80 / 113
おもたん(仮)
8-4 ちーむけっせい
しおりを挟む
◆
ヒートアップしたドッジボールも終わり4人はUNOのカードと紙袋の乗った机を囲んで椅子に座っていた。
「いや~ 楽しいかったね~」
座ったままリズムよく足を揺らしてご機嫌にフーカが言う。
「楽しくないわ!! ただ鳩尾にボールぶち込まれただけだぞ私は!!」
バァンと机に手を叩きつけてフラムは叫ぶ。
「・・・・というか4回ボール投げただけじゃない?」
破裂してペラペラになったボールだった物を摘んでいるサクラ。
「あはははは、ちょっと短期決戦すぎたね~ でも楽しかったよね? ライカ?」
フーカが言いながらライカの方を見る。
「え・・・ああそうだね、うん、楽しかった楽しかった」
そこにはがくんと頭を下げてテンションがガタ落ちしているライカ。
「なんだよこいつ! 急にテンションガン下がりじゃん!!」
フラムが驚きながら言う。
「にゃあ~ 楽しかった楽しかった うん、うん楽しかった楽しかった」
死んだ魚の様な目でライカは虚ろに繰り返している。元気にぴょこぴょこ跳ねていたツインテールもしなしなになって垂れ下がっていた。
「あらあら~ ライカ電池切れか~ よいしょっと」
その様子を見てフーカは立ち上がった。
「電池切れ・・・?」
サクラが首をかしげて言う。
「そうだよ~ ライカは電気が元気だからね~」
「なんだよそれ」
フラムもよく分からないでいるとライカに近付きながらフーカはポケットから何か取り出す。
取り出したのはフーカの片手でギリギリ掴める程の大きさの黒い機械。先端がクワガタのハサミの様に二股に分かれている。その両端を繋ぐ様に電気の閃光がバチバチと音を立てて走った。
「え・・・ それスタンガ」
サクラが言い終わる前に。
「エネルギ~チャ~~~~ジ」
バリバリバリバリバリバリバリバリ
フーカがライカの首元に迸る電撃を押し付けた。
「うううううあああああおおおおおおおおおおあああばばばば」
謎の言葉を発しながらライカが黄色く発光する。
「あ! これアニメとかだと骨が透けて見えるやつだ!!」
何故かテンションがあがるフラム。
「・・・・女の子が女の子の首筋にスタンガン当ててるこの絵面なかなかショッキングだと思うよ・・・」
引くサクラ。
Pー!
甲高い電子音が鳴るとライカの発光とスタンガンの電気が止まった。
「ど~お? ライカ~?」
スタンガンをポケットに仕舞いながらフーカが尋ねる。
「うおおーーー! 元気100倍ぃ!!」
死んだ魚の目をしていたライカは元の元気な綺麗な瞳になりぴょんっと元気に両手を上げてジャンプした。艶々になった綺麗なツインテールも元気に跳ねる。
「ほんと騒がしいやつだなー! お前ら!」
「・・・・まあ元気なったなら良かった」
復活したライカを確認するとサクラは立ち上がる。
「それじゃあ、私、帰る・・・・」
机の上の紙袋に手を伸ばそうとすると。
「待て待て待て待て待てぇえええい!! 待てぇ!!!!」
ライカがとてつもなく大きい声で制止する。
「ちょっ! なに!? うるさい!!」
驚くサクラ。
「決めた! またこのみんなで遊ぶ!!!」
「おお~! いいねぇ~」
双子が勝手に何かを決めようとしている。
「・・・・え」
「この4人なら折角全力だして遊べるんだ! それに全力で戦った私達はもうマブダチだぁ!!」
・・・なんか同じ様な事を最近言われたなぁとサクラは思う。
「そうだ! 折角だからチーム名をつけよう!」
「そうだねぇ、特別な力を持った女の子4人なんてなんだかアニメみたいだよねぇ~、日曜日の朝にデビューしちゃおうか~」
どんどん話が進んでいく。
「ちょっと! 私やるなんて言ってない! フラムも何か言って!!」
このまま行くと訳のわからない事に巻き込まれ続けてしまうと思いフラムに助けを求める。
「えへへ~ じゃあ私がリーダーかな~? 炎って絶対主人公だもんね~」
ノリノリだった。
「にゃはははは!じゃあとりあえずチーム名を決めよう!」
「あ! あれがいい!! プリキュ」
「それは駄目だねぇ~」
ちびっ子三人がとてつもなく盛り上がっている。その様子だけを見るなら可愛らしい女の子達が楽しそうに話している可愛らしい光景だが、サクラはこのままではマズイ事になるとこっそり逃走の準備をする。 すると
ブルルル
サクラのポケットのスマートフォンが振動した。
(?・・・ハル?)
