銃と少女と紅い百合

久藤レン

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私がいたいのは

10-1 こんな時間がいつまでも

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 先日の雷雨からずっと雨が降り続いている街を学校からの帰宅途中のランドセルを背負ったみいなとそれを迎えに来た凛々奈が並んで歩いている。灰色の空の下で鮮やかなみいなの青い傘と凛々奈の赤い傘が楽しそうに揺れていた。

「寒いですね~」

 白い息を吐きながらみいなは凛々奈を見上げる。

「ホントだね~ てかどうせなら雨じゃなくて雪降って欲しいね~」

 凛々奈もみいなを見て言う。

「雪が降ったらみんなで遊びたいですね! フラムちゃん達も呼んで!!」

「あ~ でもフラムは怒らせると炎出して燃えだすから、周りの雪融けちゃうかもよ?」

「あはははは! フラムちゃんは怒らせないようにしないとですね!」

「しかも最近はフラムだけじゃなくて、あの双子のチビ共も付いてくるからな~ まあ子守はサクラに任せればいいか」

「サクラさんとみなさん、最近仲良しみたいですもんね!」

「うん、なんだったかな・・・ おたもん? おんたま? なんか馬鹿みたいな名前の集まりやってるって言ってたかな?」

「そんなんですか? 今度サクラさんに一緒に連れて言ってもらおうかな?」

「ぜぇええったい!止めといた方がいいよ!!」

 いつも通り二人で会話をしながら帰り道を歩いて事務所、二人の家へと帰る。 こうしているだけで暖かくなる優しい時間。なんてことのない幸せな二人の日常

「たっだいまー」 「ただいまです!」

 玄関を開けて事務所の中へ入る。何時もはデスクに座った唯牙が珈琲を片手に「ああ、ただいま」と迎えてくれる。 しかしその日は唯牙は誰かと電話をしながら拳を握り怒りとも悲しみともとれる歪んだ表情で電話口を睨みつけていた。

「どうしたの? 何かあったセンセ?」

「・・・・唯牙さん?」

 その様子に少し驚きつつ二人は声を掛ける。二人が入ってきた事に気付かなかった様で唯牙は少し驚いた顔をした後に少し電話口に喋ると通話を切った。 そして片手で顔を覆うと口を開く。

「ハルとサクラが・・・ やられた・・・ 今はハルの家でシエルが診てる・・・・」

「・・・・・・・・・は?」

 時間が止まった様な気がした。しかし窓の外の雨はザーザーと音をたててなり続ける。
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