだ未成年なのかい。赤毛はもっといってると思ってたよ。じゃあ味見も出来ないね。」
サラ姐さんが残念そうに言った。
「来年成人したらまたおいで。剣だけじゃなく他のことも教えてあげるから。」
サラ姐さんがバチンと音がしそうなウインクをした。
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