何かあったのかとポケットから取り出して画面を見ると通知が1件来ていた。
『グループ おもたん に招待されています。』
「?」
「私達が全力で遊べる事を探す探検隊! おもしろい事探検! 略しておもたんよ!」
いきなり目の前に近づいて来たライカがスマホを片手に言った。
「えッ!!? なんで私の連絡先知ってるの!?」
サクラはいつものクールな表情が完全に崩壊した驚いた表情になる。
「この前凛々奈が手が空いてない時に何かあったらこっちに連絡して助けてもらえって教えてくれた!」
ライカの後ろからひょこっとフラムが顔を出す。
「勝手に!?」
「えへへ~ これも運命だよ~」
フーカも後ろから顔を出す。
「・・・・・・・い」
嫌だと断ろうと口を開こうとすると三人の少女たちがうるうるとした瞳で上目遣いで見つめてきた。
「お姉ちゃん・・・お願い・・・・」
「ううッ!」
圧倒的なおねだり力でサクラの心が揺らぐ。少し額に手を当てて考えるが涙目で訴える少女達を見て。
「・・・・・・時間がある時だけだよ」
折れた。
「「「イェイ!!」」」
ちびっ子三人が元気にハイタッチして喜ぶ。
「ね~? おねだりすればいけたでしょ~?」
「サクラって案外チョロいんだな」
「これでチーム結成だ!」
どうやらさっきの潤んだ瞳は作戦だったみたいで。呆れてハァッとため息をつくサクラだったが楽しそうに笑う三人を見ていると自然に表情が緩む。
「・・・・・まあ、いいか」
こうして“おもしろい事探検隊” おもたん が結成された。
「・・・・・でもおもたんは嫌だから変えて」
「「「ええ~~~」」」
おもしろい事探検隊 おもたん(仮) が結成された。
◆
「じゃーねー!!」 「ばいば~い!!」
そんな事をやっている内に日が傾き始め、辺りが夕陽で赤く染まる頃、もう帰る時間だと言って双子は手を降って帰って行った。
「ハァ・・・・ いつもの何倍も騒がしい1日だった・・・・」
疲れ果てた顔のサクラ。
「私もそろそろ帰ろっと」
横にいたフラムも帰宅しようと机の上の紙袋を手にする。
「・・・・・そういえば引き分けだったけど取られなくてすんだね・・・・・」
サクラも自身の紙袋を持って帰る準備をする。
「あ! そういえばそうだったね! とりあえず取り返せて良かったよ! へへへ、1個食べながら帰ろっと!」
フラムがガサガサとパンのハイタッチ袋を開く。
「ん? あーーーー!!!」
すると中を確認して大きな声をあげた。
「・・・・・どうしたの?」
「1個減ってる!!!」
どうやら中にある筈のパンの数が少ないらしい。
「・・・・まさか」
サクラも紙袋を開く。するとたい焼きも一つ無くなっていた。
「あっ! いっこ無い!!」
「あいつら!一つずつ持ってきやがったなぁ!!」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
なんとも言えない沈黙の後にサクラが口を開いた。
「・・・・・・・一つ・・食べる?」
「・・・・・・・うん、じゃあこのメロンパンと交換しよ?」
なんとなく一つずつパンとたい焼きを分け合って、二人はそれぞれ帰るべき家へと向かっていった。
◆
「にゃはははは! 楽しかったねえ! フーカ!」
たい焼きをかじりながらフーカと手を繋いでスキップしているライカ。
「そうだねぇ~ 面白いお友達も出来て良かったねぇ~」
片手にあんぱんをもって並んでスキップするフーカ。
「早く帰って時雨にお話しよ! フーカ!」
「うん! ライカ!!」
夕陽に照らされる双子のご機嫌な声が紅い空に響いた。
ヒートアップしたドッジボールも終わり4人はUNOのカードと紙袋の乗った机を囲んで椅子に座っていた。
「いや~ 楽しいかったね~」
座ったままリズムよく足を揺らしてご機嫌にフーカが言う。
「楽しくないわ!! ただ鳩尾にボールぶち込まれただけだぞ私は!!」
バァンと机に手を叩きつけてフラムは叫ぶ。
