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過保護な姉とお友達
9-2 怪しい二人?
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◆
フードコート、休日であることもあり家族連れや学生のグループなど沢山の人で賑わっている。
「みーなちゃんいっぱい食べるね~」
「えへへ! お店の前のいい匂いでお腹空いちゃいました!」
「僕はこれで丁度いいかな~」
三人はそれぞれ食べたい物を手にしてテーブルにつく。みいなはオムライスとサラダのセット、宇佐美はたこ焼き、神楽はクレープを注文した。
「クレープもいいですね、デザートに私も食べようかな?」
「あはは! みーなちゃん意外と大食いだねぇ!」
「小柄なのに凄いねぇ~」
あははははは! と楽しそうに喋りながら食事を楽しんでいる三人。離れた席でその様子を伺う二人組がいる。二人共キャスケット帽を深く被りそれぞれ黒縁のメガネとサングラスで顔を隠している。
「微笑ましい光景ね~」
サングラスを掛けている方が言うと眼鏡をしている人物が手にしたたいやきを口に運びつつ言う。
「・・・・そうだね、でも凛々奈・・・よく我慢できてるね」
「なにが?」
「いつもならカメラで写真撮ろうと暴れ回るのに・・・」
「フフフッ サクラ知らないの? こんなに人がいっぱいいる所で女の子を隠し撮りなんかしたらすぐに通報されちゃうのよ?」
やれやれ、といった顔を凛々奈がする。
「いや・・・・ そこはちゃんと弁えてるんだね」
「死ぬほど撮りたいけどね? ツインテールみーちゃん」
顔を隠しているが二人はみいなの様子を見に来た凛々奈とサクラだった。
「てか何でアンタまで来てる訳?」
「え? だって凛々奈がみいなの邪魔しないように見張っててくれって唯牙が・・・」
「しないわよ!! 邪魔なんて!!」
「あ、あともしもの事があったら今凛々奈は武器持ってないから一応戦える私もだって」
「あ~」
言われた凛々奈は愛銃パレットバレットが修理中だということを思い出す。
「てか今更だけど壊したのアンタじゃん、なんか思い出したらムカついてきた」
「・・・細かい事に拘るのは良くないよ、凛々奈」
テーブルの上にあったドリンクをストローで飲みつつサクラは目を逸らして言った。
「いや細かい事じゃないんだけど・・・ 言うようになったわねアンタも」
出会いこそ殺し合いだった二人だが、なんだかんだで二人共軽口を言い合える位に打ち解けていた。
「・・・・・そういえば凛々奈の普通の服、久しぶりに見た、珍しい・・・ なんで?」
サクラは横に座る凛々奈をつま先から首元まで見る。短めの丈のベージュのコートにチェックのミニスカート、黒いタイツ。普段のダルダルのジャージ姿=凛々奈のイメージを持っていたサクラは見慣れぬその姿をなんともいえない目で見る。
「分かんない? 私くらいになるとね、ジャージ姿なだけでみーちゃんに見つかる確率爆上がりなの、なんならみーちゃんはジャージ=私だと認識している可能性すらあるわ」
「そうなの?」
「この前ランニングしてるジャージ姿のおばちゃんをみーちゃんが私と間違えた時は流石にショックだったわ」
「あ、そう」
心底どうでもよさそうに答えると凛々奈が勢いよく立ち上がる。
「動いた!」
張り込み中の刑事みたいなセリフを言われ、先程までみいな達が居た方を見ると三人は食器などを片付けてフードコートから出ていこうとしていた。
「ほら! 行くわよ!!」
凛々奈は手元にあったドリンクを勢い良く飲み干す。
「え・・・・まだ食べてない」
サクラの手元には一口だけ齧られたたいやきが握られている。
「急いで口に突っ込め!」
「うわっ」
凛々奈はサクラの手を掴んで引っ張っていった。
フードコート、休日であることもあり家族連れや学生のグループなど沢山の人で賑わっている。
「みーなちゃんいっぱい食べるね~」
「えへへ! お店の前のいい匂いでお腹空いちゃいました!」
「僕はこれで丁度いいかな~」
三人はそれぞれ食べたい物を手にしてテーブルにつく。みいなはオムライスとサラダのセット、宇佐美はたこ焼き、神楽はクレープを注文した。
「クレープもいいですね、デザートに私も食べようかな?」
「あはは! みーなちゃん意外と大食いだねぇ!」
「小柄なのに凄いねぇ~」
あははははは! と楽しそうに喋りながら食事を楽しんでいる三人。離れた席でその様子を伺う二人組がいる。二人共キャスケット帽を深く被りそれぞれ黒縁のメガネとサングラスで顔を隠している。
「微笑ましい光景ね~」
サングラスを掛けている方が言うと眼鏡をしている人物が手にしたたいやきを口に運びつつ言う。
「・・・・そうだね、でも凛々奈・・・よく我慢できてるね」
「なにが?」
「いつもならカメラで写真撮ろうと暴れ回るのに・・・」
「フフフッ サクラ知らないの? こんなに人がいっぱいいる所で女の子を隠し撮りなんかしたらすぐに通報されちゃうのよ?」
やれやれ、といった顔を凛々奈がする。
「いや・・・・ そこはちゃんと弁えてるんだね」
「死ぬほど撮りたいけどね? ツインテールみーちゃん」
顔を隠しているが二人はみいなの様子を見に来た凛々奈とサクラだった。
「てか何でアンタまで来てる訳?」
「え? だって凛々奈がみいなの邪魔しないように見張っててくれって唯牙が・・・」
「しないわよ!! 邪魔なんて!!」
「あ、あともしもの事があったら今凛々奈は武器持ってないから一応戦える私もだって」
「あ~」
言われた凛々奈は愛銃パレットバレットが修理中だということを思い出す。
「てか今更だけど壊したのアンタじゃん、なんか思い出したらムカついてきた」
「・・・細かい事に拘るのは良くないよ、凛々奈」
テーブルの上にあったドリンクをストローで飲みつつサクラは目を逸らして言った。
「いや細かい事じゃないんだけど・・・ 言うようになったわねアンタも」
出会いこそ殺し合いだった二人だが、なんだかんだで二人共軽口を言い合える位に打ち解けていた。
「・・・・・そういえば凛々奈の普通の服、久しぶりに見た、珍しい・・・ なんで?」
サクラは横に座る凛々奈をつま先から首元まで見る。短めの丈のベージュのコートにチェックのミニスカート、黒いタイツ。普段のダルダルのジャージ姿=凛々奈のイメージを持っていたサクラは見慣れぬその姿をなんともいえない目で見る。
「分かんない? 私くらいになるとね、ジャージ姿なだけでみーちゃんに見つかる確率爆上がりなの、なんならみーちゃんはジャージ=私だと認識している可能性すらあるわ」
「そうなの?」
「この前ランニングしてるジャージ姿のおばちゃんをみーちゃんが私と間違えた時は流石にショックだったわ」
「あ、そう」
心底どうでもよさそうに答えると凛々奈が勢いよく立ち上がる。
「動いた!」
張り込み中の刑事みたいなセリフを言われ、先程までみいな達が居た方を見ると三人は食器などを片付けてフードコートから出ていこうとしていた。
「ほら! 行くわよ!!」
凛々奈は手元にあったドリンクを勢い良く飲み干す。
「え・・・・まだ食べてない」
サクラの手元には一口だけ齧られたたいやきが握られている。
「急いで口に突っ込め!」
「うわっ」
凛々奈はサクラの手を掴んで引っ張っていった。
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