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おもたん(仮)
8 ぷろろーぐ
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肌寒くなって来た季節、冷たい風が吹く町並みをきらきらと輝く太陽が一生懸命に照らしている。
そんな風景の中、大通りを外れた静かな住宅地を一人の少女がご機嫌にリズム良くスキップして進む。
橙の髪をサイドテールに纏めた少女、フラムは鼻歌を歌いながら胸に大きな紙袋を抱えていた。
「へっへへ~ この前みいなに教えて貰ったパン屋さんやっと行けた~」
袋からパンのいい香りが鼻に届いてフラムの顔はもっとご機嫌になっていった。そんな時目の前に二つの黒い影が降ってくる。
「うぉわ! びっくりした! おっとっとっと」
それに驚いたフラムは急に立ち止まった勢いで落としかけた袋をなんとかキャッチ。
「にゃははは! あんたがフラムね!」
「僕達の遊び相手になってもらうよ~」
現れた二つの影はフラムと同じ位の年頃の少女達。フラムをみてニヤッと笑う。大きめのパーカーとミニスカート、よく似た顔の2人組。
「なによ、あんた達、黒焦げになる覚悟はできてるんでしょうね!?」
フラムは相手が普通ではないとすぐに判断し抱いていたパンの入った紙袋を左手に抱え直し、右手を顔の前に持ってくると、掌が太陽の様に発光しボウッと大きな炎が灯る。
フラムが戦闘に備える。
「にゃー、今日はそんな気分じゃないんだな~」
「嫌だよね~ 血の気の多い子供ってさ~」
何故かいきなり現れた方が呆れて物を言っている。
「な! なんだよう!! お前ら私と戦いに来たんじゃないのかよお! てかお前らも子供だろお!!」
悔しそうにフラムは怒鳴なるが謎の二人は意に介さず懐から何かカードの束を取り出して叫んだ。
「「今日の暇つぶしはこれだあ!!!」」
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