「・・・・というか4回ボール投げただけじゃない?」
破裂してペラペラになったボールだった物を摘んでいるサクラ。
「あはははは、ちょっと短期決戦すぎたね~ でも楽しかったよね? ライカ?」
フーカが言いながらライカの方を見る。
「え・・・ああそうだね、うん、楽しかった楽しかった」
そこにはがくんと頭を下げてテンションがガタ落ちしているライカ。
「なんだよこいつ! 急にテンションガン下がりじゃん!!」
フラムが驚きながら言う。
「にゃあ~ 楽しかった楽しかった うん、うん楽しかった楽しかった」
死んだ魚の様な目でライカは虚ろに繰り返している。元気にぴょこぴょこ跳ねていたツインテールもしなしなになって垂れ下がっていた。
「あらあら~ ライカ電池切れか~ よいしょっと」
その様子を見てフーカは立ち上がった。
「電池切れ・・・?」
サクラが首をかしげて言う。
「そうだよ~ ライカは電気が元気だからね~」
「なんだよそれ」
フラムもよく分からないでいるとライカに近付きながらフーカはポケットから何か取り出す。
取り出したのはフーカの片手でギリギリ掴める程の大きさの黒い機械。先端がクワガタのハサミの様に二股に分かれている。その両端を繋ぐ様に電気の閃光がバチバチと音を立てて走った。
「え・・・ それスタンガ」
サクラが言い終わる前に。
「エネルギ~チャ~~~~ジ」
バリバリバリバリバリバリバリバリ
フーカがライカの首元に迸る電撃を押し付けた。
「うううううあああああおおおおおおおおおおあああばばばば」
謎の言葉を発しながらライカが黄色く発光する。
「あ! これアニメとかだと骨が透けて見えるやつだ!!」
何故かテンションがあがるフラム。
「・・・・女の子が女の子の首筋にスタンガン当ててるこの絵面なかなかショッキングだと思うよ・・・」
引くサクラ。
Pー!
甲高い電子音が鳴るとライカの発光とスタンガンの電気が止まった。
「ど~お? ライカ~?」
スタンガンをポケットに仕舞いながらフーカが尋ねる。
「うおおーーー! 元気100倍ぃ!!」
死んだ魚の目をしていたライカは元の元気な綺麗な瞳になりぴょんっと元気に両手を上げてジャンプした。艶々になった綺麗なツインテールも元気に跳ねる。
「ほんと騒がしいやつだなー! お前ら!」
「・・・・まあ元気なったなら良かった」
復活したライカを確認するとサクラは立ち上がる。
「それじゃあ、私、帰る・・・・」
机の上の紙袋に手を伸ばそうとすると。
「待て待て待て待て待てぇえええい!! 待てぇ!!!!」
ライカがとてつもなく大きい声で制止する。
「ちょっ! なに!? うるさい!!」
驚くサクラ。
「決めた! またこのみんなで遊ぶ!!!」
「おお~! いいねぇ~」
双子が勝手に何かを決めようとしている。
「・・・・え」
「この4人なら折角全力だして遊べるんだ! それに全力で戦った私達はもうマブダチだぁ!!」
・・・なんか同じ様な事を最近言われたなぁとサクラは思う。
「そうだ! 折角だからチーム名をつけよう!」
「そうだねぇ、特別な力を持った女の子4人なんてなんだかアニメみたいだよねぇ~、日曜日の朝にデビューしちゃおうか~」
どんどん話が進んでいく。
「ちょっと! 私やるなんて言ってない! フラムも何か言って!!」
このまま行くと訳のわからない事に巻き込まれ続けてしまうと思いフラムに助けを求める。
「えへへ~ じゃあ私がリーダーかな~? 炎って絶対主人公だもんね~」
ノリノリだった。
「にゃはははは!じゃあとりあえずチーム名を決めよう!」
「あ! あれがいい!! プリキュ」
「それは駄目だねぇ~」
ちびっ子三人がとてつもなく盛り上がっている。その様子だけを見るなら可愛らしい女の子達が楽しそうに話している可愛らしい光景だが、サクラはこのままではマズイ事になるとこっそり逃走の準備をする。 すると
ブルルル
サクラのポケットのスマートフォンが振動した。
(?・・・ハル?)
何かあったのかとポケットから取り出して画面を見ると通知が1件来ていた。
『グループ おもたん に招待されています。』
「?」
「私達が全力で遊べる事を探す探検隊! おもしろい事探検! 略しておもたんよ!」
いきなり目の前に近づいて来たライカがスマホを片手に言った。
「えッ!!? なんで私の連絡先知ってるの!?」
サクラはいつものクールな表情が完全に崩壊した驚いた表情になる。
「この前凛々奈が手が空いてない時に何かあったらこっちに連絡して助けてもらえって教えてくれた!」
ライカの後ろからひょこっとフラムが顔を出す。
「勝手に!?」
「えへへ~ これも運命だよ~」
フーカも後ろから顔を出す。
「・・・・・・・い」
嫌だと断ろうと口を開こうとすると三人の少女たちがうるうるとした瞳で上目遣いで見つめてきた。
「お姉ちゃん・・・お願い・・・・」
「ううッ!」
圧倒的なおねだり力でサクラの心が揺らぐ。少し額に手を当てて考えるが涙目で訴える少女達を見て。
「・・・・・・時間がある時だけだよ」
折れた。
「「「イェイ!!」」」
ちびっ子三人が元気にハイタッチして喜ぶ。
「ね~? おねだりすればいけたでしょ~?」
「サクラって案外チョロいんだな」
「これでチーム結成だ!」
どうやらさっきの潤んだ瞳は作戦だったみたいで。呆れてハァッとため息をつくサクラだったが楽しそうに笑う三人を見ていると自然に表情が緩む。
「・・・・・まあ、いいか」
こうして“おもしろい事探検隊” おもたん が結成された。
「・・・・・でもおもたんは嫌だから変えて」
「「「ええ~~~」」」
おもしろい事探検隊 おもたん(仮) が結成された。
◆
「じゃーねー!!」 「ばいば~い!!」
そんな事をやっている内に日が傾き始め、辺りが夕陽で赤く染まる頃、もう帰る時間だと言って双子は手を降って帰って行った。
「ハァ・・・・ いつもの何倍も騒がしい1日だった・・・・」
疲れ果てた顔のサクラ。
「私もそろそろ帰ろっと」
横にいたフラムも帰宅しようと机の上の紙袋を手にする。
「・・・・・そういえば引き分けだったけど取られなくてすんだね・・・・・」
サクラも自身の紙袋を持って帰る準備をする。
「あ! そういえばそうだったね! とりあえず取り返せて良かったよ! へへへ、1個食べながら帰ろっと!」
フラムがガサガサとパンのハイタッチ袋を開く。
「ん? あーーーー!!!」
すると中を確認して大きな声をあげた。
「・・・・・どうしたの?」
「1個減ってる!!!」
どうやら中にある筈のパンの数が少ないらしい。
「・・・・まさか」
サクラも紙袋を開く。するとたい焼きも一つ無くなっていた。
「あっ! いっこ無い!!」
「あいつら!一つずつ持ってきやがったなぁ!!」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
なんとも言えない沈黙の後にサクラが口を開いた。
「・・・・・・・一つ・・食べる?」
「・・・・・・・うん、じゃあこのメロンパンと交換しよ?」
なんとなく一つずつパンとたい焼きを分け合って、二人はそれぞれ帰るべき家へと向かっていった。
◆
「にゃはははは! 楽しかったねえ! フーカ!」
たい焼きをかじりながらフーカと手を繋いでスキップしているライカ。
「そうだねぇ~ 面白いお友達も出来て良かったねぇ~」
片手にあんぱんをもって並んでスキップするフーカ。
「早く帰って時雨にお話しよ! フーカ!」
「うん! ライカ!!」
夕陽に照らされる双子のご機嫌な声が紅い空に響いた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる